大浮世絵展@江戸東京博物館
人多かったー。来月ちょうど名古屋でやっているので,刈谷のついでに行こうかな,って思ったくらいには。でも刈谷は刈谷であって名古屋ではないのですよ。
超有名作品であるところの菱川師宣の「見返り美人図」と「ポッピンを吹く女」がちょうど前週までで展示終了,なので,少しはすいているかと期待していたんだけど,さにあらず。
ああ,人が多かった感想しか残らない美術展なんて不毛だ。人を観に行ってるんじゃないのよ,絵を見たいのだよ。
浮世絵前夜から大正時代までの浮世絵の潮流を,おおまかな時代ごとに区切って展示。墨一色の版画から,摺った後に色をのせるようになり,次第に色摺,多色摺の錦絵へと。
美人画,役者絵,相撲取り。風景画。豪華な雲英摺。
印刷物を見ていただけでは知らなかったのが,空摺とよばれる,色をのせずに型押しだけしている方法。着物の模様。半襟,白い打掛。帯。繊細で素敵だった。それから,積もった雪の表現。歌舞伎で雪を表す太鼓の音が聞こえてくるようだった。
同時代の西洋の絵画に比べれば,二次元的だしデフォルメも甚だしい。さほど美人に見えないとか,ブロマイド替わりって言うわりにはどんな顔かわかんないとか,みんな同じ顔に見えるとか,思っていたけれど,そうじゃないのね。複数の絵師さんの絵を同時に見ると,デフォルメの中にも絵師さんの個性が見えてくる。それに,なんだろう。うん。一点物の絵画じゃなくて,量産品のポスターだと思えば。
現代の絵師さんの手になる萌え絵の女の子も,髪の色も不自然だし目も不自然なまでに大きいし,だいいちおっぱい大きすぎるし。
あああ,殴らないで石を投げないでー。
女性ファッション誌のグラビアだって,The PhotoShop みたいな感じのも少なくないしね。
って,考えると,ナルホドナーと思ったわけです。
たとえば,柱絵(柱サイズの縦長の絵)とか。たとえば,人気絵師さんが挿絵をつけた刷本とか。都市に住んでてちょっと生活に余裕がある庶民の日常のカルチャー。虫にちなんだ恋歌(狂歌)に北斎(だっけ?)の絵をつけた本がすごく楽しそうだった。同じ企画,今でもいける。
それに,着物の柄を見ているだけでも楽しいし。夏の薄物の透けている感じがたまらん。
すっっっごく久しぶりのおデートで,お昼は両国でラーメン食べて。楽しかったです。疲れたけどね。