15年度新入団選手発表:サントリー


2015年度 新入団選手のお知らせ 2014 ニュース SUNBIRDS サントリー


柳田将洋(慶應)と山本湧(専修)のサンバーズ入団が発表された。


カレンダーは10月。そういうシーズンになった。


やなぎとゅぅくん。じわじわと,嬉しい。


毎年秋から冬にかけて自然発生しているぽえむ,今年はやなぎについて1度は書くことになるんじゃないかと思っていた。いる? いた? これがそれかな。 


当の本人は今,対馬海峡を挟んで,アジア大会が行われている仁川にいる。日付変わって今日が決勝戦。主にリリーフサーバでの出場のようすながら,A代表として国際大会に出て,その勝利に貢献している。


おかげで今秋のリーグ戦は全休となったわけだが,彼に関しては「大学最後のリーグなのに」だとか「4年生なのに」だとかはあまり思わない。


それにはいくつかの理由が考えられ,そこから広がって慶應の柳田として過ごしたここまでの3年半をおもう。CX的視野に立てば「東洋の柳田」が数年の潜伏期間を経て,日本代表に入り,サントリーに入るようにも見える。でも,そうじゃない。*1


外野だから好き勝手言う。


わたしは「やなぎのファン」ではなかった。慶應のことを多少気にかけてはきたが,それは柳田の在とは直接は関係なかった。1年生からレギュラーではあったけれど,押し出しの強いタイプではないし,彼が1人で引っ張っている印象でもなかった。2個上にはなんたって間宮がいたし,エースはずっと岡田だった。


「やなぎのファン」ではなかった。ずっと。


人って,ちょっとしたことで転がるんだなあと驚いている。べつに今も「ファン」ではないと思うのだけれど,残念ながら検証する機会がない。つまり,今年の秋リーグでの検証を期していたところで梯子を外されたのが,未練として巣喰ってしまっているのだろう。今年の秋を,いつもと同じように観ていたら,きっとこんなにもこだわることはなかったんだろう。


うれしいのだ。じわじわと。彼の力をもってすれば早い内からのレギュラー獲得も夢じゃないという期待が高まる。それを見てみたいと思う。遠い世界で,強いチームで,明るいライトのあたる夢の舞台で,たくさんのファンに囲まれて,代表でも活躍して若い女子にきゃあきゃあと取りざたされる柳田さんを。それを体育館の薄暗い隅っこで「大学時代にスタンドのその辺を歩いているときに声をかけておけばよかった」などといじましく嫉ましく歯噛みしている自分を。


そして,ゅぅくん。


やなぎの高校時代はプレーを観る機会がなくて名前だけが自分の中で一人歩きしていたけれど,山本湧こそ,わたしの「春高の王子様」だ。春高で目を奪われてからずっと「この選手は将来Vリーガーになる」と信じて疑っていなかったと思う。どこに行くかまでは考えたこともなかった(考えてもしかたない)けれど,サントリーに違和感はない。


すごく目を引く選手で,とてもユニークだ。おもしろい。ブロックが得意,スパイクが得意,幻惑的なトスを上げ幻惑的なツーアタックを打つ。感情の起伏も激しそうでそれも見える。


Vリーガーになるだろうと漠然と思っていたくせに,ぷれみあでどうなるのだろう,という懸念もある。自分でも勝手だけど,しかたない。


技術的にはまだまだ伸びしろはたくさんある。身長も(低くはないが)さほど大きいほうでもない。チームにセッターが4人いて,彼で5人目。多すぎる。阿部,岡本,島田,橋本。


だから,こちらは,早い内に試合に出られるかもという期待はなく,サツバツとしたレギュラー争いの戦いの渦中に入るのかどうなのか,というところだ。


でも,角が丸くなったとしてもならなかったとしても,その変化を含めてようすを窺える機会があり,彼にこれからがあるといのは,実に楽しみだ。


そして,将来,山本湧がトスをあげ,柳田がそれを打つ日が来る。


想像しただけで,俺得な未来じゃないか。

*1:余談だが,アジア大会がTBS系列のおかげだからか,春高のことには触れず「現役大学生トリオ」のうちの「慶應の柳田」であったことは,わたしの心証をかなり良くした。