応援しています?


先日の天皇杯関東ブロックラウンドのこと。自覚しているよりも,東海大に負けてほしくない気持ちが強いらしいことがわかって,自分でも驚いた。


千葉ゼルバとの対戦でも,宇大との対戦でも,頭では,対戦相手が勝つほうが面白いだろうと思っていた。会場で一緒になった観客の中にもそれを望んでいた人が複数いた。近い人の好みに引きずられる傾向は強いほうだ。(もちろん,東海大が勝つことを望んでいた人も複数いた)。


2試合とも,対戦相手が勝つチャンスも可能性も大いにあった。どちらに転ぶかわからないデュースのラリーをひとつひとつ追いながら,そのほうが面白いと考えているはずなのに,どうしても気持ちがついていかなかった。


レギュラーメンバーが半分いないから危ないとは思っていた。でも,ブロックラウンドで(しかもBグループのあの編成で)終わるのはどうしてもイヤだった。


不思議。


ファンじゃないんだけどなあ。けして嫌いなわけではないけれど,ほかの多くのチームと同程度の関心はあり,同程度に無関心。特別好きな選手もいない。


それなのに勝ってほしいと願っているのは,ひとつには好きな選手たちの母校であり,そのころ自分もとても好きだったからだ。母校が弱くなるのは寂しいし切ない。優勝常連とは言わないにしても(そこまで圧倒的に強いのはつまらない。ほかに贔屓するところもあるし),優勝争いに絡むぐらいの強さはもっていてほしいのかもしれない。


でも,ほかの自分の心持ちの移り変わりを考えると,それも理由としては弱い。だから,よくわからないけれど,夢枕獏の「陰陽師」シリーズで安倍晴明が言うところの「呪」みたいなものだろうと思っている。代替わりして選手が変わってスタッフが変わって,まるで別のチームなのに,名前が同じだから呪がかかる。


こじらせた。


去年に比べて今年のほうがこだわりが強いのは,成績が浮上してきたからだろう。その現金さは自覚している。それでもなお,気づかぬうちに別の次元に来ちゃったかもしれない恐怖を今覚えている。


今のところは「うちのチーム」とは思っていない。秋に優勝したときも,今回危ない橋を渡りきったときも,自分が勝った喜びは感じなかった。人ごとのように,チームとそのチームを応援している人たちに「おめでとう」と思った。


実際,人ごとだしね。でも,勝ってほっとしたということは嬉しかったのかな。


バレーボールにおいて「応援する一つのチーム」をもちたくないので,まだしばらく抗ってみる。