今年気になったバレーボール選手2014


「ベスト6には絞れないから」と始めたこの企画も5年目になった。


1人1回限りで5回目ともなるとだんだん苦しくなってくる。十日以上前からあたためていたにもかかわらず,いまいち得心がいかぬとぐずぐずしているうちに年をまたいでしまった。


いっそやめてしまおうかとも考えたけれど,せっかくだし,どうせ自己満足でしかないので自己満足の追究はそこそこにして2014はこれで出す。今年も類似の企画をするのであれば,企画要件を改めよう。


(追記:5年目だったorz 2010201120122013


例によって順不同,ポジション・人数制限なし。


なお,文中は2014年ベースの表記(今年=2014)です。

園田康仁(サイド/東亜大学
半分は内輪のネタ的なアリバイに使わせてもらっていたんだけど,本人が麗しいので取り込まれてしまった。あながちアリバイ要員とも言い切れない。
平たく言えば一に外見。とくに指が長くて指先が優美。レセプションで構えているときの隣に指示を出している仕草や,得点が入って誰かの頭をぽんぽんしているときだとか,いちいち絶妙な角度で絶妙に絵になる。肩甲骨が浮き出る背中も,瞳が大きくて黒めがちな顔立ちも,ぜんぶ綺麗だったなあ。
高野と似てる似てない論争もあった。顔のつくりをおおまかにタイプわけしたら同じタイプに入ると思う。でも似てない。似てないけど2人とも素敵。
工藤巧(サイド/国士舘大学東京ヴェルディ
ニューフェイスの48番が打ちまくった今年の国士舘。コクシ1部昇格の立役者の一人であり,福平の冨田と並んで1年春に目を引いた1年生。
と言いながら国体東北ブロックで名簿がない状態で1日(2試合)観て,おそらくがんがん打っていた青森のエースの9番が工藤だとは全く気づいていなかったことは白状しておかねばならない。
その後顔立ちも整っていることを知って,より興味を引かれた。秋の最終週にスタンドで法政の濱口監督と話をしているのを見かけて「おや」と思ったら,今季東京ヴェルディインターンで参加とのこと。まだ帯同後の試合は見られていないが,冬の間にさらに磨かれることを期待している。
小島大輝(MB/国士舘大学
打てば決まるブロード無双に魂を抜かれた春の初日。小柄で機動力のあるセンタープレイヤー大好きだから,そりゃハマる。骨の髄までブローダー,かどうかは知らないが,試合前のスパイク練習もほぼブロードに入っている。
大学界隈だとブロードに入るMBはそこまで珍しいわけではないけれど,ここまで徹底したブローダーは珍しい。春2部スパイク賞。1部に上がった秋はさすがに無双とはいかなかった。1部のリードブロックがしっかりしたチーム相手にはブロードが決まりづらいということも含めて,興味深い事案だった。
橋本大樹(MB/大分三好
初めて見たの,どこだったかなあ。なんせ,めちゃめちゃうるさかった。もちろん良い意味で。得点後に走り回って盛り上げて(盛り上がって)いる様子は,見ている側も楽しい。ダンボーみたいな口が印象的。
栗山英之(MB/東海大学
優しげな面差しで,試合でないときは眼鏡男子(おされめがねでないところが素朴でいい)。だけど,コートに立てば気迫じゅうぶん,スパイクは力強く,その背中が体格以上に大きく見える。
彼以外2年生以下ばかりのコート内で3年生にして最上級生としてのキャプテンシーも発揮。秋のMVPはとてもしっくりきた。(余談になるが,今年は3年生以下のMVPが多かった。春の江頭だけが4年で,東日本インカレの藤中と秋の栗山は3年生,全カレ石川に至っては1年生だ)。
専修の高橋(東亜学園時代のMB対角でもある)とともに卒業後の進路がヒジョーに気になる。ジュニア代表の高橋と比べるとどうしても影が薄いのだが,今年1年でプレー面もかなり伸びたと思っているのでぜひ上でやってほしいのだが,如何せんMBは1個上の代も大豊作でなかなか。いずれにしても,もうあらかた決まってるんだろうなあ。
松林憲太郎(サイド/東海大学
がるがるしてばかりだった去年と比べて,今年は目が覚める活躍をした試合が多かった。春の2位も秋の優勝も,終わってみれば去年・一昨年より良い成績で,それはエースアタッカー(とわたしは思っている)まつばの活躍によるものに他ならないと思っている。ラリーで繋がっていくボールを,最後にまつばが後衛から,或いは前衛のレフトから,がすん,と相手コートにたたき込んで取る。そういう得点がいくつも見られた。
やればできるんじゃん,松林かっこいいじゃん,と目から鱗ぼろぼろだったこの1年。
スパイカーとして成長したのか,メンタルが強くなったのか,セッターとの相性が良かったのか,それともたまたま調子が良かっただけなのか,その真価は来年以降に。
瀧澤陽紀(サイド/つくばユナイテッドSun GAIA)
今年と言っても昨季13/14Vチャレンジリーグの話になるんだが。それまでの数年(少なくとも自分がちゃれんじを見始めてから)学生インターン中心でやってきていたチームから筑波大現役生がごっそり抜けた1年目。瀧澤がポイントゲッターとしてめざましい活躍をした。ことに,最終週刈谷1試合目の怪我と,それをおして強行出場した2試合目は忘れがたい。そういうの好きじゃないと言う割に,実は好きなのかもしれない。今季まだサンガイアを見る機会がほとんどなく,その少ない機会の限りは昨季に比べると目立っていない感じはある(その分奥村無双ぶりが目立つ)。それは戦術上は悪いことではないんだろうが,個人的には,中心選手として輝いて(きゃあきゃあ言われて)ほしいなあと思うものである。
道元貴(セッター/警視庁)
13/14ちゃれんじ総括で書いたことの繰り返しになる。ちびっこアタッカー大好きなわたしだが,中道のセッターコンバートは前向きに入ってきた。けして派手なプレーではないのにどうしてかセッティングのたびにきらきらして見えて,華やかで,楽しかった。
今季の警視庁はいまいち苦しいらしい(まだ見てない)旨は先の「気になったチーム」でも書いた。が,考えてみればまだ本格的にセッターに転向して2シーズン目だ。去年はビギナーズラック的なものもあったのかもしれない。苦しいシーズンを乗り越えて,セッターとしてもう一回り大きくなったら,それは素敵なことじゃないか。
柳田将洋(サイド/慶応義塾大学)
やなぎのことはもう何度か書いたので,いい加減しつこいし改めて書くこともない。東日本インカレで見せた日本刀の如き凄みに斬られてしまった。その後代表チーム帯同に伴う秋リーグ全休のせいで,よりその存在の大きさを意識させられることになった。
よくよく考えてみれば(失礼な話だが)いい選手だ。レセプションにも入っていたし,サーブ受け数も(狙われるから)少なくない。打数においては,猛烈に猛打賞。サービスエースが取れるし,スパイクは鋭い。ただのイメージだけど,クレバーなプレーができる。たぶん。決定率いいイメージがある。調べたことないけど。
代表ではつい石川と比べちゃうから身体もプレーも一回り小柄に見えてしまうのが口惜しい。
チームの話をすれば,今季の慶應は,やなぎがいた試合でも一昨年のような結果は残せず,秋の入れ替え戦もフルセットで,薄氷を踏む残留決定となった。バレーボールはチームスポーツで,1人の選手だけで成績が左右されるものではない,ということを感じさせられもした(その一方で,良い選手が大量にいる中央大が,石川の在不在で大きく順位を変えた事実については自分の中で結論が出ずにいる)。そんな慶應に対して思うところはあるのだけれど,自分たちがとても厳しい試合になることを承知で,彼を代表合宿に送り出し,残ったメンバーでどうにかしようと工夫を凝らしていたところは好感度が高かった。やなぎ自身,不在中もチームのことを気にかけているエピソードも聞こえてきた。
高3時の春高で「東洋の柳田」がてれびに王子様扱いされて取り上げられていたときは,直接見ていないがゆえにアンチな感情を抱いたし,慶應に入ることについても不要な憶測というか感情というか,そういうものを抱いたものだが,こうして4年を経て振り返ってみれば,慶應の4年があってのサントリーの柳田であろう。この先どこまで行くのかわからないが,先を先として,改めて好きの好きじゃないのかっこいいのかわいいのうまいのすごいのそうでもないの,そういうことを云々できる場に彼が進んだことを,今は喜ばしく思う。
専田和也&喜入祥充(サイド/早稲田大学
敢えて2人セットなのは,この2人が対角だったから。ちびっこレフト対角。喜入は喜入で良い意味での1年生らしさと良い意味での1年生らしくなさを出し,専田は主将らしさと,七里去りし後のエースアタッカーポジションを担った。ベタな言い方になるがこの2人の機動力(もちろん守備力やサーブ力も)はたいへん魅力的で,ちびっこ2人が対角として躍動している早稲田は小気味良かった。
2013の秋&全カレ優勝の翌年ということで,新チームの早稲田を気にかけていたはずなんだけど,振り返ってみるとあまり見ていなかった。吉村・七里・本間の3人の4年生が抜けた穴は人数以上に大きかったのか(いや,人数が大きい),もちろんそう言わせないためのあれこれをチームはがんばっていたのだろうけれど,そこにじっくり向き合っていなかった自分はもったいないことをした。そして,さらに専田がいなくなる来年,4年生は(レギュラーがではなくて男子選手が)福山1人という状況で,いよいよふんばりどころだろうと。がんばれ。
傳田亮太(MB/豊田合成
大学1年次から知っている選手を「今年気になった」に挙げるのもいまさらながら,今年「進路が気になった」選手として。
VC長野トライデンツの新加入選手として名前が出たのが昨年末,直後の某大会の客席で本人を見かけて思わず「どーゆーことなの」と直接問い質してしまったよね。
おおかた4年で卒業できなかったんだろうけど,春リーグでのコーチ姿を経て,夏の終わりには豊田合成への加入が発表された。Vプレミアの舞台に立てることがわかり,まずはほっと胸をなで下ろした。
秋のファン感でさっそくファンのオネエサマ方を虜にしたと聞き,楽しくなった。だってかわいいし,自分がかわいいことを自覚しているし,年上女性キラーだし。あざといなあと思いながら転がされるのだ。ごろんごろん。
14/15リーグが始まり,新人ながら出場機会もそこそこ与えられている。先だっては初のヒーローインタビューも経験した。合成はMBの人数がやたら多く,特に同世代が多い中でのレギュラーポジション争いは厳しいものがあるだろう。「dndncwii」ばかり言い続けていて,さてどんなタイプのプレーヤときかれても答えられないことに気づいて苦笑しているのだが,それをこれから見定めていけることが,嬉しいじゃないか。