10年目


志賀高原のスキー場(の宿)でひいた風邪をひっぱっています。病院に行けば3日分の薬を貰って2日で治るけれど行かないと長引くのかしら。そこまで具合が悪いわけでもなく,喉に痰が絡んでちょっと不快な程度なので,かえって,どのぐらいで治るか予測しづらい。


そのもう一つ前の週の風邪からの4連休に紛れていましたが,結婚10年目に入りました。


「9周年」は一見中途半端ですが,これでちょうど,結婚前の交際期間と結婚してからの期間が同じになりました。これからは結婚後のほうが長くなる,節目の結婚記念日でした。


9年が長いのか短いのかわからないけれど,もう結婚前のことをなかなか思い出せないし,結婚した当時の世相(わたしはインフルエンザウィルスをまき散らし,つまりまだタミフルが広く流通していなかった)を振り返ってみても,それなりの歳月が経ったのでしょう。変わっていないように思えても世の中も自分もゆるやかに変わっています。


毎年のことだけれど,年末年始あたりは,自分の未来に漠然とした不安を抱いたり,今の選択に自信が持てなくなったりします。平たく言えば子どもをもたないことの迷い,夫と一緒に住んでいないことの寂しさ,家族(親)とかのこと,いつか一人ぼっちになるだろうことへの不安。そんなところ。具体的に将来設計をして然るべき行動をとるといった生産的で前向きな行為ではなく,たらればだけ言ったり不安だけ感じたりする不毛なやつです。


年末年始は夫と一緒にいる時間が長いし,実家に帰省もする。ふだんと比べると同世代の人達の様子を知る機会も多い。年の変わり目で「今度の誕生日で○歳だ」という意識も強くなる。そのあたりが理由だと思っています。


尤も,自分(たち)の子どものことは,もう逡巡のピークは過ぎた感はあるのですが。でも,それも2月になって日常に戻ったから言えることで,年末年始頃はもっとずっとうじうじしていたような気がします。


ふだんは不満などかけらもなくおいしいとこどりの生活を満喫しているけれど,時折,ふと「違う選択をしていたら,違う今があったかもしれない」という気持ちが胸をかすめるのです。もう少し床面積の広い家に住んで,夫がいて,子どもがいて。


そんなの,当たり前なんだけど。そして,そんな「たら」を言っても意味はないんだけど。身体は一つしかないし,そのとき選べる道は一つしかないのだから,自分が選んできた今の生活をめいっぱい楽しむしかない。それはわかっていても,ふと,思うんだよね。


いつまで続けるんだろう。


というのは,過去ではなく将来の自分の選択のことでもあるので。


保守的なので,自分から変えたくない。変わりたくない。望まなくても変わらざるをえないときが来るかもしれなくて,今の平穏がずっと続く保証はないけれど,でも,それは考えたくない。


だから,いつまで続けるんだろうと言っているうちは続けるのでしょう。