2014/15Vプレミアリーグ男子ファイナル6への道
別名,入れ替え戦回避への道。
レギュラーラウンド3回戦総当たり。結果6位と7位の間に横たわる大きなクレバス。6位はファイナル6へ,7位はVチャレンジリーグ2位との入れ替え戦(チャレンジマッチ)へ。
21試合中19試合を消化した時点で,最終週(残2試合)を前に,3チームが5−7位争いをすることとなった。
順位 | チーム | 勝点 | 勝ち数 | 残りの対戦相手 |
---|---|---|---|---|
5 | 東レ | 25pt | 8勝 | JT,豊田合成 |
6 | ジェイテクト | 22pt | 8勝 | FC東京,パナソニック |
7 | 堺 | 21pt | 6勝 | パナソニック,FC東京 |
このうち1チームが入れ替え戦に回る。直接対決はない。残試合の結果を場合分けして最終順位をシミュレートするのもままならない僅差。
[twitter:@pbean238] 氏がそのままならないシミュレーションに果敢に挑んでいらっしゃった。
ファンは気が気でない。チャレンジのチームにとって入れ替え戦は目標であり出場は栄誉であるが,プレミアのチームにとっては何がどうでも避けたい不名誉な試合と位置づけられている。
わたしのようなノンポリがうっかり「去年までのルールならとっくに消化試合になっていたところが最後まではらはらどきどきでおもしろいじゃん」などと暢気なことでも言おうものなら即座にハンマーで殴られかねないぐらいにぴりぴりした空気が漂っていた。*1
実は女子はもっと接戦で,3チームで6-8位を争った。最終日の男子のテレビ放送の話では,得点率まで行くかもしれないということだった。勝点>勝数(勝率)>セット率>得点率,の得点率だ。どれだけの接戦になるというのか。しかも女子はぷれ−ちゃれ入れ替わりも頻繁だから,入れ替え戦に行ったが最後チャレンジに落ちるかもしれない恐ろしさも男子以上だろう。
話を男子に戻す。
わたしは土曜の試合は結果さえもきちんと確認していないのだが,東レが対JTストレート負け,堺が対パナ3-1勝ち,ジェイテクトがFC東京にストレート勝ち。これにより,3チームの勝点差が1ptに縮まった。勝ち数の多いジェイテクトが暫定5位に上がる。
順位 | チーム | 勝点 | 勝ち数 | 残りの対戦相手 |
---|---|---|---|---|
5 | ジェイテクト | 25pt | 9勝 | パナソニック |
6 | 東レ | 25pt | 8勝 | 豊田合成 |
7 | 堺 | 24pt | 7勝 | FC東京 |
残り1試合。順位決定にはセット率まで勘案されうる状況となっていた。
日曜日。堺-FC東京,東レ-豊田合成の二戦が東京と広島で同時刻に行われた。
堺,東レともに第一セットを落とす。
堺は第二セットを取り,東レは二セット落とす。
第三セット,堺リード。このまま決まるかといえムードの中,東レも取る。
しかし第四セットで運命は分かれた。
堺3-1FC東京,東レ1-3豊田合成。この結果,堺の6位以上と東レの7位が確定した。仮にジェイテクトが0ptで敗れても東レは勝ち数(勝率)でジェイテクトを上回れないからである。ここに,別名入れ替え戦回避への道は,両会場の第2試合を残して決着した。
暫定7位の堺に4pt・2勝差をつけて最終週を迎えていた東レが,1ptも勝点を取れずに逆転で入れ替え戦に回ることになった。最終戦で豊田合成にあと1セット取っていたら勝点でジェイテクトを上回れた,というのは結果論でしかない。また,従来の勝率→セット率の方式でも7位には変わりない(堺0.79 東レ0.77)。3レグ制で8勝して7位というのは,混戦だったと言えるか。勝率38%だが(ぇ)。
たしかに,最下位のFC東京戦を残していたジェイテクトと堺のほうが有利とは言えた。しかしそれも勝ててのことで,もう一試合がパナソニックというのも厳しかった。
正直なところ,堺がパナに勝てると思えず,堺が7位になるだろうと予想していた。他方東レはJT相手にも絶望的な差はないと思っていたし,追い込まれた状態での豊田合成との対戦にはじゅうぶん目があると考えていた。
今季のこれまでの対戦成績などこれっぽっちも知らずにただ暫定順位を見ていただけだが,今調べてみたら,堺はパナソニックに2連敗,東レはJTには2レグで豊田合成には1レグでそれぞれ勝って1勝1敗だったのであながち見当違いの予想でもなかった。
結局,最後に調子を上げてきた豊田合成の,佐々木恵三ラストゲームの前に崩れ落ちたということか。見てないが。
ジェイテクトは予想通りとも言える1勝1敗だったが,6位決着し,昇格2シーズン目にして入れ替え戦を回避した。
可能性があるということは文字通り可能性があるということだ。それが実感できる二日間だった。あれこれ予想を立てる楽しさもあるし,予想通りにならない楽しさもある。
望んだ通りの結果が得られなかった人はたくさんいる。誰も7位以下を望んでいないから。だけど,辛い結果であっても,やってみなきゃわからないものを見ることこそが,スポーツ観戦の醍醐味なのだから,逃れられない業のようなものだ。