Vプレミアリーグ男子ファイナル6・1日目
前日の女子に続き,男子のファイナル6が始まった。ファイナル6は1回戦総当たり。初日のみ1会場3試合行われ,以降は2試合ずつ。つまりお休みチームが2チームずつ出る。
順位決定は勝点制で,勝点が並んだ場合はレギュラーラウンドの順位に準じる(つまり,ファイナル6での勝率・セット率・得点率は勘案されない)。
ファイナル6の1位はそのまま決勝戦へ進出,2位と3位がファイナル3(1試合)を戦う。つまり決勝戦の日は1試合だけで3位決定戦はない(ファイナル3で負けた方が3位確定)。
そもそもRR1-6位にそれぞれ5-0の持ち点が与えられてスタートしているので,RR結果がかなり重視されていると言えよう。今までの「全部チャラ」よりはいいけれど,「勝点が並んだ場合はRR順位」については早速Vリーグオフィシャルサイトで初日終了時の順位表示を間違えていた(セット率を優先していた)ぐらい紛らわしいし,二重に勘案するのは,やりすぎとまでは言わないけれど,下位チームの逆転が難しそうで盛り上がりはどうだろう……終わってみないと分からないけれど。
さて,書いているのが3月9日で,翌週の試合を観たので記憶がすっかり上書きされていますよ。
ジェイテクトスティングス(RR6) 3 (20-25 28-26 21-25 29-27 15-11) 2 パナソニックパンサーズ(RR4)
デュース含みのフルセット。
第2セットジェイテクトリード,パナはなかなか攻撃がきれいに決まらない。そこでセッターを大竹にかえた。結果的にこのセットは落としたけれど,たしか追いついてデュースになったはず。
交代できるセッターがいるのはいいことだし,かえてうまくいったのだからなお良い。ただ,そのまま最後まで大竹で通したのは,結果から言えばどうだったのか。第3セットはいい形で取れたし,第4セットもデュースの末の僅差だったから,セッターを交代するタイミングは難しかったかもしれないが,やや厳しいなあと思う局面にいったん深津を出して大竹を休憩させても良かったんじゃないかとか,そういうの。わかんないけどね。
それから,第2セット途中からチアゴ→奏吾。このパターンは以前にも観た。
一方のジェイテクトは,第3セットを落としたあと,第4セットスタートから浅野→古田と松崎→辰巳にすっぱり変えていた。
とはいうものの,やはりジェイテクトはエルナンデスが凄くてなあ。そのボール打つか,みたいなのを打ったり,そこ決まるか,みたいなのが決まったり。パワーも凄いけど,それだけじゃなくて打ち分けがすごい。あたたまるのに時間がかかるタイプに見えるが,あたたまってきたら,プレミアの外国人OPの中でもトップなんじゃなかろかという凄さを見せる。
豊田合成トレフェルサ(RR3) 2 (28-26 20-25 25-19 28-30 15-17) 3 JTサンダーズ(RR1)
こちらもフルセット。内デュース3つ。第1試合もフルセットだったので,試合後はぐったり疲れていた。
豊田合成を観たのが久しぶり。昨年11月の大田以来だったのかな。
でんでんがスタメンだった。かわいい。あざとい。かわいい。
双方外国人監督,イゴールとヴィソットはお友達(第1試合を2人仲良く観ていた),イゴールは昨季までJT,越川と高松の両「サーブで刺せる」日本人サイド,と,なんとなく繋がりを感じる対戦。
第2セット,JTはイゴールに2本連続でサービスエースを取られた直後にサーブで狙われていた小澤を八子に交代。その前から狙われていたからなあ。酒井と小澤の間を抜いたり小澤の手を弾いたり。ただ,そこで「八子に交代」なのは,JTらしい。単純なレセプション強化だけではない,どちらかというと,レセプションが崩れるのを前提に,崩れたときでも後衛から打てる要員を入れて攻撃力を強化している感じ。(と書いてはみたが國近もいない今,レセプション強化要員って存在するんだろうか。レセプションのスコアも小澤<八子だから,別にレセプション捨てたわけでもないわけで。ごにょごにょ)
第3セット途中には深津→井上。(もう覚えていないので)どういう状況で交代したか定かでないのだけれど,ここの交代も奏功した。
JTがいつもメンバーを頻繁にかえるというわけでもない(ワンポイントの交代さえもしていない試合もある)。選手交代にはリスクもあるし交代したから勝てたというものでもないだろう。ただ,なんとなく,おもしろいな,と思った。
サントリーサンバーズ(RR2) 0 (23-25 21-25 24-26) 3 堺ブレイザーズ(RR5)
試合開始が17時10分だったか20分だったか。当初予定より2時間以上遅れて始まった。第3試合になるチームはコンディションの整えかたが難しかろうなあ。晩ご飯いつ食べる,みたいなのも含めて。
結果はストレートで遠方に帰る観客にも優しかったのだけれど,けして大味な試合ではなく,サントリーも悪くなく,締まって競った試合で面白かった。試合開始早々はそれまでの2試合のこってり感を引きずってややぐったりしながら観ていたのだけれど,次第に引き込まれ前のめりになっていた。
堺が面白い。レギュラーラウンドがぐだぐだでぐずぐずで最終日の最終戦を迎えるまで7位だったとは,この試合を観ただけでは納得しがたい。
あとでGAORAの放送を見たところ,堺はサントリーに対しRR3戦すべてストレート負け。1セットも取れていなかったのだそうだ。それがどうだ。
松本・できたの高いクイック。千々木のこれでもかというバックロウからの攻撃参加。千々木はもともとパイプが持ち味の選手だけれど,磨きがかかって,ラリー中のトランジションアタックでbickに入る。ぞくぞくする。石島の良い意味で目立ちすぎない安定感。佐川の多彩なセッティング。
第4セットの8点目,千々木のパイプを拾われて,返されて,次の攻撃が(当然千々木は跳んでいて)前衛センター。
こんなのばっかりだった。サントリーも最初のうちは囮に釣られ気味だったけれどそのうちボールに合わせてステイするようになっていて,いやもう楽しいのなんの。
勝った瞬間の堺は,優勝したかのような喜びようで,主審に「はいはい整列してね」の笛を吹かれていた。
最後の得点を決めたのは千々木で,やっぱり後衛からのトランジションアタックで,得点が決まった瞬間,ガッツポーズして倒れ込んだ上からわちゃわちゃ乗っかられていた。起き上がってあちこちでハグしながら(松本と石島の靴おそろいハグがしみじみキタ)整列→握手。ちいちゃんは,先頭を切って充実しきった笑顔でスタッフとリザーブメンバーの待つベンチへとかけていった。
ちくしょう,かっこいい。