戦う青年たちへ。(本編)
タイトルは,「非実在ファンと戦う君たちへ。」のオマージュのつもりです。
→予告編
言いたいことは
- あなたたちのプレーを,働きぶりを,観ている人たちがたくさんいるよ
これだけです。本文は長くてまとまっていません。自分が体験した観客席の話をします。
10月第1週の土日,関東大学バレーボールリーグ戦男子1部・2部の会場となった町田市総合体育館には大勢の観客が詰めかけました。最も多いときにはスタンドの客席数を観客数が上回っていたと思われます。ひょっとすると,2009/10シーズンのV・プレミアリーグ男子東京大会よりも多かったのではないでしょうか*1。
観客急増の背景に過日のFIVBワールドカップで日本代表に名を連ねた中央大の石川と筑波大の高橋の存在があるのは疑いようもありません。W杯閉幕からあまり時間をおかずに開催される国内公式戦,ある程度の増員は期待していましたが,W杯のフィーバーが伝播し予想以上の賑わいになりました。
人が多いとさまざまな客層にも幅が出ます。友達同士連れ立ってやってきた若い男子。一桁の子どもを複数含む家族連れ。
これまでの大学リーグ戦にはあまり見られなかった客層です。わたしは感動しました。一般の体育館でふつうの客がふつうに来場し,ふつうに観戦している。「ふつうに」という表現は雑なのですが,そこは汲んでいただきたい。石川にせよ中央大にせよリーグ戦にせよ,そのパフォーマンスは当然W杯そのものではありませんが,「テレビで観た有名選手だ本物だすげー」というシンプルな感動って,シンプルであるがゆえに強いと思うのです。
中央大ー筑波大のカードが組まれていた日曜日は土曜日の比ではない人出となりました。
中大-筑波は第2試合だったので席取りされた空席がたくさんあったらイヤだなあと危惧していましたが,そんなことはなかった。あまりの人の多さに余裕がなかったのもたしかですが,観測範囲では100%の客が,第1試合を自席に着席して観ていました。
わたしの隣にいたのは,ちょうど選手の親世代の夫婦連れ。選手の誰かの親御さんかしらとも思ったのですが,会話の様子からうかがうに石川のプレーを観に来た様子でした。とはいえ第1試合からがっつり。近いコートの早稲田-東海を主に観つつ他コートにも目を配り,盛り上がるプレーや接戦には,いいねいいね,と前のめり。明治のコート内の盛り上がりからの盛り下がりにもめざとい(笑)。
第2試合の前にたまたま機会があって女性のほうと少し話をしまして。彼女は,久しぶりにバレーを見たけれど楽しい,とおっしゃっていました。春高バレーもここ数年は観ていないそうなので,ほんとにW杯がきっかけで久しぶりに,ということだったみたい。
男性のほうはさらに熱心に観ていて,彼らのメインマッチ中大-筑波が終わったあとも,もう少し観ていこうと言いながら,日体大-学芸のほとんどを観てから帰っていきました。日常的にディープに観戦している層とはまた違う,良い意味で「リビングのテレビでスポーツ中継を観ているおとーさんとおかーさん」のノリで楽しんでいる様子が,隣にいて楽しかったというか,考えてみれば要するにデートだったわけで,仲もすごく良さそうで,いいなあ素敵だなあ。
話がそれました。
観てるよ。いい試合いいプレーはちゃんと観てる。ゲームの盛り上がりをちゃんと追っている。その視線が完全に向いてはいなくても,向いているから,それを大切にしてほしい。