第66回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会5/6(土)大会5日目・準決勝


茶店でブランチするぐらいのゆったりさはつくらないと保たない。動き出しが遅すぎて第2試合第5セットが始まったころに着いた。いつものパターン。

日立リヴァーレ3-2岡山シーガルズ(25-16 22-25 25-19 25-21)

東レアローズ0-3パナソニックパンサーズ(23-25 29-31 17-25)


東レ:5米山 1富松 14ジョルジェフ 18鈴木 15李 21藤井 L22井手(2s-6渡邉)


→パナ:2深津 15福澤 10山内 1清水 13クビアク 6白澤 L17永野


久しぶりに見たパナソニック。今季,クビアクなり清水なりが離脱していることも多かったイメージで,加えてパナソニックの試合の観戦数そのものが少なかった。このメンバーが揃った試合がどれぐらいあったのかわからないけれど,「いつものメンバー」というしっくりくる感覚。


立ち上がり早々,東レがかたかった。対するパナソニックは,サーブの狙いがわかりやすく,効果的。


天皇杯Vリーグと来て3冠がかかっていること,ニコさんが最後なこと,あまり苦労せずに準決勝まで来たこと,諸々,結果論。これほどまでにVリーグで優位に進めていた東レの良さが出なかったのも,かえってすごい。


あれだけ武器にしていたサーブがさっぱり入らない(とくに第2セットは1セットで10本以上ミスしている)。優勝シーズンの豊田合成をさらに上回っていたはずのトータルディフェンスが目立ってこない。難しい局面でも積極的に使っていたはずのセンターからの(MBの)攻撃が決まらず,次第に本数が減ってくる。サイドに偏ると米山と鈴木がなんでか知らんが調子が上がらない。ニコの調子はけして悪くなかったと思うのだけれど,ニコだけでは勝ちきるのは難しい。


対するパナソニックは,サーブの狙いが明確でブロックもきっちりつく。こぼれたボールは,永野がカバー。MBの打数が少ないのはこちらは毎度のことで,とはいえ,サイド陣は,清水も福澤もクビアクもスパイクが計算できる。


福澤後衛3ローテにレシーバーで専田を入れていたのは,福澤のパイプ捨てていいのかしらと不思議だったけれど,あとのふたりで十分攻撃が決まっていた。


レシーブで永野すげえと唸ることしばしば,そしてブロックでは,白澤が格好良かった。


第3セットの東レは序盤からじょじょに引き離されていく。それに対する打ち手が,さて。米山を星野にかえたが,むしろ悪い方にしかいかなかったような,いや,もう,ほんとに辛かった。


そんな感じで,ストレート決着。


試合後は,梅野,大木,ニコの胴上げ。梅野が去ると東レはわくわくワンセッター状態。

堺ブレイザーズ0-3JTサンダーズ(18-25 19-25 22-25)


→堺:14山口(3s途中-8佐川) 10千々木(2s途中-11伊藤) 1松本 18ウォレス(3s途中-13松岡) 4高野 7出耒田 L16今富


JT:4中島 3深津 18山本 20筧本 19ルブリッチ 7越川 L10井上航


新人ががっつり入り込んでいる両チームの対戦。プレミア6位・7位対決でもある。さきの試合に比べるとこちらのほうがややばたばたしていたり,レシーブボールが相手コートに直接かえったり,「その他のミス」が多い感じはした。(この際東レの山のようなサーブミスは度外視)。


堺は,応援するには楽しいチームだけど,どうにもムラがある。雑とか下手とかとはまた違うんだけど,チーム自体が気分屋みたいなチームカラー。それが良い方に出ることもあれば悪い方に出ることもある。


いまいちうまくいかない試合ではあったが,選手交代を積極的にしたりと手を打とうという意図は感じられた。とくに第3セット途中でウォレスにかわって入った松岡は,高さと滞空時間のある,みためのわりに重いスパイクを打ち込んでいて,堺に流れを引き戻せそうな雰囲気は感じられた。その時点ですでに点差が心折れそうな状態になってはいたので,もう少し早くかえていても良かったのではなかろうか。


セッターの山口は,どうかな。引っ張りすぎたようにも思えるが,そのための大会としているとも考えられる。


ぴりっとしないなかで,高野は安定していて,サーブもスパイクも良かった。レセプションも穴になっていない。寧ろ,高野がひとりでがんばっているように見えることもしばしばあった。


今後高野を中心に据えてチーム作りを進めていけば数年後には強く(面白いチームに)なりそうとは同行者の意見。いや,ほんとに。


試合後の胴上げ(3日目から毎試合見る光景でなあ)は今村と横田。とくに横田はめっちゃ泣いてて,両手で顔を覆ったままの胴上げだった。個人的に横田は以前何かのインタビュー記事だったかインタビュー映像で話していた内容に感銘を受けたことがあり,期待していた。ちょうど楽しみにしていた中堅からベテランにさしかかる時期に大きな怪我をし,あれがなければと悔やまれてならない。


一方JTは,ごくごく自然に力を発揮していたというか,ずば抜けて良かったという感じでもなくふつうに戦っていた。ミスも多かったしフロア内ばたばたしていることも多くてもうちょっと整理整頓したい気持ちにしばしばなったし,例によってルブリッチにはかりかりすることもあったけれど(高望みです),それなりにちゃんと仕事をしていた。


明日の決勝戦パナソニックJTJTは連覇がかかる。今季の順位を考えると(ファイナル6で失速したとはいえ)メンバー充実のパナに分があるようにも思えるのだが,今日の東レパナで東レが強そうと思って逆の結果だったので,試合はしてみなければわからない。そりゃそうだ。