団菊祭五月大歌舞伎(浅草祭幕見祭)2


亀蔵が襲名興行で松緑と浅草祭を踊るのは,あと2日


という,よくわからない焦燥感に駆られて,終業後ダッシュで(以下同文)してしまった。


千秋楽前日の金曜ナイター,客が多いに決まってる。正真正銘こんどこそ立ち見だった。並んで待っている間,近くの人(そこそこ年配のご婦人)が近くの人(二十代ぐらいのお嬢さん)に話しかけていて,初めて話す間柄だったようだけれど,内容はディープだった。(松緑亀蔵と)どちらの贔屓だとか,それぞれの特徴(の解釈)だとか過去の観劇履歴だとか。


ディープなリピーターか外国人観光客しかいない,そんな幕見待機列。


今観られるものは今しか観られない。もし将来いつか再演なってもそのときの浅草祭は今日の浅草祭ではない。今日の通人は今日しか観られない。今日の亀蔵丈は今日だけの亀蔵丈。


ライブイベントの魅力はつまりそういうことなんだと思う。


5月の初回を観たのがもう少し早ければもっと何度も(幕見で)観られた,毎晩でも通えたという後悔はなくもない。しかし,裏を返せば,そんなことになっていたら仕事をしないにもほどがあっただろうから,これぐらいの時期で良かったとも思う。


数の多寡で足りるとか十分とかじゃないのだ,きっと。


そういえば,舞台写真を買ったのだった。4階では売られていないので,19日に。売店は終演後にはあいていないので,最後の演目を観る前に買うことになる。亀蔵丈は写真の見た目で,石橋の赤獅子姿のピンショット。「浅草祭」を観た後だったら松緑とのツーショットも買ったのに。