東日本大学選手権・3日目(準々決勝・準決勝)


墨田区総合体育館


2コートで,それぞれ第1試合,第2試合に準々決勝を行い,勝者同士が第3試合に準決勝。


2試合目と3試合目の試合間,そんなに長く取っているようには見えなかった。若い。


今年8シード外から準々決勝に駒を進めたのは,専修大と青山学院。


専修大は8シードの日本大とフルセット,最終セット20点を超える接戦を制した。日大は郡不在だったとコメントでいただいた。


2部の青学は今大会いちばんの激戦区を勝ち上がった。1回戦は北海道春1位の東海大学札幌校舎をストレートで下し,2回戦が武大に勝った国士舘と対戦。3回戦は,日体大に勝った駒澤と。


関東1部下位から2部上位クラス大集結じゃないか。お互い手の内が分かっているがゆえのやりづらさも感じる。


駒澤は秋から1部復帰であるが,日体大に勝ったのは「ほほぅ」と。もっとも日体大は,U21で抜けたのが高梨・仲本と,他のU21輩出チームに比べても状況が厳しかった。それに(見ていないからなんとも言えないが)教職をとる選手がほとんどで例年4年生教育実習不在率も高い。


2日経っても3日経っても,まだ,札幌校舎が初戦敗退したことに対してくじ運が悪すぎたのなんだのと燃焼不良の諦め悪くいるのだが,仮に,もし仮に,青学に勝てていたとして,その先の道もまた厳しすぎたとは。


そして,今日はトーナメントハイライト日と呼ぶに相応しい,すごい試合を見ることになった。3試合ストレートだったAコートは流れがかわらないまま進んだように見えたが,一方のBコートの接戦・白熱ぶりは,ここしばらくの各種大会・試合の中でも屈指だったのではないだろうか。


レシーブがすごかった。学芸も,中央も,早稲田も。専修は,そういうタイプのチームじゃないのに,それでもなかなかどうして,凄かった。


なぜそれが上がる,というスパイク(ブロックワンタッチのあとのディグ)が上がる。こぼれたボールでも,強打でも。上がらなくてもコースに入っている。


春リーグから1か月で何があった。わたしの目か。


たまたま,というのなら,今日は体育館になにか魔物がついていたし,会場のせいなら墨田の体育館が(立錐の余地もなさそうな混み具合には閉口するが)いいのだろう。


ブロックがいいのか,ディグがいいのか,もしくはそれら含めたディフェンスがいいのか,位置取りがいいのか反応がいいのか。


或いは,逆に,スパイクが振り切れていないのか,トスが合っていなくてスパイカーにコース選択の余地がなかったのか。


わからないけれど,シンプルに,見ていて盛り上がる展開だった。プッシュもなかったわけじゃないけど,ガチンコの打ち合いの果てにボールが繋がるバレーボール,ほんとに楽しいと思った。ふだん若い男子のきゃっきゃうふふしか見ていないわたしでさえ,迫力のある燃える競技だと思いましたもん。

A1 明治大0-3東海大


明治:17鈴木 1加藤 21松田 15米山 18鎌田 3佐伯 L13小川


東海:25伊藤 1小野寺 15橘 23山崎 4神谷 13永露 L29外崎


明治は例によって,ちょいちょいメンバをかえつつ。第3セットはスタートから上林・池田のSR対角。MBも佐伯→矢澤。


東海大もややぐらぐらしていて,第3セットは明治が取るかと思ったが,という感じで。

B1 中央大3-2東京学芸


中央:5山下 25中野 3平田 12谷口 4武智 18水野 L9柳田


学芸:18内田 26吉田 17東 9須貝 23濱中 3小野 L21瀬戸山


春リーグの学芸を考えると学芸勝利を予想していたんですが,第1セットを中大が取って,これはわからんぞ,と。学芸は第4セットを終盤で追いついたのに取り切れなかったのが全てかなーと。第5セットの中大はギアが一段階上がった感じで。


牧山と大竹がいない中大*1,が,学芸も高澤がいなかった。高澤のポジションには1年生(開智)の濱中。4年生ベンチ入りは小野も慶伊もいたが,今大会のキャプテンは3年の杉山。


今日は,中大谷口の調子が良かった。彼が調子が悪いときは,その低さがそのまま悪い方に出てブロックに捕まったりブロックを意識しすぎてボールが切れすぎスパイクアウトになるのだけれど,今日は,自コートのサイドラインの外に出るタイプのスパイクアウトを狙って確実に取っていた。もちろんブロックのないときはあのえぐい鋭角で突き刺さるスパイクも打つのだけれど,ばくちになりがちなサイドからのクロスがずいぶん減っていた。

A2 筑波大3-0青山学院大


青学:15望月 8渡辺 7松島 12薬師寺 16中道 4佐藤 L5金澤


筑波:8酒井 17小澤 7樋口 1小池 23坂下 13田城 L15高橋結


関東同士なので,実力差が見えやすい。しかし,思っていたより試合になった。とくに第3セットは青学が先にセットポイントを握ったのではなかったか。


これはセットを取るとほぼ確信に近いところまで行ったが,そこから,小澤サーブのローテーションで筑波がまくった。


青学って,そういう詰めの甘さがどうもあるみたいで。近頃コンスタントに上位にいるのに,去年秋が初優勝(たしか)だったし今年の春も最後に入れ替え戦を逃している。


ただ,筑波がでかかった。そして,この日は,小池と樋口がものすごく強力だった。機動力もある樋口が前衛センターでブロックに跳んでいる状態で,青学の低身長機動力組が立ち向かうのは難しい。中央突破が減ってサイド主体の組み立てにしていたが,サイドはサイドできっちりつかれると厳しい。


そうやってダメだったところをあげるのは上げられるけれど,大前提としては,想像していたよりも競った試合だった。ここだいじ。

B2 専修大1-3早稲田


専修:20久保 19東 11柏田 24久保下 1小森 12畑中 L2平原/4井上


早稲田:10小林 9藤中 13武藤 1喜入 4加賀 2山崎 L16村本


第1セットを専修が取り,すわ,と色めき立ったがそこは早稲田,だった。


専修は,セッターが1年生の久保下。OPの久保と同じ都城工出身とのことで,久保の取説を所持していると思われる。春のリーグも少し出ていたらしいがあまり覚えていない。


堀江がU21で(ウィングスパイカー登録だ)不在なので,リベロは村本。喜入がOPに入り,加賀と藤中の対角。


試合中,着地のときだったか小林があしを痛めて負傷退場。歩けない状態だったようで,気がかりである。次の試合には姿がなかった。


第4セットは中盤から武藤がサーブで殴って一気に。

A3(準決勝)東海大0-3筑波大


東海:25伊藤 1小野寺 15橘 23山崎(26島田) 4神谷(12佐藤) 13永露 L29外崎


筑波:8酒井 17小澤 7樋口 1小池 23坂下 13田城 L15高橋結


あ,これ,厳しいな,と感じた。その流れに棹をさせなかった。


東海大は新井がチェコ組なのでOPは橘なのだが,その橘にかえる選手がいないのかあえてかえないのか。MBの佐藤は1年次はOPだったような記憶があるのでそれでもいいんじゃ,って思ったけど,そんな突然は無理な話か。


筑波のえぐサーブ組にサイドアタッカーが狙われる。伊藤も山崎も。狙われて崩されてサイドの攻撃枚数が減る。崩されすぎて永露が走り回るので山崎を島田にかえる,と,攻撃力が下がる。


佐藤が入って龍がセッターのときは,佐藤にどれだけ打たせるんじゃ,というぐらい目に見えてMBの使用率が上がったが,龍のそれは困ったときのMB頼みの傾向がみられる。そして,セッターかえてもいまいち,という,ダメなほうの東海大ループに入っていた。そもそもリーグでも勝っていなかったようなので,相性が悪いのか。


小野寺代表から戻ってきたばかり,新井はチェコ,鈴木は怪我。順位だけを求める大会ではないとも言える。明日切り替えて3位決定戦で良い戦いを。


一方の筑波,これは優勝あるかな,という気持ちになってきた。そのプレッシャーに呑まれなければ。

B3(準決勝)中央大3-1早稲田


早稲田:21中村 9藤中 13武藤 1喜入 4加賀 2山崎 L16村本


中央:5山下 25中野 3平田 12谷口 4武智 18水野 L9柳田


冒頭書いた「すごい試合」の極みがここ。追いついたり突き放したりを繰り返し,20点過ぎても読めない。むしろ20点過ぎてからビハインド側が追い上げて行方がわからなくなる。


どちらかに肩入れして見ていたら,胃が痛くて手に汗かきすぎて,たいへんしんどい試合だったことだろう。外野は「わーーーすごーーい!」と楽しめる。はらはらする展開だった。


第1セットを早稲田が取ったものの,そこから中大が3セット。大会を通じて調子を上げていっているのかな,と感じる。見てないんだけども。

*1:石川はいないほうがデフォルトになってきた。