天皇杯・皇后杯ファイナルラウンド・3日目(準々決勝)
男女各1コート,アリーナの席が増える。各コートのサイド側だけでなく,1日目と2日目は記者席・関係者席のみで一般は入れなかった南側も客席になっていたもよう。
試合後の試合間には選手がアリーナ客席の裏を通るから通りかかりにねぎらってね(大意)といった場内アナウンスが流れていた。これは新鮮。
今日はスタンドで龍神くんを見かけた。ピンショットを撮らせてもらった。サンタ帽をちょこんと頭にのせていてとてもかわいらしい。
男女第1試合がどちらもフルセットでほぼ同時刻終わり。1時過ぎぐらいだったか。キッチンカーにやや長い待機列ができていたので昼食はドトールのテイクアウト。
千駄ヶ谷近辺,何もないわけではない(むしろ多い方だろう)が,もう少し飲食できるところが充実しているとなおよい。駅改修でベックスもなくなったしユーハイムも閉店してるし。
11時開始,早起きしなくて良いのはすごく助かるが,第1試合の途中でお腹が空いてくるのが最大の難点。
端(旧A)寄りで観ていたのでCコート(女子・皇后杯)は合間にちらちら遠目に経過をうかがう。
B1 東レアローズ3-2FC東京(26-28 17-25 25-20 25-22 15-12)
FC東:4山田 14長友 29井上 6ペピチ 9手塚 18栗山 L20山本
東レ:10星野(5米山) 1富松 12ギャビン 18鈴木 15李 21藤井 L6渡辺
ネット記事で読んだのだが,FC東京の山本は,FC東京でリベロとして出場するのはこの大会(つまり昨日)が初めてなのだそうだ。黒鷲旗がほぼ野瀬だったのは覚えているが,山本が出たこともあったようにおもっていたが記憶違いだったらしい。レシーバーとして入るのとは位置取りなど違うので云々とインタビューで。
「残念そこは富松だ」と「残念そこはともくんだ」の戦いだった。いや,まったくもって直接やり合っているわけではないのだけれど。山本のブロックフォローの良さ,特に落ちるボールに対する反応の良さや弾いたボールへの対応の早さには惚れ惚れする。
東レの立ち上がりはたいへん悪かった。去年の天皇杯とリーグの二冠達成したのに比べると,単に試合序盤にシュミットと合わないからで片付けられないような。
開始数分で星野が下げられ,やる気を失うワタクシ。悪くなかったのに。悪くなかったもなにも,ほぼ空気だったんだけど(だめじゃん)。
FC東京はレセプションが弱い,とくに手塚が狙われるチームと思っていたが,手塚のレセプションがものすごく上達していた。東レのジャンプスパイクサーブ,当然手塚を狙うのだけれど滅多に崩れない。少々崩れても,ペピチの調子も大変良かったので,対応できていた。そして「残念そこはともくん」の猛拾力。
これはストレート決着だな,というムードだった。
第3セットスタートから星野が戻った。戻った星野がすごく良かった。たまにこういう活躍をするから困る。
東レのサーブも,前に落として前後に揺さぶるふうにかえた。シュミットの打数を減らし,MBやWSでサイドアウトを取り,シュミットにはサードテンポのトランジションアタックを余裕を持って打たせ少しずつ調子を上げていった。
第3セットを5点差で取ったころには分からなくなり,最終的には「東レ強いね」となった。
とはいえ,今日の試合を観る限り,リーグでの勝ち点4ポイント,1勝13敗とは思えない。お互いの悪い面も多く見られたが,接戦の展開は楽しかった。
B2 パナソニックパンサーズ3-0サントリーサンバーズ(25-14 25-22 25-20)
サントリー:17星谷 4エスコバル 19栗山 12塩田 7山本 10藤中 L1鶴田/5酒井
パナ:13クビアク 6白澤 1清水 15福澤 10山内 2深津 L17永野
パナTUEEEEE。
B3 ジェイテクトSTINGS3-0筑波大学(25-12 25-21 25-18)
ジェイテクト:19浅野 2金丸 1カジスキ 7柳澤 4福山 16久保山 L12興梠/17本間
筑波大:13田城 1小池 17小澤 7樋口 4中根 2秦 L15高橋結/21山口
筑波大はS4スタート(第2セットと第3セットはS3スタート)
ジェイテクトが,そしてカジースキが,本気で筑波大をぶちのめした。それは筑波大への敬意で賛辞だったと思う。
第1セットの中盤,カジスキのサーブで10連続ブレイクぐらいした。筑波大がSRの2枚替えをして,後衛セッター(酒井)になっているところ。もちろん前衛の攻撃枚数が揃うメリットはあるのだが,セッターが後衛から前衛に出なければならないのでレセプションしづらいデメリットもある。
カジースキのサーブはほんとうにこれっぽっちも容赦なかった。最後には5枚レセプションになっていた。酒井もほぼ同じ位置にいるので,9メートルのコートに6人横並びである。前後に揺さぶるでなく,全力のスパイクサーブをぶち込んできた。アウトコースでも身体に当たってしまうし,コースに入っていても弾かれる。笑うしかない。
文字通りのワールドクラスのカジスキにボコられるよりも,どちらかというと悔しかったのは,大学時代に直接対戦している柳澤や福山にスパイクを決められることだった。福山のしてやったり感ありありの,31とか21とか,ほんとに悔しい。
だけど,チートかじ様を除いてもやはりプレミア(上位)の容赦なさでぶった切ってきたジェイテクトではあったけれども,筑波大も手も足も出なかったわけではなかった。第2セットは競る場面も見られたし,筑波大の良い形が出ていた。ブロックは揃えて,キルは狙わずワンタッチ狙い,それを後衛で回収。
樋口の多彩なスロット,田城の高さ,そして小池の安定感。秦の華やかさ。そして小澤。前衛後衛どこからでも打ってくるサイド3枚。
良いところは出せた。完敗である。コートに立っている4年生3人は皆プレミアに進む。年が明けたらネットの向こう側の人である。中根なんて内定先と対戦だった。
こちら側の3年生以下も,あちら側に行く4年生も,どちらの来年も楽しみだ。
B4 JTサンダーズ2-3豊田合成トレフェルサ(25-15 26-28 22-25 25-18 10-15)
豊田合成:12高松 6近 15イゴール 7白岩 11傳田 4内山 L10古賀
JT:5吉岡 20筧本 14エドガー 18山本 4中島 3深津 L15唐川
イゴール復活。ちょっと待て。聞いてない。ちょうどこの試合が始まる前に知り合いと話しているときに「イゴールの状態どうなんですかねー」と話を振られ,「姿も見えない位だからよほど悪いんじゃないですかね,まだまだかかるんじゃないですかね」と知りもしないのに口から出任せを言ったら,5分経たずにこれ。びっくりした。すまんかった。
イゴールの立ち上がりは,長い間試合から離れていたことが明らかだった。それでも合成側が動じていないのはわかった。先に3セット取ったほうが勝ち。セット率も関係ない。第1セットは割り切ってイゴールの練習にあてた。
第1試合と同様,どちらももう一声,という部分はあった。JTは……惜しい失点も多かったな。もう一つ波に乗りきれない。
それでも第4セットを取って第5セット。合成リードの4-8でコートチェンジ(この点差でのコートチェンジがそろそろトラウマ化しそう)。そのあとピンサの八子の活躍がめざましく,たしか9-10までは追い上げたんじゃなかったか。
しかし,そのあと突き放されたのも,2本続けての八子のスパイクアウトによるもので,なんとも八子劇場だった。
第1試合,順大OB率のやたら高いコートをスタンドの上のほうで高みの見物しながら,冗談で,星野には東体Bコートのトラウマが……などと言っていた。
2010年全日本インカレの東京体育館Bコートは全カレ(観戦自分)史に残る一戦である。Bコートのトラウマなんて話をしたからこの試合でななちゃんがあああああああ。
C1 NECレッドロケッツ3-2岡山シーガルズ(22-25 17-25 26-24 25-16 19-17)
昨季降格して現在チャレンジ1のシーガルズが2セット先行。気になる一戦。ファイナルセットもデュース。
赤ロケは柳田が主将。セッターはおもに塚田(筑波大の去年のキャプテンだったと思う)が上げていた。山口はいるけど近江はすでにいない。古賀や大野といった昨季(や黒鷲旗)で見る選手もいるのだけれど,若返った印象。
C2 トヨタ車体クインシーズ3-1JTマーヴェラス(25-20 16-25 26-24 25-16)
C4 デンソーエアリービーズ3-2久光製薬スプリングス(25-23 27-25 22-25 15-25 15-13)
第5セットが始まったのが夜8時。今季リーグここまで無敗の久光に土をつけたのがデンソー。わたしでも知っている代表選手の名前がずらずら並ぶ久光と,知ってる選手がほとんどいないデンソーと。
必死にボールを繋いで,全力で打つ。女子バレー,目が慣れると,熱くて力が入って,息もできない。熱い試合だった。デンソーの勝った瞬間の嬉しそうなことといったら。スタンドの応援も多く,たいへん盛り上がっていた。工藤が小気味よかった。