第67回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会5/3(木・祝)大会4日目(準々決勝)


丸善インテックアリーナ(大阪市中央体育館


第1試合開始が午前10時,男子第4試合終了が午後7時50分ごろ。ほぼ10時間コースでした。


男子は4試合中3試合がフルセット(残る1試合も3−1)。女子も第1・第2試合はストレート決着したが,第3試合の岡山-JTがフルセットで2時間半ゲームだった。


今年の黒鷲旗は,代表がいないわけでも辞退チームがあるわけでもないのだが,なぜか「新人戦」の雰囲気。今季のVプレミアリーグは年明け早々から内定選手が(例年になくもりだくさんに)出場していたものだが,その流れなのかなんなのか。外国人選手がいないチームが多いことも一因だろうか。シーズンの最後の大会というよりも,次シーズンのプレマッチのようにも見える。

東レアローズ 3-2 サントリーサンバーズ(25-21 21-25 22-25 25-23 15-11)


東レ:21藤井 10星野(5米山) 3伏見(1富松) 16落合(5米山) 11戸嵜 15李 L22井手


サントリー:13松林 2鈴木 4エスコバル 10藤中 12塩田 7山本 L1鶴田/5酒井


〈メモらん〉


  • 松林が! と涙がちょちょぎれそうな活躍ぶりだった。
  • 松林ひいきとしては,度々松林に代打(リリーフサーバー)を入れられていたのは少々納得しがたかった。たしかに打率は低い。しかし長打が狙える。
  • ともかく,負けはしたものの,(前日は栗山と交替したがそれもなく)試合を通して出場した。リーグ中は出場機会が少なかったので,この試合を来季への希望としたい。
  • 東レは,前日に続いてのフルセットマッチ。厳しい戦いだったが,早め早めの選手交代が奏功した。もちろん最後は紙一重ではあるが。スタメンながら序盤あまり決まっていなかった落合を米山にかえる。それがあまりうまくいかず,くわえて星野前衛が回らなくなったとみるや,星野を米山にかえて,OPを落合に戻した。もう一人のOPの佐野はベンチアウトで,落合を戻すのは勇気が要りそうだったが,その賭けに勝った。
  • それから,伏見→富松の交代も大きかった。富松はやはりセンスがあるというのか,とっさの状況判断やボール処理に長けている。そのうえで,プレー面だけでなく(それ以上に)チームを鼓舞するムードメーカの役割も大きかった。
  • 一方で,戸嵜はピンサに鈴木を送られるほかはフルで出場を続けた。ちょうどサントリーの松林と同じような位置づけで,我慢するところと手を打つところのバランスは,今大会の各チームに見られた。サントリーがうまくいかなかった,という意味でもなく。
  • 個人的には,前日活躍した星野が,今日(出だしはよかったのに)次第に調子を落としたことを残念に思う。難しいねえ。
  • 試合後,今大会を以て現役引退する酒井に,娘さん(?)からの花束贈呈。それから,東海大時代に同じ釜の飯を食った阿部と富松が東レメンバーを率いて輪に加わっての皆での胴上げ。ボヨビッチが退団する年の黒鷲旗サントリーメンバーもデキの胴上げに加わったことが思い出された。
  • 涙する選手も多く,会場からの拍手もひときわ大きく,彼の積み上げてきたキャリアを思った。

堺ブレイザーズ 1-3 パナソニックパンサーズ(16-25 29-27 19-25 23-25)


堺:4高野 1松本(5内藤) 13松岡(3宮原) 9堤 21竹元 14山口 L2井上


パナ:15福澤 10山内 2深津 13クビアク 6白澤 4大竹 L17永野


〈メモらん〉


  • フルセットにできそうな第4セットを取れなかった堺。結果的にほかがフルセットになったので,余計に,あとちょっとどうにかできていたらもっとよかったのに,と思う。
  • ただし,正直なところ,手に汗握る熱戦の接戦と言える感じではなく,どちらも今ひとつ決めきれない調子が上がらないがゆえにもつれた試合だった。この調子でフルセットになっていたら,終了時刻がさらに遅くなり,しんどいばかりだったかもしれない。
  • 黒鷲旗でフルメンバが揃わない傾向のあるパナソニックは,清水が大きな怪我をしているのはたいへんな痛手なのだが,こうやって名前を見てみると,実はいないのは清水だけ。そして,大竹が出ているので,いやまあ。なんのなんの。
  • その大竹がさっぱり合わない時間帯があって,アップゾーンにじっと目をこらしても今村がいない。なぜ今日入れておかんかったんや,と思った。
  • 堺は,途中からガス欠。今大会がデビュー戦だった宮原(feat.日体大)はなかなかの活躍で,取ってて良かったね,と思った。具体的に誰かが悪いわけじゃない,んだけど,勝ちきることはできない堺という,リーグで堺の試合を見ることがほぼなかった(0かな)が,ああなるほどなあ,なんて。
  • 堤がんばってた。
  • そういえば出耒田はちょこっとしか出なかった(本日出場なし)
  • 試合後,堺の木村,伊藤,井上の胴上げ。

ジェイテクトSTINGS 3-2 JTサンダーズ(23-25 25-22 25-23 25-27 15-12)


JT:3深津(9井上俊) 24武智(8久原/5吉岡) 19小野寺 7八子(16塚崎) 18山本 4中島 L10井上航


ジェイテクト:19浅野 4福山 3渡邉(15中根) 1カジスキ(8郡) 2金丸 14西田 4福山 L17本間/12興梠


〈メモらん〉


  • 見ているほうも疲れた。
  • JTはもちろん最後まで勝つ気でいたと思う。それはこれっぽっちも疑いない。
  • 試合後半は井上やぎと塚崎がコートに立っていた。
  • 塚崎にかえたのは,八子が少々ブレーキをかけていたのもあったろう。やぎさんは……引退登板かもしれないしそうじゃないかもしれない。
  • ボールが集まるつかへーは,見ていてちょっとしんどくて(きっともっと跳べていたはずなの),だから引退よな,そうよな。って。残酷ながらも卒業すべき時期が来たことを実感して潔くお縄を,じゃなかった,引導を渡される試合にもなった。
  • 安井はどこじゃと探してみたがベンチアウト(?)。コートに立ってボールを打ち続けて,駄目だわ,って,なるのは,少なくとも見ている側にとっては,清々しい最後だろうよ。
  • 対照的に,ジェイテクトは,陳腐な言い方だが若い力がチームを勝利に導いた。
  • まず1年目セッターの中根。この試合,両チームセッターが3人ずつベンチ入りしていた。試合前に中根のユニフォーム姿に「ぉや」とは思ったが,第1セットのビハインドの場面で交替で入り,そのまま最後まで中根で通したのは予想外だった。JTの武智とは,星城高OB同期対決になっていた。
  • それから第4セット。開始直後の長いラリー中にカジスキが足をいためた。
  • カジスキのポジションに入ったのは郡。第5セットは浅野とポジションを交替した。
  • 思い切りが良くて,勢いがあって,日大印の(騒がしいぐらいに得点時に騒ぐ),大阪出身の,郡さん。
  • 試合後,めためた泣いていたそうな。4歳年下の同期の西田が,お兄ちゃんのように優しい先輩のように,頭をぽんぽんしていた。
  • カジスキの程度はわからない。リベロの本間も(おそらく足をいためて)興梠に交替し,そちらの具合もわからない。明日は明日で大変だろうが,泣く郡は「明日もあるんだから」と言われていたそうな。
  • JTは大会登録外だったベゼラと,ベンチアウトだった町野と,あと,安井と,井上と塚崎と,実に5人がチームを去る。多い。多いがここしばらく入団選手の人数の比して退団選手が少なかったので,いずれこういう日が来ることはわかってもいた。
  • 町野と言えば,町野の名前が出る度に思い出されその都度書いてきた黒鷲旗の個人的なエピソードがある。もうそのことを書くこともないのかと思うと,それがすごく寂しい。こんなに長い間現役を続けベテラン選手としてチームを支えることになるとはその時は予想していなかった。そんな長い年月の先にやってきた引退の時に,自分がまだバレーボールを見,黒鷲旗を観戦していることも,その時は予想だにしなかった。
  • ふだんは退団する選手に対して「お疲れ様」という言葉が出てこない(出せない)ほうなのだけれど,町野と,それから酒井に対しては,あの時から今までの思い返せないぐらい積み重なった歳月をおもい,その間にVリーグに入りそして去ったほかの選手をおもい,お疲れ様でした,としみじみ思う。これからの長い人生が,素晴らしいものでありますように。そして,「お疲れ様でした」を出しづらいほかの退団選手たちも,今後の人生がより充実したものになりますように。

FC東京 3-2 豊田合成トレフェルサ(26-24 25-27 25-21 22-25 15-12)


合成:23グスタフソン 13岡本(12高松) 2山近 5前田 1山田 6近 L20川口


東京:18栗山 6ペピチ 9手塚 29井上 16手原 23小森 L20山本


〈メモらん〉


  • FC東京は準優勝した2012年第61回大会以来の準決勝進出の由。
  • 僅差とはいえ,最後はFC東京の流れのまま持って行った。少人数ながらもスタンドで声を張っていつもの応援をし,次第に場内のノンポリを味方につけていった東京サポに感服した。
  • 応援は結果を左右するものではないが,こういうときの応援は,少なくとも場の雰囲気を良くする。選手も人間だもの。東京は,ふだんの彼ら以上のパフォーマンスを出せていたのではないか,とも,感じた。相手云々ではなくて。
  • 合成にはおそらく彼らなりの大会の位置づけがあったのだろう。勝つつもりでいることは前提として。ここ数年結果を出し続けてはいるもののけして選手層が厚いとはいえない。この大会はその辺りの課題の洗い出しや克服も狙っていたのかな,と勝手に妄想していて,そのぶんは次のリーグに期待したい。
  • 「勝利」に手が届くときのFC東京の選手たちの,きらきらした(ぎらぎらした)様子。勝った瞬間の,それはそれは嬉しそうなことといったらなかった。「俺たちの小森」ががんばっていた。

準決勝

  1. 女1:久光製薬スプリングス-デンソーエアリービーズ
  2. 女2:岡山シーガルズ-JTマーヴェラス
  3. 男1:パナソニックパンサーズ-東レアローズ
  4. 男2:ジェイテクトSTINGS-FC東京


苦手な早起きに毎日遅刻や遅刻ぎりぎり。辛い日々なので,おそらく明日は午後から。見たい気持ちに身体がついていかない。