2018年度関東大学春季リーグ男子1部・11日目(最終日)
@日体大
風邪を引き込んでいたので,だましだまし。
駒澤大3-0東京学芸(25-21 26-24 26-24)
駒澤:WS11谷平 MB18山田 OP14橋本 WS19森田 MB7遠藤 S2丸山 L4宮崎/22山根
学芸:S9内田 WS1杉山(10濱中) MB25村岡 OP3須貝 WS23吉田 MB17東 L11瀬戸山
朝イチの会場は観客も少なく,しかし試合を観ながら,この内容では閉会式まで残るつもりの最終日に朝イチから来ないのもやむなしと感じたのもまた事実。わたし自身先週第1試合をパスした身である。
駒澤はこのリーグけして良かったとは思えないが,学芸は輪をかけてしんどかった。第2セット,第3セットともデュースまで行くのに取り切れず。
第3セットは学芸先行で進んでいた。たしか終盤22-22あたりだったと思う。谷平のサービスエースで駒澤が逆転し,先行した。昨秋はサーブ賞次点だったが,今季はミスも目立ったのできっと個人成績はさほどでもないだろう。が,こういう場面で一本取れるのはかっこいい。贔屓とは単純なものである。
順天堂3-0国士舘(41-39 25-21 25-22)
国士舘:WS15熊切 MB18金子 OP16山崎 WS1笠利 MB34齋藤 S20松川 L2野島/17柳
順天堂:S19森垣 WS5浅田 MB4片寄 OP28岡本 WS2関本 MB9中村 L31高橋
第1セット,24-23でピンサ(?)で入った国士舘の大洞が土壇場サービスエース。デュースになった。そして,そこからがめちゃめちゃ長かった。お互いセットポイントに手をかけるも決めきれず,たいそうじれったい。ローテーションは周りに回って40点を越した。
40点にのる試合は滅多に見ないので,得点板に40点ってあったっけ,と一瞬不安になった。バレーでは珍しくてもきっと汎用得点板だろうから99点までは大丈夫。かも。
順大は最終戦で森垣がスタメン。ちょこっと小野も出ていた(後衛で,かな)。
この時点では5位以上までしか決まっていなかったのだが,最終的に4位になった。昨秋の11位を考えるとめざましい。わたし自身は順大運がなくてあまり見ておらず,もったいないことをした。レシーブが良くなった,粘り強くなった,雰囲気が良くなった,と,良い評価があちこちから聞こえてきた。個人賞でも,中村がブロック賞,高橋がサーブレシーブ賞,とスコアに残る結果。
1年生OPの岡本が新人賞。レセプションにも入るオールラウンド型で,明るいムードの良さが印象的。サーブもスパイクも気持ち良いプレーヤだが,打てば決まるというほどではなく,攻撃は関本中心だったか。ちら見していた感じではスパイカーの偏りがあまりなく,それも堅い守りから生まれていたものだろうか。
国士舘はとりあえず入れ替え回避な感じ。
中央大1-3日本大(16-25 22-25 25-20 16-25)
中央:WS9富田 MB18梅本 OP6谷口 WS19中野(23鍬田) MB12水野 S11牧山(25山岸) L1柳田
日大:WS41高橋 S19内田 MB10松村 WS44関根 OP40水島 MB9高 L15新山/11三角
中大,なんなん……。いや,ええねんけど,なんなん……。これで3位というのが,なんともこう……もにょもにょ。前週の対筑波ストレート勝ちはなんだったんだ。GW前の日体大にストレート勝ちした翌日に早稲田にスト負けしたのを思い出した。
都築お休み(?)でスタートが中野。結局途中から鍬田に。牧山も山岸に交代。最後の最後はOPが鈴木になってた。山岸に交代したからといってすぐにすぐ良くなるでもなく結局負けたわけだが,セッターが荒ぶっているときにセッターをかえられるチームはええねえ,と隣のコートと見比べていた。
日大は前日終了時点で学芸と勝率セット率で並んでいた。ストレート負けなら得点率で順位が決まるのでもそもそと得点率の計算を始めていたが,勝てば解決である。小田・郡の抜けた穴は小さくなく,1年生主体での春リーグ,結果はある程度織り込み済みか。松村の闘志が好き。入れ替え戦は法政(これ書いてるのは2部も終わった日曜の夜)。
東海大1-3慶應義塾(22-25 13-25 25-18 23-25)
昨秋のリーグ初日で当たったこのカード,2部から上がったばかりの慶應に負けて「うっわー」となったのは記憶に新しい。慶應が強いのか東海があかんのか,初日ではわからない。その後慶應は昇格(復帰)初リーグを入れ替え回避の10位決着とし,春季優勝の東海大は7位に終わった。
そんなわけで,東海大寄りに見ると,慶應には苦手意識がある。嫌な感じ,とでも言おうか。案の定,勝てる気がしなかった。最初の2セットは手も足も出ずのぼろぼろ。サーブが強くブロッカーが高い慶應の前に偏った(かつ不十分な)スパイクで被ブロック量産。
アウトサイド対角を伊藤・鈴木にかえて,第3セットは状況も改善し慶應のミス(自滅)にも助けられセットを取った。第4セットも良い感じで進み,フルセットにできそうだったが最後に一伸び足らず,結局追いつかれ逆転されての1-3負けとなった。
5勝6敗で星を分け,セット率で東海大が慶應を上回る。最終的な着順は第3試合の明治の結果を待つこととなった。
口を開けば怨嗟しか出てこない。だから特定のチームに肩入れをしないようにつとめている。油断してはならない。
東海大は新井のベストスコアラー賞はともかく(新井個人が立派で名誉であることには違いないが,下位チームからベストスコアラーが出ることは,チームとしていいこととは思えない),佐藤のサーブ賞もあった。佐藤の不在がGW開けの1勝2敗に大きく影響していたのは疑いようもない。
当たり前といえば当たり前だが,一昨年の全カレ準優勝のメンバーは誰もいない。去年もたいがいしんどかったところに小野寺・神谷のMB対角がそっくりかわった今年は輪をかけてめちゃめちゃしんどい。それでも佐藤は(サーブも良いし)去年までもちょいちょい出ていたが,その佐藤がいなくなるとほんとにキツい。選手層の薄さよ(などと書くと石が飛んでくるかもしれんが)。
負け試合にはなったが伊藤がコートに立ったのは嬉しい。山崎/島田も悪かないが(とくに島田は,とても鶴田っぽい),鈴木や伊藤に活躍してほしい気持ちもある。こうやって挙げてみると3年生多いなー。
早稲田3-2筑波大(25-20 23-25 25-19 23-25 16-14)
早稲田:S2小林 WS1藤中 MB8武藤 OP15宮浦 WS3鵜野 MB14村山 L9堀江
筑波:WS14坂下 MB11高橋 OP13吉田 WS8小澤 MB1樋口 S5酒井 L9高橋結/12山口
着順がほぼ決定している最終戦,肩に力が入っていたのは,全勝優勝がかかる早稲田だったか。この試合がこのリーグ初めてのフルセットだったと。どれだけ強かったの。
とはいえ,筑波は,2セット取れば2位(つまり,1−3で負けると3位)というところだった。1-3で終わらなかったところに意気を感じる。
宮浦が不調だったのか筑波の宮浦対策が完璧だったのか,宮浦がなかなか決まらない。村山はたくさん打っていたが(セッター隣だから打数が多くなる部分もあるのか),武藤の打数もあまり多くなく,宮浦に集中しがちで筑波のブロックにかかっていた。
坂下と村山の駿台2年生14対決。とか。坂下は去年から少しは出ていた。もともと巧い選手とは思うが,今年に入ってリーグを通して勝負強く(確度が高く)なったように感じた。
朝から試合を観ていて,12チームもあるので当然ではあるが,上位と下位のレベルの差も感じた。優勝決まったあとだし,筑波も3敗したが,試合のレベルが違う。ボールタッチの技術も,ディフェンスも。ブロックのつきかたも。枠のような場当たり的なブロックじゃなくて,コミットならコミット。捨てるものは捨てる。ワンタッチ狙いならワンタッチ狙い。抜けたコースにレシーバーがいる。楽しい。
堀江うまいなーって思いながら見ていた。ボールの殺し方がうまい。カバーに入ったあとの逃げ方もうまい。
あとは,樋口ね。一家に一台じゃないけど,1チームに1人藤中優斗であり,1チームに1人樋口裕希ですよ。ほんとに。状況判断の的確さが見ていて楽しい。
日体大0-3明治大(18-25 18-25 19-25)
明治:WS11鎌田 MB14松田 OP15池田 WS13小松 MB21三輪 S19上林 L1小川
日体大:S13河東 WS20西村 MB7丸尾 OP1高梨 WS11仲本(8千葉) MB9西 L19小川/23市川
日体大は去年からさほど大きなメンバー変更はないが,高梨をWSに回しての模索の春。前半は下位との対戦ということもあって,セットを落としながらも勝ち星を積んでいたが,中大との直対でストレート負けしたころから(つまり,後半の上位との対戦になったころから)風向きが変わった。星取表を見ると,わりと綺麗に,上位に負けて下位に勝った。もうちょっとイケルかしらとも思っていたが,おおむね,試合を観ていて感じていた通りのところに落ち着いた,とは思う。
しかしそんな中で,この試合のストレート負けはちょっと予想外だった。仮に勝ってもセット率で4位だったが,星取表はもっと綺麗になっていた。星取表の美しさはどうでもいいのだが,東日本4シードか8シードかの境目,小さくはない。
東日本と秋とでパワーアップして全カレを目標に置いているのだろうな,と,去年と同じことを書いているよ。高梨最終年なのでね。良い結果を持って大学バレーを終えてほしい気持ちがある。
明治は,対日体大は順位のわりに相性が良いイメージはあるが,それでもストレートは予想外だった。今リーグ明治がAクラスに入る条件は,慶応○・東海×・明治○,そのうえで東海とのセット率も僅差だった。ほぼスト勝ちが条件という狭いゾーンを抜いて,負け越しながら上位に入った。6位だから天皇杯BR直行できるでもなく,また秋に(前半勝てずに焦って)苦労するパターンじゃねーの,とも思うが,順位は良いに越したことはない。
明治はいつも明治,という評がじわじわ来る。
今季の明治はめちゃめちゃかわいいのでたいへん愛でているのだが,見る度に若い男子を性的に搾取する罪悪感が湧いてくるので少々落ち着かない。きゃっきゃうふうふふわふわしているかわいこちゃんたちを,鎌田が職人的に下支えし,小川が操る,そんな感じ。額に汗して歯を食いしばる様子が(陰ではわかんないけど)見えないのは,よく言えば都会的で若人らしく,悪く言えば軽くてゆるい,このノリは代がかわってもかわらない。
意識して見ていなかったが,同年代(かもしかしたらそれより下)の若い女性ファンが多く,閉会式後の出待ちも若々しく華やいでいた。かわええのう。
個人賞は小川のリベロ賞。早稲田の堀江が故障の影響かあまり出ていなかったことも選考に左右したかもと思うが,サーブレシーブ賞次点でもあり,昨秋も6位でリベロ賞を受賞している。4年生でスイッチしてないリベロということであれば柳田(中大)のほうがチーム順位は上だが(去年の東日本ではリベロ賞だった),柳田って目立たない。リベロは目立たないぐらいがいい(少なくとも悪目立ちするのは最悪)説も推したいが,目立たない故に自分はろくろく見てないのでなんとも言えないという。
池田がサーブ賞の次点。池田のふわふわフロータで崩した場面が多かった。サービスエース本数も多かったと思う。サーブ賞の東海大佐藤と並んで,フローターサーバーがツートップ。ミカサボール年らしくもあるし,今年から帳票がかわって,マイナス評価がつくことになったのも影響したか。B票を見るとマイナス評価のつけかたが判定員によりまちまちなのだが,フローターだと(ミスしないとは言わないし,佐藤にしろ池田にしろ,ミスも少なくない感じはあるのだが)一般的にジャンサよりもミス率が低く,マイナス評価が大きく出ないのかもしれない,とも思った。
三輪がスパイク賞の次点,また,明大スポーツの記事によれば,新人賞も次点だったと。監督会議で決まる新人賞に次点があるのか少々疑問。本人は新人賞を狙っていたようなので残念だが,岡本・三輪の一騎打ちという読みが当たっていたようなのでにんまり。
春高,去年はほとんど見てないので,高川がベスト4に入ったのも知らなかった。今年は日程が良くて,何試合か見たが,三輪はほんとにおもしろくて,なので明治に入ると知ってかなり嬉しかった。
明治は去年から,セッターを固定できないというかしていないというか,一長一短というか五十歩百歩というか,なので,三輪も入ったばかりで2人のセッターと合わせるんで,リーグ前半はなかなか大変そうだったが,リーグ後半にはまあまああってきたようで,打数が多い中でのスパイク賞次点はすごいと思う。スパイク賞の村山もかなり打数が多いのでこの2人はすごいなーと。
最終結果
個人賞
- ベストスコアラー:東海大19新井雄大239/慶應義塾8富澤太凱234
- スパイク賞:早稲田14村山豪61.4/明治大21三輪大将61.2
- ブロック賞:順天堂9中村竜輔1.03/筑波大1樋口裕希1.00
- サーブ賞:東海大2佐藤謙次11.9/明治大15池田颯太11.2
- サーブレシーブ賞:順天堂31高橋和幸75.0/明治大1小川智大73.5
- レシーブ賞:早稲田1藤中優斗
- セッター賞:早稲田2小林光輝
- リベロ賞:明治大1小川智大
- 新人賞:順天堂28岡本捷吾
- 敢闘選手賞:筑波大1樋口裕希
- 最優秀選手賞:早稲田1藤中優斗
- 会長特別賞:早稲田1藤中優斗
- 優勝監督賞:早稲田松井泰二
- ベストオブサポート賞:駒澤大学