東日本大学選手権・3日目(準々決勝・準決勝)(仮)
@墨田区総合体育館
立地が良くて新しく,設備も良いが,3+1面のアリーナに比して観客席が少ないのが難の墨田。女子コートはメインとサブに別れてしまい,同時に観ることもできない。
少ない客席にチーム荷物席ブロック,コートごとのアナリスト席ブロックが設けられ,さらに,応援団優先席ブロックもある。応援団優先席ブロックはたいへん大切なのだが,一般観客が座れるエリアがかなり限られていた。
事前告知はあったので知ってはいたし,幸か不幸か昨年までと比べて観客数も落ち着いているので,(視界がネットやら最前列に並ぶビデオ三脚やらに遮られる席に)贅沢を言わなければ1人ぐらい潜り込めはしたものの,一般2000円(学生1000円)と安くないチケット代を負担しているのも事実。客に見せるためではないアマチュアの大会を見せてもらっている立場なので快適にとまでは言わないが,うーむ。
にもかかわらず応援団優先席をはみ出して一般観客席の席取りをしていたチームもあったと聞いたのでそれはさすがにちょっと。
毎年Vリーグの試合を開催しているから少なくとも4チームの控え室分はあるはず,という話を聞いたが,別部屋は使用料も別にかかるので厳しいところだろう。
4面規模の体育館がなかなかない。全カレで使っている大田区が(サブアリが離れているしそれこそ控え室とかはわからないが)3+1取れるが,調べていないが高そうだ。武蔵野の森スポーツブラザも客席は少ないらしい。東京都の土地事情を考えれば,観客席にスペースを割くぐらいならフロアを広く取りたいに違いない。千葉や神奈川は遠いし。
という事情で「来て来て!」と誘いづらいのが口惜しくてならない,熱戦ばかりの(男子しか観てないので)6試合だった。観ているだけなのに興奮しすぎて,試合後は魂が抜けていたし,帰宅してからは電池切れでしばらく寝落ちしていたほどだ。
昨日もおとといも楽しかった。現地でバレーボールを観るのが久しぶりで,途中禁断症状ぽい(「あんざいせんせー,ばれーぼーるがみたいです」)気持ちになって自分の観戦依存ぶりが気持ち悪かったけれど,少し間があいたことで,改めて,バレーボールって(観てて)面白いと感じたので,それはそれでよかった。駄目な依存のサイクルかもしれない。
準々決勝A1 早稲田大学 3-1 慶應義塾大学(22-25 25-21 25-15 25-19)
慶應:18吉田 23小出 19樫村 8富澤 12マルキ 17清水 L25永田
早稲田:14村山 2小林 1藤中 8武藤 15宮浦 3鵜野 L9堀江
今年度3度目(?)の早慶戦。応援に熱が入る。少々隣ばかり観ておりまして。第1セットは吉田のサーブで6連続ブレイクぐらいしていて,早稲田レセプション陣を以てしてもかと唸った。サーブ職人枠で今すぐメシが食えるぞ,と見る度に思う。とはいえ早稲田はその後は大規模ブレイクを許さなかったので,藤中のレセプションのうまさにも唸った。
慶應は波が大きすぎる。このあとの東海大にも似た傾向を感じるが,個人の高いポテンシャルありきの仕様になっていて,好不調をいなすのが難しい。組織プレーを徹底優先しようとすると失うものもあるだろうから,ポテンシャルを引き出す戦略(?)そのものの是非はないが,不調時になんとかできる術を得られればもっと上にいけるんじゃないかなあと,慶應の試合を見るたびに思う。
準々決勝B1 明治大学 3-0 筑波大学(25-23 32-30 25-20)
筑波:16米澤(17佐伯) 11高橋瑞(4田城) 13吉田 8小澤 1樋口 5酒井 L12山口/9高橋結
明治:11鎌田 14松田 15池田 13小松 21三輪 19上林 L1小川
第2シードの筑波を,明治がストレートで下した。どんどん波に乗り(文字通り「調子に乗り」)ギアを上げていく明治,その流れを止められない筑波。
明治の応援団(チア)が来ていた。そういえば,準決勝にはいなかった。
筑波は坂下がいない(ベンチ入りもしておらず,怪我っぽい雰囲気)のが痛かったが,それ以上に明治が良かった。
筑波は前日観ていた人たちから「小澤しか打つ人がいない」状態になっていると聞いていたが,たしかにその気配は感じた。米澤はパサーだし,吉田といまいちあっていないことが多かった。小澤はバックライトもダイナミック。吉田と並んでいるのでコートポジションは被るがあえて小澤と思われる選択がちょいちょいあった。遠くてあまり観ていないので,利き手で判別。あと,途中出場の田城が良かった。
両チーム鬼のように拾いまくるので,渾身の長いラリーが多く,見応えがあった。良いブロックあっての良いフロアディフェンスをしみじみ感じるが,そんな理屈を蹴散らすような別次元のハイパーミラクルレシーブが飛び出しまくってもいて,なんかよくわからん。目がついて行けない。
ラリーの最後を取れたのが明治で,池田のスパイクがすごく重かった。そして小松もえぐかった。2人とも華奢なイメージがあったが,ビルドアップしたのだろうか。
準々決勝A2 日本体育大学 3-0 順天堂大学(25-16 25-23 25-23)
日体大:13河東 20西村 16藤原 1高梨 11仲本 9西 L23市川
順天堂:23小野 5浅田 21タナカ 28岡本 2関本 9中村 L31高橋
こちらも,第4シードの順大を日体大が破った。日体大は春はリーグ中特に前半が我慢の育成モードといろいろやろうぜだった(ように見えた)が,リーグ後の時間をうまく使って来たのだろう。とても充実して見えた。
「勝ちに来ている」と隣で観ていた某氏の評。東日本インカレは1個勝つと5ptぐらい違うので,全カレシード争いを考えると小さくない。
この試合自体はちゃんと観られなかったが,セットカウントこそストレートだが順大も試合内容は良かったようすで,返す返すも同時進行でなければなあ。
準々決勝B2 中央大学 3-2 東海大学(27-29 25-20 26-28 25-19 15-11)
中央:17都築 18梅本 6谷口 9富田 12水野 11牧山 L1柳田
東海:34内山 2佐藤(27安部) 19新井 12山崎 31米村 1永露 L18外崎
さすがの中大フルセットボーイズ。
東海大は,1年生の内山と米村の活躍が光る。山崎も高かった。
だがしかし,その前の試合(筑波-明治)に比べてコートが広く見えたのは,つまりそういうことなんだろう。
試合後に通路でクールダウンしている横を通りかかったら,全く出ていない伊藤が膝をがっつりアイシングしていたのがとても気がかり。来週は天皇杯の県予選。
準決勝A3 早稲田大学 3-2 日本体育大学(25-21 23-25 25-15 24-26 15-13)
日体大:13河東 20西村 16藤原(26山本) 1高梨 11仲本 9西 L23市川/19小川
早稲田:14村山 2小林 1藤中 8武藤 15宮浦 3鵜野 L9堀江
準々決勝の日体大は手堅かったが,試合序盤の雰囲気からはフルセットを予想していなかったのは正直なところ。去年の秋以来学生相手には負けていない(→天皇杯ブロックラウンドで日体大に敗れていた。あう。)早稲田を追い詰めた。
早稲田は,宮浦が対策され,(役割がパス寄りとはいえ)藤中のスパイクも通らず,武藤の打数も少ない,という,早稲田比ではあまり調子が上がらないかな,という試合ではあったが,それを取り切れるのは強い。
日体大は,途中でMBを山本にかえたのが当たり(藤原は藤原ですごく効いていた),第4セットはワンブロ道井も的中した。贅沢な悩みなやつ。
準決勝B3 中央大学 3-2 明治大学(14-25 31-29 20-25 25-22 15-10)
中央:11牧山(25山岸) 17都築(23鍬田) 18梅本 6谷口(10鈴木) 9富田(19中野) 12水野(16平井) L1柳田
明治:11鎌田 14松田 15池田 13小松 21三輪 19上林 L1小川
ほら,フルセットボーイズだから。
いやあああああああああああああああああああああああ。
第2セットが全てだった。中大19-24からの大逆転。明治は第2セットを落としたのが全てだった。たられば禁句だが,第3セットだったらどうだっただろうか。勝ちが見えていても落としただろうか。あと1つ取れば勝てるとなれば取ったんじゃないだろうか。知らんけど。第2セットだからいいや,ってなったんじゃないか。知らんけど。第3セットも似たような追い上げをされたが,取り切れた。そこまでの状況が違うから,知らんけど。
第1セットを途中でほぼ投げた中大。そのあとメンバーかえて奏功し,粘りに粘って試合を制した。ほぼ控えメンバーにかえて(試合中に)勝ちきれるのが信じられない。選手層の厚さがやばい。出てきた選手たちがやばい。
第2セットを落とした明治はそのまま1-3で負けるかと思ったが第3セットは盛り返した。見直したし,強くなったなーと思った。だからこそ,2-1とリードして迎えた第4セットを落としたのが辛かった。長引くと厳しいじゃろうとの見立てが当たった。中大は交代メンバーだから「2試合目の第5セット」ではないし,明治のデータもたんまりある。明治側は十分なデータを取れていない。そういう意味で。もちろんそれでも明治に勝ち目がなかったわけじゃないんだけど。
準々決勝の筑波戦と,それからこの試合も第3セットまでの展開を考えると「負けるとかちょっと信じられないんですけど」と言いたい明治だが,春リーグ負け越し6位からのベスト4,それもかなり久しぶりのベスト4が輝いて見えて,しかも,試合が面白くてチームが楽しくて仕方なかったので,負けたことはどうでもいいように思えてくるのが良くない。
準決勝も3位決定戦もセンターコートじゃないのが残念だ。センターコートが遠かった。ベスト4は東日本インカレでは優勝した年2013以来,全カレも,3位に入った2014以来だろうか。ここのところ低迷というか安定中位になっていたので,トーナメントに強い明治が懐かしくも嬉しかった。
勝つためには何かがあとちょっと足りなかった,それは冬までの宿題だろう。たぶん,あの場に行かないとわからんことがある。それを経験した選手たちはきっともっと強くなる。と,願う。