第32回ビーチバレージャパン(全日本選手権)
@鵠沼海岸
8/10から3日間の日程で予定されていたが,台風接近に伴い10日の試合は中止,予定を変更して11日と12日の2日間で全日程を消化することとなった。
極めて個人的な事情で赴いたので,動機には突っ込まないでいただきたい。
ビーチの大会のわかりにくさがこれでもかと発揮されていて,難儀なことこのうえなかった。9日の時点でJVAのサイトに掲載されていた中身まっしろけの予選プール表に第1試合開始8時半と書かれていたので,鵠沼海岸駅に8時過ぎに着く電車に乗ったわけですよ。仙台遠征よりも早かったわよ。5時台に家を出たわよ。
ビーチ常設コートがあり名前はよく聞くくげぬま,行くのは初めて。小田急の鵠沼海岸駅から海浜公園までは徒歩10分程度,商店街を抜けて行く道はわかりやすいし(一件コンビニもある。しこたま買い込んだ),最後に横断する広い道路は地下通路があって安全。公園についてからはちょっとわかりにくかったが,前をゆくそれらしい人に着いて歩いた。
防波堤を越えた先に広がる相模湾。朝8時すぎというのに沖にはサーファーが犇めいている。江ノ島,青い空,打ち寄せる高い波に乗るサーファー。絵に描いたような湘南の風景のあまりのアウェイ感に裸足で逃げ出したくなる。砂が黒いので裸足で歩くとけっこうガチで熱かった。やけどはしないけど「あちちちちっ」てなるぞ。
着いたところで雰囲気はまだ設営中。シーティングも出ていない。大会本部らしいテントの人に聞いてもわからんと言われる。8時半ごろになってようやく,DJのアナウンスが入り,8時50分ぐらいから開会式の9時試合開始と案内され,予選プールは28点1セットマッチだよ,云々。開会式といっても選手は集合せず,メインコートで,役員だけで行われていた。
場内に掲示してある大きなボードにシーティングが書かれたのは,試合開始よりかなりあとだったと思う。予選プールは4ペア1グループで,最初の試合の勝った方同士と負けた方同士が戦うんだったのかな。仕組みもわからない。同時進行の試合数がとんでもない数なので掲示板への記入も追いつかず,目当ての1試合目が終わったら本部に行って次のコートと試合順を尋ねる。タフでないと生きていけないシステム。
何キロも続いていそうな砂浜部分と防波堤の歩道との段差が全部階段になっていて,そこに適当に腰掛けて観るスタイル。ただし,コートは8面ぐらいあって海側のコートはコート脇の砂浜で立見。海べりまで歩いてって立ち見する根性はなかったので,専ら陸側のコートを観ていた。最上段なら日傘をさしていても差し支えないし,背後にサーファーズビレッジの大きめな施設があるので,休憩や水分補給に困らないのもありがたい。足も洗える。立地は最強である。
とはいえ,暑いわひっきりなしに日焼け止めを塗っても射すように痛いわと,案の定引きこもり中年にはろくでもない環境だったが,適度に風があるぶん暑い屋内会場よりは断然快適だったし,湘南の風景はすごく気持ち良かった。だからこれっぽっちも後悔はしていないし,細かな不平不満はさておき,おおむね満足して堪能した。
何より,ビーチの選手はめちゃめちゃかっこよかった。
去年と今年お台場で行われたVリーグ男子のビーチバレーイベント,自分は2年とも暑い屋外環境を敬遠して端から検討もしなかったのだが,ひょんなことで数年ぶりにビーチバレーを観てみたら,これはぜひ続けるべきであると,当該イベントには行ってないのに強く思った。
いや,だって,かっこええもの。肩,二の腕,肩甲骨。良い感じの筋肉にまみれる砂と光る汗。すごくセクシーで色っぽいんだけど,健康的で爽やか。ポジティブなエロというかなんというか,陰湿さがない。つねづね自分が選手に向ける視線に性的な消費が含まれていることを後ろめたく感じているんだけど,太陽と海と砂の前だと,まーいっかかっこいいんだししかたないよね,という気持ちになる。なっていいかは別だが(良くない),やらしくない気がする。なんとなくだけど。
だから,ふだんのユニフォームでは肩も肩甲骨も見えないインドア選手のタンクトップ姿はけっこうなファンサービスだと思う。オフシーズンのファンサービスイベント,もちろん,おしゃべりや写真撮影も楽しいけれど,いちばん観たいのはプレーをしている姿,それも選手自身がプレーを楽しんでいる姿だとわたしは思う。男子はやらなくなってしまった「サマーリーグ」をちゃんと復活してほしい気持ちもあるが難しいだろう事情はわかる。そっちの方向は今の「サマーキャンプ」がカテゴリ混在のまま改良されていくほうがいいな,という願望もある。
そうやって考えると,ビーチ最強じゃん。と。でも,もうちょっと参加人数増やしてくれるとなお嬉しいよね。1チーム2人だけだと推しが出ない率のほうが高いものね。来年もやるなら行きたいなあ。やってほしいなあ。
と,そんなことを考えながら朝の9時から昼過ぎまで観て,体力的にしんどくなったところで,午後から富士通が明治大と練習試合をすると聞いたので,決勝トーナメントに入ったあたりで撤収した。朝はまばらだった観客も増えていた。決勝トーナメントになると推薦枠出場の選手が出てくるのでそれはそれで観たかったが,おそらく体力の限界。練習試合を観て帰宅してからぶっ倒れてたし翌日曜日もまったく使い物にならなかった。
借景も楽しめたし選手のフィジカルな魅力も堪能したし,試合そのものも楽しかった。28点1セットであちこちでわちゃわちゃ試合をやっていて落ち着かない感じは否めないが,予選プールでも有名どころも出ていた(福井代表の土屋/道木ペアだとか)。如何せん気づきづらいのが難。観ていて,おお,と思ったのは以前堺bzにいた島田桃太で,これは楽しかった。
予選で引き上げたために強いところ同士の対戦は観られなかったので,またほかの大会も観てみたい。しかしハードルは途方もなく高い。