第68回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会前夜祭
黒鷲旗に向けて,関東大学リーグから出場する2チームの紹介ができたらいいな,と思っていた.が,改元のお祭りムードでなんだか落ち着かない.このせわしない雰囲気と大型連休の混雑の中で明日朝早くから大阪まで出かけるのかと思うと,気鬱ですらある.楽しみなはずなのに.
以下,主観と偏見と独断によるものなので,悪しからず.また,身長等のデータは2019年春リーグパンフレット準拠.
明治大学(B組) 4年ぶり4回目
- 5/1サントリー,5/2ジェイテクト,5/3大分三好
- 2018年度全日本大学選手権第3位
- 2019年度関東大学春季1部リーグ 現在4位(8日目終了時点,6勝2敗)
- 19卒:小川智大(豊田合成)*1
- 高校OB:14瀧田大輔(3年洛南高17卒),23安井恒介(1年市尼高19卒)
予想スタメン*2:S13上林(3東亜学園),OH2鎌田(4東亜学園),MB23安井(1市尼崎),OP9池田(3創造学園),OH1小松(4雄物川),MB15三輪(2高川学園) / rL21鳴尾(2習志野),dL14瀧田(3洛南)
前回出場は2015年.その前の2012年出場時にJTにフルセットで勝ったのは記憶に新しい.2015年出場時にはその再現を期待したが,JTには赤子の手をひねられるストレート負け,FC東京相手にはフルセット負け,当時OBの多かった富士通にもストレート負けで,全敗でグループ戦4位に終わった.無念.当然その頃のメンバーは大学側には残っていないし,今回のグループ分けにはあまり強い縁故はなさそうな点は残念.
出場権を得た昨年のインカレ時と大きなメンバー変更はないが,ほとんど監督だった小川が抜けたのが最小で最大の変化,MBもここまで主に1年の安井が出ている.リーグ戦でぼちぼち上位にはいるものの,すごい強いかというとそうでもなく,このあとの上位同士との直接対決でどこまで勝ち星を詰めるか,というところ.とはいえ黒鷲旗にどういう布陣で臨むのかさっぱり予想できんのですが.
チームの調子の鍵を握るのはセッターの上林(183cm/335).大好きなんですけど,大好きなんですけど!!!!!!!!! ブロック良いよ,サーブ(フローター)もわりとブレイク取るよ.たまに打つよ.ただただ,トスが安定しないよ.とほほ.
knbys先生をプレー面で回収しまくってるのが高校から先輩の隣のポジション鎌田.東亜学園が大勢輩出している,オールマイティで器用でジェネラリストなサイドアタッカー.圧倒的レセプション受数ながらサーブレシーブ成功率はリーグ6日目終了時点でそこそこ受けてる選手中の2位(たぶん)で,つまり明治のときに4枚になる攻撃の起点である.スパイクサーブでもスパイク面でも要所で貢献している.こういうタイプの選手がVリーグ相手にどの程度通用するのかわからんのだけど,こういう選手が支えているのが明治だよねってなんとなく思っている.具体的にOBの名前を思いつくわけではないんだけども.
鎌田の対角が主将の小松.ポジション5だけど,小松のほうが攻撃寄り,ということでもないようなあるような.公称179cmのU180.パイプのステルス感がたまらない.昨日も書いたけどここのところどうも不調っぽいので,この大会を楽しんで復調のきっかけを掴んでくれたらと願っている.
MBがおおむね三輪と安井.おもいきりざっくり分けるとふたりともブロッカーよりはアタッカー.めーじのブロックは組織力です.たぶん.去年スタメンだった3年の8松田(愛工大名電)も出るかなー,出てほしいなー.松田は名電印から受ける印象だけかもしれんけど,彼が入るとブロックが締まる感じがする.安井は今リーグ開幕からスタメン.もともとサイドなのかな.攻撃の横幅が広く,コートの端に近いところからも打っている.今はどうかわからないけどリーグ折り返し時点での打数はOPの池田に次いで2番目に多かった.誰か一人にボールが集まらないのがうまくまわっているときの明治で,1打目がきれいに返らなくてもラリーの途中でもがんがんMBが打ってくる.悪球打ちスキル必須の明治に入部早々対応してるのはすごい.そしてこの打数.笑えるやら笑えないやら.
とはいえ,黒鷲旗で大きな大人相手に好きに打たせてもらえるかどうか,というのが見所というか気がかりというか.三輪が193cm/343で安井が189cm/346と,ふたりともけして高くはない.
リベロはレセプションが鳴尾でディグが瀧田.明治のチームとしてのサーブレシーブ成功率は6日目終了時点で2位と高いが,まあ,だいたい鎌田が受けている.この二人はまだよくわからん.見た目はとてもかわいい.そうじゃない.
そして,かわいいといえばOPの池田.色白小顔.池田が好調だと華やかで見応えのあるチームになる.上林も池田の調子をはかってる(あわせている,あげようとしている)雰囲気は感じられるので,そこは黒鷲旗でもがんばっていただきたい.
リリーフサーバでよく出てくるのは,10島(3年皇學館)や17松本(2年埼玉栄).そして,ベンチアウトの選手がどのくらい大阪に帯同しているかわからないけれど,もしあれば,良くも悪くも男子学生な応援もお楽しみください.
早稲田大学(C組)4年連続10回目
- 5/1堺,5/2豊田合成,5/3富士通
- 2018年度全日本大学選手権優勝
- 2019年度関東大学春季1部リーグ 現在首位(8日目終了時点,8勝0敗)
- 19卒:藤中優斗,小林光輝(ともにジェイテクト),鵜野幸也(堺)*3
- 18卒:喜入祥充(サントリー),山崎貴矢(堺)
- 17卒:山口頌平(堺),加藤久典(サントリー)*4
- 高校OB:4村本涼平(4年洛南高16卒),16吉田悠真(2年洛南高18卒),18大塚達宣,21中島明良(ともに1年洛南高19卒),19岩本大吾(1年市尼高19卒)
予想スタメン*5:S10中村(3大塚),OH4村本(4洛南),MB2武藤(4東亜学園),OP8宮浦(3鎮西),OH18大塚(1洛南),MB7村山(3駿台学園) / L1堀江(4開智)
2017秋以来,関東大学リーグ戦と東日本大学選手権,全日本大学選手権を全て制覇,のみならず,大学カテゴリでは敗戦すら数えるほどしかない,目下大学王者の名を恣にしている早稲田.ゆえにV1の若手OBも多い.黒鷲旗も2013年以降2015年を除いて連続出場中.
大学カテゴリではとても強いチームなのに,黒鷲旗や天皇杯ファイナルでVプレミア(当時)と戦うとなかなか良さを発揮できないまま終わることが多く,それをじれったく感じていた.しかし去年のこの大会でのジェイテクトとの一戦は全くそんなことはなく,実に早稲田らしい(学生らしいフレッシュさだとか勢いだとかではない互角の)戦いを繰り広げた.勝てるいや勝たねばならんと思ったがゆえに,フルセット負けをしたときはじれったいとか歯がゆいとかではなくただ悔しくて,健闘をたたえる拍手をできなかった.そのくらい対等な試合だった.昨年末の天皇杯ファイナルラウンド1回戦では,インカレを制して完成したチームそのままで乗り込み,VC長野にストレート勝ち.「これ,ジャイキリとは言えないよね」と,自分のジャイキリリストの更新を放棄せしめた.
そんな去年の早稲田から,メンバーはまあまあ変わっている.昨年はスタメン7人中3人が4年生だったので.3人とも現V1ですね.すごいな.
主将のリベロ堀江は開智高時代はアタッカーだったと聞く.大学時代サイドアタッカーでVリーグに進んだ後リベロになっているOBがめちゃめちゃ多い早稲田だが,堀江は大学に入ったところからリベロ.1年次から出ている.飛ばされないリベロ.プレーも主将感も信頼感も熱さもある素敵なリベロである.
アウトサイド(ぽじしょん2)の村本は,昨年リベロでインカレのベストリベロ賞を取っている.もともとサイドアタッカーだそうだが,昨年堀江が怪我と手術で離脱してあいた穴を現3年の15北川とともにがっつり埋めた.身長181cm(最高到達点315)と小柄だが,要するに藤中のポジションに入ったと思っていただければ.というタイプ.
去年鵜野がつとめていたぽじしょん5には,1年生の大塚が入っている.6日目終了時点でのアタック決定率が,60.9%と,規定(なんの?)選手中3位.アウトサイドの選手ではぶっちぎりの首位である.上級生がのびのびプレーできる状況をつくってあげているというのもあるが,それでもこの活躍は感嘆する.バックアタックが楽しいのだけれど,見られるかなあ.サーブで崩されてしまわなければ.
MBは去年から引き続いて武藤と村山.主将の堀江がリベロなので,ゲームキャプテンは武藤がつとめている*6.武藤はサレジオ中→東亜学園,村山は駿台中→駿台高といずれも東京都エリートコースなのでわたしがどうこう言う必要はなかろう.
OP宮浦(鎮西中→鎮西高)も然り.宮浦のサーブはブランクの度にフォームがかわっててどんどん進化しているので見てやってね.チームの中ではサーブ効果率トップ.
セッターは今年からスタメンの3年生中村.このタイミングでかわるのは小林のときもそうだった.まだあまり(ほとんど)見ていないんだけど,良い意味で目立っていない.今まで早稲田は山口→小林と170cm台のセッターが続いていたので,身長186cmの中村になって,前衛に回っても高いブロックが揃うようになったのは強みのひとつでもある.
あと,出るかどうかわからないけど,1年生のアウトサイド20重藤(荏田高)がぱわふる系でなかなか楽しい.
大学リーグではとくに下位チーム相手の序盤は点差が開くこともままあり,セット終盤に下級生が入ることも多かったのだけれど,ルーティンでのリリーフサーバやレシーバは,そういえばないかも.