第68回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会5/3(金)大会3日目

朝潮橋


予選グループ戦の最終日.男子はほぼ毎年,トーナメント進出チームは確定していて順位決定のみとなるが,今年は,トーナメント進出がかかる試合が2試合あった.どちらもBコート.今日も長くなりそう.


3日目ともなると椅子に根を生やして座り続けているのが辛くなり,知人への挨拶と称した散歩に出がち.そのぶん試合観戦はおろそかになるが,全国各地からこの場に集まっている人と顔を合わせるのもまたお祭りの良さということでひとつ.


要するに今日はあまり試合を見ていない.

[A1] 福山平成大学 3-0 洛南高等学校(25-15 25-22 25-21)


洛南高:18金谷 3三浦 1宮坂(10中井) 5溝井 13酒井 12熊崎 L6内藤/7木村


福平大:37藤原 10福元 8三好 7西本 9山崎 19坂元 L20谷尻


〈メモらん〉


  • 第3セットの前半は洛南がリード.しかし13-13で平大が追いつき,逆転した.
  • この大会の平大は,(異論はあろうが)比較的戦力が整っているV1所属2チームと高校という組で,対戦相手が極端というか.なかなか難しいところに入ってしまった.

[B1] 富士通カワサキレッドスピリッツ 1-3 早稲田大学(22-25 21-25 25-22 15-22)


早稲田大:4村本 2武藤 8宮浦 18大塚 7村山 10中村 L1堀江


富士通:1中川 11浅野 10岡村 18長谷山 14岩井 7加藤 L12芳賀


〈メモらん〉


  • 富士通,試合としては昨日がマックスだったか.
  • でも,早稲田相手から1セット取った.第3セットの早稲田はスタートを半周回し大塚サーブで始めた.第4セットには戻したので,何かの実験(?)だったのかしら.→わせすぽの記事に掲載されている村本のインタビューによると,半周回しは村本と相手OPとのマッチアップ回数を減らすためだった由.
  • 第3セットは富士通が取ったが第4セットはスタートからもりもり早稲田.5-8のテクニカルタイムアウトのあと,6-10で富士通タイムアウトを取っているので,途中経過はひかえていないのだが,おそらく6-9となって武藤のサーブになった.はず.
  • サーブポイント3本(?)を含む7連続ブレイク.6-12で富士通がSR二枚替えで尾木・柳田を入れ前衛にアタッカー3枚揃えたもののなかなかサーブを切れない.13点目はノータッチエース,14点目は柳田が被ブロック,15点目は名手芳賀の手を弾いてのサーブポイント.ここで富士通2度目のタイムアウト.あけて村山が柳田をブロック.セカンドタイムアウト
  • タイムアウトあけに(2枚替え戻したんだったか)中川のバックアタックが決まってようやくサイドアウトとなった.
  • 左手から繰り出される外に曲がっていくボールがコートの端に落ちる.すごく取りづらそうなサーブだった.
  • その後富士通が連続得点することもあったが,最後のほうは,早稲田が岩本,重藤,中島,中濱と盛大にメンバーチェンジをし,黒鷲の大舞台で短い時間ながら実戦経験を積んだ.
  • 富士通は,3日間で登録選手全員出たのかな.前日まで出番のなかった尾木も今日出場.スタメンじゃなかった横田も途中から出た.
  • 山本監督の粋な計らいを感じる.引退する4人が全員コートに入っていて,他の選手たちはコートへの出入りの度にいちゃいちゃ絡みにいく.前日の試合が,V1相手にできる限り良い(内容の)試合をしよう,というスタンスだったとすれば,今日の試合はどちらかというと内向きの,結果としては最後を見に来たファンたちへの外向きにもなる,引退記念試合めいた体になっていた.
  • アップゾーンでは富士通の得点時の例のパフォーマンスを普段やらない尾木や横田に二人羽織でやらせようとしたり,Aコート第2試合待ちの(コート挟んで斜向かいにいる)明治大に手を振ってみたり.
  • 第4セットの終わり頃はすでに選手の目が赤く,もうあまり試合どころではなかったような.
  • 試合後は応援団側のコートに移動して胴上げを行った.そちら側に荷物を残したまま早稲田サイドの応援団に挨拶をしていた早稲田の面々は胴上げの間待機し,胴上げに拍手を贈った.
  • 試合後の出待ちでは,中川待ち列が2時間ほど続いていたと志波がTwitterで書いているらしい.ファンに愛されその愛にどこまでも応える選手だった.

[A2] 明治大学 3-2 大分三好ヴァイセアドラー(22-25 23-25 25-17 25-21 19-17)


大分三好:4勝(19辻口泰) 8川口 14ヤカン 15マーク 9林(16濱本) 22藤岡(5大西) L11辻口智


明治大:6鈴木 2鎌田 23安井(10島) 9池田 1小松 15三輪(19安孫子) L21鳴尾/14瀧田


〈メモらん〉


  • どちら寄りで見ても,良いところもあれば悪いところもたっぷりあった試合で,最後は紙一重の差.
  • 第1・第2セットはどちらも,セカンドテクニカルタイムアウトぐらいまで明治リードも,そのあたりの,勝が後衛に下がるところで辻口泰地が入って辻口サーブ(から後衛3ローテ辻口)というローテで,三好が大量連続得点で逆転しリードも取って,そのままセットを奪う,というパターンだった.
  • 第1セットは20-17ぐらいからで,明治S1レセプション.鎌田と池田が左右入れ替わらないとならないところで難しくはあるのだが,池田決まらない,時間差の小松のパイプも決まらない.20-21と三好が逆転して明治タイムアウトタイムアウトあけに池田のスパイクが決まって21-21となるも,22-23からヤカンのサーブが鎌田を弾いて22-24,小松スパイクミスで22-25.
  • 第2セットは17-15で辻口のサーブとなり,三好ブロック祭りで4連続ブレイク17-19.そのあとは双方サイドアウトが続き23-25.
  • 第1セットはともかく,第2セットは,無為無策にずるずる失点する明治にいらいらした.具体的には池田へのトスがあわずに手にあたらずに三好に17点目が入り,もう一本続けて池田にあげてシャットアウトされたときに,一瞬セッターかえてみてはどうだろうとか.
  • ところが第3・第4セットは辻口のサーブを1本で切れた明治が,逆にそのあと,とくに池田のサーブ(三好のS4レセプション)で大量連続得点を積んだ.池田のふんわり浅めのサーブを徹底してマークに取らせ,なんでかしらんけどワンチにかけてトランジションでなんでかしらんけど得点できるとか,なんでかしらんけどヤカンが止まるとか.びっくり.終盤の池田サーブローテでは,鈴木→上林でブロック強化.これも的中した.
  • 第3セット19-16で池田がサーブに下がるところ(つまりセッター前衛に上がるところ)で上林投入.池田ちゃんふわふわサービスエースで20-16.三好タイムアウト.タイムあけも池田が徹底してふわふわサーブを浅めに入れて,前衛ライト側なマークに拾わせ,三好の攻撃が池田に釣られてふんわりしてしまったりしなかったりを全部回収して,ラリーを取るトランジションアタックは三輪.三輪.三輪,全部三輪で23-16.マークスパイクディグからすったもんだの末のヤカンの踏み越しで24-16.マークのスパイク決定で24-17.このスコアはプロ野球33-4並みのネタ点差だが最後も三輪のスパイクで25-17.20点目以降どっちも15番しか得点していない.というか上林が三輪に頼りすぎ.
  • 第4セットはそこまでの大量連続得点ではなかったが,泰地が入った時点で18-14とそれなりの点差.ここは明治が1本で切ったが,三好も川口のピンサ濱本や次のヤカンがサーブで殴り,ブレイクし追い上げる.明治もレシーブ(圧倒的に鎌田が拾っている)は上がっているけれど,攻撃が通らない.21-19で明治タイムアウトタイムアウト明けは三輪が決めて22-19.ここで池田サーブ&前衛上林IN.
  • 池田ちゃんのふわふわサーブが前衛ライトにいるマーク以下同文で,三輪(たぶん)がヤカンブロック,林が決まらなくてトランジションのヤカンのスパイクがアウトになって24-19.ヤカンスパイク決定24-20,石橋サーブ,上林ダブコンで24-21,池田が決めて25-21.
  • 三好こそ,文字通り現在ワンセッターチームなのでセッターはかえられないけど,なんか,あるでしょう,ほかに.知らんけど.
  • 先に3セット取ったほうが勝ちなので.第5セットに切り替えて行こうと考えたのかもしれないけれど.
  • 第5セットはスタートからマークを外して,勝と泰地の対角.デスヨネー.
  • 明治サーブスタートで,ヤカンサーブの次が池田サーブになる,お互いの応援席が手に冷や汗をかく展開.池田はマークのところに入った辻口狙いのサーブ.ここ,前衛が三輪・小松・鈴木になる攻撃面ではしんどいローテーションではあるが序盤は三好がミスって明治がやや先行.7-6から三好が藤岡サーブローテで4連続得点で7-10.
  • この試合の明スポの記事に,鈴木が池田メインにサイド中心の組み立てで云々と書かれている.逆にいえば,S2のここはちょっと苦しんでいた.池田のバックアタックを使うのだがなかなか通らずトランジションの勝のスパイクがよく決まる.
  • 安井のスパイクをブロックしたがネットに触ってしまって8-10.続く鈴木のサーブで明治が追いつき10-10.
  • 以降しばらくは三好先行でサイドアウトの連続.11-12でピンサ石橋のサーブで崩し辻口が池田を止めて11-13.明治タイム.池田が決め手12-13.明治のピンサ松本がサーブで崩し,三輪がスパイク決めて13-14,松本サーブミスで13-14.マッチポイント.サーブはヤカン.否が応でも心拍数が上がる場面.
  • ここをさらっと鎌田が返し三輪が決めて14-14.今更だけどなんで三好ちゃんはサーブの照準を主に鎌田に合わせててあまり鳴尾に取らせなかったんだろうねえ.いや,カットが乱れないまでも体勢を崩せれば鎌田が使えなくなるしし,カットも乱せればばMBも使えなくて池田か小松に絞れるのを狙っていると思うのですが.
  • 14-14で回って来た池田のサーブはヤカンが1本で切るが,15-15から上林のブロックで16-15と明治が前に出る.さいごは後衛に下がるところで戻った鈴木のサーブで,勝のスパイクミスを誘ってゲームセット.まさに紙一重
  • 明治ちゃんはこの経験が今後に生きることを願う.

[B2] 尼崎市立尼崎高等学校 0-3 近畿大学(21-25 23-25 21-25)


〈メモらん〉


[A3] 東レアローズ 1-3 JTサンダーズ(25-19 26-28 19-25 18-25)


〈メモらん〉


  • 最初の方は全く見ていない.第3セット以降の東レは前日みたいなメンツになっていた.
  • 勝てば堺-合成の勝者と,負ければ早稲田との対戦.そこを意識してもしかたないので,そういうことではないと思う.
  • 連戦の中日の,いろいろやろうぜだった東レ.一方,最後まで固定気味(さいしょのうちを見ていないのでなんとも言えないが,少なくともエドガーと劉はずっと出ていた)だったJT
  • タイトルまで視野に入れたとき,連戦の疲労を措けば,セッター金子と合田で実戦を戦う時間が長いほうが良いという判断もあろう。

[B3] 堺ブレイザーズ 3-2 豊田合成トレフェルサ(19-25 25-23 32-30 27-29 15-13)


〈メモらん〉


  • いちばん沸いた試合.ブレイザーズファンが多い.大阪だから特に.会場のあちこちで黄色いレプリカが見られ,得点のたびに黄色いハリセンが上がっていた.
  • 豊田合成は新人4人スタメン.
  • 敗戦=岡本引退.こちらも試合後に胴上げ.
  • 途中から岡本が出ていたのはけして引退試合にするためではなく,勝ちに行くためだったろう.第3セットはぎりぎりで堺が取り,第4セットぎりぎりで合成が取った.まさに意地と意地.デュースの長いラリーで強打スパイクを上げて繋がるたびに客席がどよめいた.
  • ただ,堺の意地が上回った.合成も明日の試合を戦いたい気持ちは大変強かっただろうが,この大会の戦略的位置づけは,やはり今日のスタメンに現れているのかな,と.
  • 試合出場機会の少ない選手の試合経験であったり,新人は今後のための見極めであったり。
  • 贔屓目にはなるが,小川がそこそこ小川らしく動けていたのは嬉しかった.天皇杯以降の帯同では借りてきた猫になっていた.コートを仕切って輝くタイプだと思っている.監督風味にベンチに座っていた古賀の隣が下がった選手の席で,小川が下がっているときのそこの並びに感じ入っていた.ほんとにほんとに,これからの選手だと思っている.
  • 高梨は3日間レフトで出場.前日の対早稲田戦では徹底的にサーブで狙われていた.そりゃそうだ.出身大学が同じということもあって山田と印象が重なる部分もある.勝岡と同期でバランスは取れているけれどもちろんそういう話でもなくてこれからがんばれ.
  • そして永露さん.ネット越えそうな高いボールを片手で捌くのはやはりとてもかっこよく,サーブも悪くなく.しかし.さて.

[A4] ジェイテクトSTINGS 0-3 サントリーサンバーズ(27-29 22-25 16-25)


〈メモらん〉


  • 1位通過をかけた熱い戦い,パナとあたるかVC長野・FC東京の勝者とあたるか.
  • 途中から出た喜入がほんとに縦横無尽で,気づけばそこにいるし,気づけばそこから打っている.躍動.ただ躍動.
  • 初めての藤中兄弟対決だとか,早稲田4人同時にコートイン(時間差で小林もコートイン)だとか,都の西北方面へのサービスが過剰気味の試合でもあった.
  • そんなわけで小林はジェイテクトで公式戦初出場になるのかな.「いちねんせい」に戻ってかわいさが天井知らず.

[B4] FC東京 3-0 VC長野トライデンツ(20-25 22-25 20-25)



〈メモらん〉


  • 勝った方がトーナメント進出
  • 第1セット中盤まで長野がリードしていて,近くにいた東京ファンと思われる観客がきりきりしていた.
  • 逆転で第1セットを取ったあとは,FC東京が良い形で進められていたんじゃないかね.
  • 長野のセッター今日はほぼ椿.永露にしても椿にしても,観る者はいささかならず複雑な心境である.