2910点(3割負担)

ばれーのはなしじゃないです。婦人科方面のはなし。


自分の身体のことなので,自分だけで決めれば良いことではあるものの,あまりにプライベートすぎてこういうところに書くことではないように思えて書かないでいたのですが,執筆環境も整ったし,たまには。15年前ならためらわなかった。年齢を重ねるにつれ頑固で偏屈で臆病になる。


悪い話でも怖い話でもないです。


昨日(月曜日)のNHKの朝の情報番組「あさイチ」で「生理の新常識」という特集をやっていて,なんともタイムリーだと思ったものでした。


過多月経の治療で,ミレーナ入れ(てみ)ました。ごくごく最近。バイエル製薬が出している子宮内黄体ホルモン放出システムというもの。見出しの2910点はその点数です。これに再診料やら抗生剤やらが加わり,保険適用3割負担で当日の支払額は10550円。事前説明で15000円でおつりが来るぐらいと聞いていた通り,件の「あさイチ」でも費用は1万円前後と言っていたので,だいたいそんなかんじなんだと思う。あらかじめわかってはいたけれど3000点を超えると支払明細書がけっこうなインパクト。去年の11月に受けた子宮内膜ポリープ掻爬手術の手術費用(の当日払った分)よりも高かった。


ありがたいことに身体はかなり頑丈なほうで,これまでの人生で大怪我を負うこともなく大病を患うこともなく,病院ともほとんど縁が無い生活を送っている。入院経験もいまだになく,手術も昨秋のそれがおそらく人生初だった。


その節は,初めての全身麻酔含めて自分にはオオゴトでそれなりに大騒ぎしたけれど,世の中とくに病院にお世話になる人はもっと大変な人のほうが圧倒的に多い中で5分かそこらのかんたんな手術にことさら大変だったと言うのは心苦しく,それで,黙って(ないけど)いたわけです。


今,書いてるけど。


事の起こりは何年か前(5年か6年ぐらい経つかしら),胃痛を覚えて内科だか消化器科だかを受診して血液検査と経鼻内視鏡検査を受けた折,胃は綺麗だけど貧血がひどいよ,と言われ,3か月ぐらい鉄剤を飲んだ。


一度数値が良くなったあとはひどく悪化することはないものの,2年ぐらい経つと健康診断で標準値をわずかに下回ってひっかかる。鉄剤なので気軽に処方してもらって2週間ぐらい飲んで復活。


そんなこんなで去年の夏と秋の間ぐらいのころ,疲れやすくなっていたので貧血を疑い,いつものパターンで鉄剤を貰ってもいたちごっこなわけで,ふと思い立って,婦人科に行ってみた。


たまに行く婦人科は担当医が決まっている方式ではないうえたまにしか行かないのでいつも出たとこ勝負。前回かかったときのドクターにけんもほろろに扱われたので(理由はわかる。Drは悪くない)びくびくして門をたたいたら,その日のDrがとても良い人だった。受付時間ぎりぎりに飛び込むめんどくさい客の「なんか貧血っぽいんですそんでどうも生理重いほうっぽいのでそのせいかもと思って……」とかなんとかもごもごよくわからない訴えを聞いてくれ,子宮内膜が一般的な厚みよりもかなり厚いことがわかり(「そりゃ重いわ」と言われた。つらさをわかってくれたことに涙が出たものだ),そんなこんなで子宮内膜ポリープが見つかったので,まずはポリープを取りましょう,という話になったのが去年の秋。


話が長いな。


ポリープ取ってもまだしんどかったら器質性過多月経と言って……と,そこでミレーナをすすめられた。


大人になると学校で教えてくれるわけでもないので,自分から能動的に情報を取りに行かないと知識がアップデートされない。まして,病院に縁が無い生活を送っていればなおさら。保険適用されるようになったのが2014年からという新しい薬のことをわたしは知らなかった。


ポリープを取ったら出血量は激減した。当社比で激減。それでも,まだ,うんざりするのに十分。術後1か月ぐらいの検診で「この先どーしましょうね」という話をしつつ,Drから説明を聞いても販売元のホームページやら口コミやら見ても,わかるようなわからんようなで不安が拭えず保留していたのだけれど,そうこうしているうちにまた貧血気味になり瞼ぺろんとめくったらへんな色だわ,びびって術後6か月後検診かたがた受診したらDrに「顔黄色い」言われるわ。血液検査の結果は標準値内下限ギリぐらいで,例によって(検査結果を聞きにいったときのDrは件の泣けたDrとも手術及びその後お世話になっているDrとも別の人で,いろいろ面白かったけれどそれはさておき)「別に悪いことないけど一応薬出しとく?飲む?」ぐらいの,いや,もうぜんぶがめんどくさいわ。


と言う流れでここに至る。


自分としてはけっこう迷ってけっこう大きな決断をしたつもりでいたのに,実態がめちゃめちゃカジュアルでびっくりした。「じゃあ,今ちょうど在庫あるから取り置きしとくから,こんどの生理が始まったら電話して,日程決めましょう」という。事前の検査とか処置とかないし,手術のときのような同意書もないし,持ち物の確認やら説明やらやらもないし,麻酔もかけないし,「少し休んでもらうので早めに来てください」程度。


カジュアル。


そのかわり,まあまあ痛かったです。そして,合うかどうかは神のみぞ知る。ここで経過観察(経過報告)をする予定ではないけれど,なんかあったら書くかもしれません。


うまくいかなくてもお金が返ってくるわけじゃないので,生活が楽になるといいなあと,そればかり。