TOKYO2020男子バレーボール雑感(俺6というか)

前回のお話。
cana.hatenablog.jp
これを書いている今は1か月以上経った8月の終わりなので、記憶は薄れきっています。ほんとに。なんでこうなる。8月は8月で、Duolingo始めたりワクチン2回目接種したり歌舞伎観に行ったり珍しく土日に仕事があったり(今日は振休)とそれなりにすることもあったけれど、いちばんの理由は、貴重な休日に何もせずTwitterちゅるちゅるしながらだらだら過ごしてしまうから。積ん読もかなりの高さになっている。
本題。
まずは、ほんもののベスト6、もとい、ドリームチーム。月バレ.comから

MVP:イアルバン・ヌガペト(フランス)
ベストアウトサイドヒッター:イアルバン・ヌガペト(フランス)、エゴール・クリュカ(ROC
ベストセッター:ルチアノ・デセッコ(アルゼンチン)
ベストミドルブロッカー:バルテレミ・シネニエズ(フランス)、イバン・ヤコブレフ(ROC
ベストリベロ:ジェニア・グルベニコフ(フランス)
ベストオポジット:マキシム・ミハイロフ(ROC

東京2020オリンピック 男子/フランス、初のメダルは金。ROCと死闘 | 月バレ.com

で、俺6というにはリベロオポジットが出てこないので、気になった選手をちょろっと。

S:ブリザール(FRA)

もはや遠い昔のようですが、フランスの初の金メダルで幕を下ろした男子バレーボール。
大会序盤はほんとうに調子が悪くて、4日目に優勝候補の1つのROC*1に勝たなければグループ戦敗退決定というところまで追い込まれていた。既に決勝トーナメント進出を決めたROCがFRA戦をどう戦うかはBグループの行方を占う意味で大きなカギでしたがそれはさておき。
で、その調子が悪かった頃のフランスの試合を流し観していたとき、フランスがまったくあかん流れになってセッターをブリザール→トニウッティに交代、カメラに抜かれたベンチのブリザールが、なんだか半べそでもかいてる(妄想)みたいにしょぼくれてて(妄想)、なんだこいつカワイイジャネーノってなった。それだけです。あとは、昔の女児のような前髪だけ頭頂部でゴムでくくったおかっぱ頭というビジュアルのインパクト。
トニウッティは、2016年のリオ五輪予選で観たというかなんというか、日本戦が最終日で五輪切符獲得後だったので、スタメン組はお休み。で、たまたまアップゾーンの上のほうの席だったわたくしの目の前でずーっとボール回したりなんだりして遊ぶトニウッティを眺めていたという、そんなかんじなので*2、フランスは今大会(東京大会)で若くて身体も大きいブリザールを育てたいのかな、でも、結果もだいじだからむずかしいのかな、と思いながらそのベンチのべっこりブリザールの様子を見たものでした。後々、トニウッティに故障があったらしいと知ったんだけど、そういう事情を知らなかったので。
そんな先入観があったのでかなり誤解なんですが、応援したくなったしかわいかった。以上。

OH:ミキエレット(ITA)

Michieletto。音が近いのはミケレットか。grazieはグラッツィエだけどcamicieはカミーチェな自分の中でも表記揺れ。NHKのサイトでは「ミキエレット」
イタリアの若き左打ちアウトサイドヒッター。若い。2001年12月生まれなので十代。細い。ベテランもベテランのユアントレーナと対角でなあ。まだ表情に幼さも残るぐらいの青年がきらきらしている姿は良いものです。
前回リオ大会銀メダルのイタリアは、準々決勝でアルゼンチンに敗れてベスト8。ザイツェフはフィジカルの調子がすごく悪かったっぽいし、ユアントレーナは今回限りで代表引退する言うし、イタリア比ではしょっぱい総括になったのかもしれないけれど、ミキエレットたんは希望の星だった。手足が長くて伸びやかで。推せる。サーブで狙われがちだったのも推せる。
そのユアントレーナが、5番をミキエレットたんに継承するよ、みたいなことをインスタに書いていて、ふおおおおおおお、となる。単純。

OH:ルカレッリ(BRA)

日本目線で言えば、準々決勝で日本をボコボコにしてくれたブラジルです。わたしでさえも見知った顔と名前が勢揃いしているブラジル代表の黄色×緑のユニフォーム。
ホンモノの、ガチのブラジルと、オリンピックの決勝トーナメントの舞台で、日本が対戦している。特段日本代表贔屓でもないわたしでも、さすがに、じわじわと胸に去来するものがありました。
しかも、悪くない試合だった。1セットも取らせてもらえなかったのみならず、各セットの点差もそこそこあったけれど、手も足も出せずにこてんぱんにやられたわけではなくて、今出せる力は出し切って、やろうとしたことはやれて、戦わせてもらえて、そんで負けた。ブラジル強い、世界は強い。
贔屓目だけど、ブラジルも安パイ引いて余裕ですわラッキーという感じの戦い方ではなかったと思う。そのうえで、押さえるべきところを押さえるのが強いチーム。それまでイーブンでもビハインドでも、勝負どころでぐっとギアを上げて集中して一気に叩きのめす。それを見せつけてくれた筆頭がルカレッリだった。
なんじゃあのえぐいコースのサーブは。なんじゃあのスパイクは。身体の使い方がすごい。
いわゆる「高さとパワー」ではない(いや、パワーはめちゃくちゃある)ブラジルだからこそ、日本に足りないのは体格ではない、ということがよくわかる。逆に考えれば、もしかしたら、すごくすごくがんばったら、もっと上を目指せるんじゃないかという希望でもある。言うてもルカレッリの身長、日本のアウトサイドではけして多くない196cmですけど。それを言うたらおしまいだけど、そういう意味じゃないです。

MB:ロセル(ARG)

身長逆サバ疑惑のロセル。NHKの選手紹介ページでは193cm。嘘やん。伸びたんちゃうん。
逆サバにしても伸びたにしても、どう見ても200cmはない。MBにしてはかなり小さい彼が、銅メダルマッチで8本のキルブロック。アルゼンチンの17本がおかしいんだけど、とりわけロセルの8本が意味が分からない。
ちびっこセンターって、スパイクが持ち味なんじゃないの。ブロックなの、ねえ、ブロックなの……どういうことなの……
彼にちびっこセンターの(つまり平たく言うと日本の)憧れと夢と希望を全部のせるのも違うしおかしいんだけど、ほいじゃけど。逆に、日本のMB200超だろうよ、という話にもなるんだけど、それはそれでロセルだけ見てロセルだけと比較しちゃダメ。210以上が普通です。たぶん。知らんけど。あと、ロセルおかしい。
わたしにゃわからんけど、ブロックのスキルとは、を、個人技術面でも組織的なブロック戦術・技術面でも、追究したくなる今大会のアルゼンチンだったよね。
これで97生っていうんだから、わくわくしないほうが無理。

MB コハノフスキ(POL)

いや、かわいいなと思って。身も蓋もない。ぽるすかは、日本と同じグループAだったけど、ちょうど日本戦が平日昼間なうえに、自分の出社日だったので時間休を取って観ることもできないし録画も忘れていて(テレビ放送あったのかしら)、要するに観てない(良い試合だったようで)。ほかの試合もなんだかんだ見逃すことが多く今大会であまり観られなかったチームの1つだった。で、ちらっと観た試合でたまたま出てて、長髪ちっちゃいお団子かわいいなーって。はい、こちらも97生。
ぽるすかのMBといえば、ノバコフスキ、で、若めのビエニエク、というなかでさらに若いコハノフスキ。さきにあげたミキエレットもだし、ロセルもそう。日本で言えば高橋藍、年齢と国際大会実積から言えば西田もか。オリンピックって、それまでの集大成でありながら同時に次の時代の幕開けにもなる大会なんだな、と。それは、戦術(?)のトレンドにおいてとくに強く感じたけれど、各チームを構成する選手にも、そういう面はあるんじゃろうと。VNLもあんまり観てないしヨーロッパのリーグ(クラブチームもナショナルチームも)もわからないので、4年に1回になっちゃうゆえのまちがった見方です。

OP:ミハイロフ(ROC)かなー

おフランスで超がんばったパトリィも推したい。パトリィのこと、Vリーグにいそうな(チーム事情でとにかくひたすら打たされる気の毒な、そして、ちょっと残念要素入ってる)OPみたいって言ってすまなんだ。
OPの選手に強い印象が残っていないことこそが、今大会の特徴(傾向)だったと思っている。前々回のロンドン大会は、決勝戦でロシアが、第4セットまでMBだったムセルスキーを第5セットでOPにした……だっけ……記憶違いで嘘ばっかり書いてる気がする……でOP遣いに強烈な印象が残った。リオは大会そのものをおそらくほとんど観てないのでアレだけど。
OPはバレーボールでいちばんの点取り屋でいちばんの華で、ミハイロフはゴルゴ13のキャラかヒットマンにしか見えないし、アルゼンチンの銅メダルも要所でのリマの活躍あってのこと。今大会のコンディションはともかくザイツェフはビッグネームだとおもうし、BRAのウォレスにPOLのクレクに……と、「知ってる世界のバレーボール選手の名前をあげて」となると、OPの名前がそこそこ出てくる。
だけど、東京五輪はOPが活躍した大会だった、という総括にはならんよね、むしろ逆よね。後衛OHの役割がより重要になっていて、後衛OHの二段トスやバックアタック(前衛MBとのダブルクイックみたいなビックとか)がおもしろかったし、戦い方としても、新しくなったボールでのサーブや嘘みたいにボールが上がるブロック×ディグに目が行った。
繋がった難しい二段トスをOPが決めるから得点になるんだけど、あまりそこにハイライトがこない。実際、今大会で名を残したフランスとアルゼンチンがそう。パトリィはがんばってた。でもMVPは“真面目にやってた”OHヌガペ。アルゼンチンもリマすごかったけど、試合を観て感じたのは「床の上5cmでバレーボールやってる」ボールを落とさない凄さと、デセッコのセットの多彩さ。ドリームチームに入ったのもデセッコ。

L:見てないけどグレベンニコフ(FRA)

グレベンニコフ、神出鬼没だった。が、グレベンニコフに限らずリベロがあまり(ほとんど)視界に入ってなかったので、比較できない。ほら、配信の映像だし。(言い訳です。リベロも映ってる)。
そんな中でグレベンニコフを覚えたのは、いつの試合だったか、背面アンダーでセットしたら勢い余ってネットを越えそうになったことがあって、心の中で「小川*3か!」突っ込んだら同じことを感じた人がいた、という。
あと、古賀太一郎がグレベンニコフの動きを真似して、試合中これをずっとやってる体力がすごいマネできない、みたいなことを書いていらしたような。一流選手からみて一流なんじゃな。オリンピアンすごいな。とも思いまして。

以上。
フランス多めになっちゃったけど、それだけフランスが有明に旋風を巻き起こしたちおうことで。金メダルですもの。

*1:ロシアオリンピック委員会。ドーピング問題で国としての参加が認めれず、ロシアオリンピック委員会としての選手団だった。国旗も使えないし国家も演奏されない。

*2:そのとき試合に出ていたセッターが誰かは覚えていない。

*3:WD名古屋のリベロ