初代国立劇場さよなら公演令和4年度10月歌舞伎公演 通し狂言 義経千本桜(本文ほぼなし)

国立劇場

国立劇場は来年の秋から建て替えに入るとのこと。ゆとりあるロビーとシャンデリアが好きなので、シャンデリアは残るといいのだけれど。椅子も良いし。

菊之助が四役(?もっと?)を勤める通し狂言。なかなか通しでかからないけどかかるなら、通しで観たい義経千本桜。良い機会でしたの。

Aプロ:二段目 渡海屋 大物浦
Bプロ:三段目 椎の木 すし屋
Cプロ:四段目 鳥居前 道行初音旅 川連法眼館

Cプロ(10/7)→Bプロ(10/16)→Aプロ(10/22)の順で鑑賞。
国立劇場は3階3500円とチケット代のお手軽さが魅力。Aプロは奮発して2階で観た。たまたまど真ん中の最前列が一席空いていたので(!)。それでも7500円ぐらい。

それぞれ開演直後に、短い映像で、背景の紹介あり。基本は同じで、途中からそのプログラムごとの内容にかわっているようだった。(Cプロは遅刻して聞いていない)。ナレーションは菊之助

Cプロ

きつねかわいい。かわいい。
義経静御前が源九郎狐のことをほほえましく観ていた様子がとっても素敵だった。
四の切は澤瀉屋の派手な演出の印象が強いんだけど、音羽屋型はちょいちょい違ってた。最後も舞台上の木に登るくらいのあっさりめだけど、それもまたよし。

Bプロ

音羽屋といえばこれ、なんだろうけど、「すし屋」の初見が、菊五郎の権太だったので、つい比べてしまった。
おやぢ様は江戸時代人じゃからな。

Aプロ

逆に、「案外ええやん」と感じたのがAプロ。ほかで観たことがなかったので、記憶の中と比べるといったことがなく観られたのが良かったのだと思う。
いや、あのですね、メインビジュアルで使われる知盛が碇掲げてる場面、あれが、血まみれで怖くてね、それで敬遠していたところが大きく。
観てみると、たしかにしんどいんだけど、その前から観てのあの場面に至る、の含めて(知ってる人は)観てるのじゃろうなあ、というのはわかった。
最後に定式幕がひかれた後、幕外で弁慶が法螺貝を吹くのが、たまらん余韻。
人気の作品にはそれだけの理由がある、と、あらためて感じた。