個人用覚書:単の季節の装い(秋)、或いは雨の日。

10月の国立劇場に行くときに着たもの。着物カレンダーでは10月は袷? 知るかそんなもの。
もう1か月以上経っていて、天気や体感はほぼ忘れてしまっているが、どうやら全般的に暑さに参ったようで、その後しばらく強烈な「暑さ対策」欲に取り憑かれていた。
11月に入ってから得た買い物の機会で、むしろこれから防寒を必要とするだろう季節に抗うかのようにへちまの帯板だの麻の腰紐だのを買い求めてしまった。腰紐なんて変えてみたところで気分の問題でしかなさそうだけども。

10/7

天気と時刻

夜18時からの公演。
夕方から荒れた空模様で、雨風強め、そして、10月にしては寒かった。11月中旬なみの気温とか言ってたような。
洋服で行けよ、という感じだったけど、思うところあって。
終演後は雨は上がっていたかな。いや、小降りだったか。

着たもの

補整用のさらし +タオル(うろ覚え)
綿の肌襦袢
綿の裾よけ 
長襦袢モスリン
長着:ウール(詳細不明。太めの木綿糸みたいなざっくり質感の薄手)
半襟:木綿の端切れ
帯:木綿の名古屋帯
帯揚げ:ちりめんふうのポリエステル
足袋:木綿
草履:時雨下駄に爪掛
雨コート:夏用じゃないほう。絹。
雨傘:もちろんふだんの

感想

行きはがっつり本降りで、傘持って鞄持って、で、階段の上り下りのときこの状態でどうやって裾持つの? みたいな。足もと下駄だし。練習にはなった。そして、この天気だと気合いの入った着物を着て外を歩くのは無理だと思った。幸い、気合いの入った着物はワードローブにない。
モスリン長襦袢で暑すぎるか気がかりだったけど、寒い日だったので、その点は問題なかった、むしろ暖かくて良かったけど、見た目の不格好さがひどく、家に帰って写真撮ったあとで凹んだ。
雨コートは去年(?)勢いだけで買った古着の初おろしで、かわいくて好きなんだけど、自分の外見に似合うかは全く別問題だった。買うとき試着はしたんだが、まあ、はい。つるんとした絹なので、ざっくりした着物と色も雰囲気が合わなかった。道行き襟だから着物の襟がよく見える。本当は道行き襟あんまり好きじゃない。
小雨になっていた帰りはコートを着ずに歩いてる人もいたような気がする(もちろん洗える着物だろうが)から、自分も雨に濡れたところでどうってことないウールなので、そのまま帰ったほうがまだマシだった。そもそもコート着る必要もなかった。いや、行きは上に着ないと膝から下がびしょんこだったな。

足もとは、劇場に下駄の是非問題が頭を掠めたが、大雨で履き替える草履まで持っていくのは大荷物すぎて無理だったのでおそるおそる決行した。国立劇場は劇場内は階段もぜんぶカーペット敷きなので音が出る心配はないし、自分のほかにも雨下駄の人が何人かいたのでほっとした。
ただ、爪掛の傷みが激しいのが気になって仕方なかった(劇場にも迷惑だ)ので、深刻に買い換えたい。
雨の日の履き物問題は根が深い。どうせ買うなら草履だろうかと検索してみても雨草履ってだいたいフリーサイズ(=大きすぎる)。

雨支度は別として、中身のほうは、そんなに悪くなかった。ウールに合わせる帯が欲しくて3月に買っていた木綿の名古屋帯もちゃんと合っていた。良かった。でもこのカジュアルセットを着ていく場所ってどこじゃろう、と考えてみても、あまり思いつかない。雨の平日夜の国立劇場の3階の一番後ろ、みたいなシチュエーションならともかく。(20代ぐらいの若者の男女数人のグループなどがいた。たいそう良い)。

10/16

天気と時刻

天気は覚えていないが、10月も後半に入ったけれど躊躇わず単にしようと思える程度の天気だったんだと思う。昼公演。

着たもの

補整用のさらし(+タオル?)
綿の肌襦袢
綿の裾よけ 
長襦袢:絹
長着:単の紬
半襟:塩瀬ふうポリエステル
帯:博多八寸
帯揚げ:ふつうの(けっこう厚手。正絹かどうか疑わしい)
帯締め:ふつうの(古びてるけど、濃いめの青の平たいのがこれしかなくて)
足袋:木綿
草履:カフェぞうり グレー×水色 おろした。
はおり物はシルクのストール

感想

この単の紬は、去年の9月上旬にも着ていて、そのときは、筒袖の半襦袢で着たんだった。
あまり意識していなかったけれど長襦袢とあわせて着たのは初めてで、着てみると裄があってなくて長襦袢の袖がしょっちゅう手首のところからちらちら出てきて、居心地悪かった。
振りは飛び出さなかったから袖幅はあってるとして、ならば、肩幅かしら。
着物のサイズって、最初の持ち主の寸法やワードローブにあわせたオーダーメイドだから、微妙なところがずれていることがしばしばある。
どちらも祖母経由で譲り受けたもので袖丈が同じだからあうだろうと思い込んでいたけど、合わなかった。着たのをみた記憶もないので、着物のほうがもともと別の人の持ち物だったのかな。
暑さ寒さの記憶はとくにない。着物着たら暑いのがデフォルトなのである程度覚悟している。が、きっと暑かった。終演後、裏手の伝統芸能会館に寄って展示を見て、半蔵門駅近くのサンマルクカフェで休憩しながら大学リーグのライブ配信を観るぐらいの元気はあったようだが。

10/22

天気と時刻

たぶん良い天気だったはず。夜公演。
10月も下旬なので迷いつつも今日袷を着ると暑くて無理だろうなって思ったんだろうねえ。おそらく。

着たもの

補整用のさらし(タオルも巻かなかったような)
綿の肌襦袢
綿の裾よけ 
長襦袢:絹 
長着:単のちりめん
半襟:正絹。友禅体験でお絵かきしたやつ。
帯:詳細不明の茶色の八寸
帯揚げ:ふつうの(16日と同じ)
帯締め:ふつうの(16日と同じ)
足袋:木綿
草履:カフェぞうり グレー×水色
はおり物はシルクのストール おそらく。

感想

濃紺幾何学模様の一越縮緬ちゃん、今年2度目(通算2度目)の登場。古着で買ったものだけれど、寸法も色柄もしっくりする。
すれ違う人の裾をちらちら、不審にならない程度に観察していたけれど、圧倒的に袷の人が多かった。そりゃそうだよなあ。もう10月も下旬だもんな。ただ、1人か2人は単っぽい人も見かけたかな。
自分が着ていた着物は色も濃いめだし、帯も色といい雰囲気といい、夏っぽい感じはしない。くすんだ濃いめの帯揚帯締めで、比較的秋らしい装い(笑)になっていたと思う。
ふつうは他人の着物の裏地の有無なんていちいち見ないだろうから、気にしないことにしよう。
前回6月は麻の長襦袢で着て、今回は秋〜春用の絹の長襦袢をあわせた。でも、暑かったんだよなあ。たぶん。麻を着るか迷って、半襟を付け直すのが面倒すぎて襟にあわせて長襦袢選んだら暑かった。
胴回りにいろいろ巻きすぎている。さいきんさらしを巻くようにしてみて、胸元がすっきりして着付けしやすくなったけど、木綿何枚分も余計に着込んでるのと同じと考えると、暑さが増してるのも当然か。帯板の風通しの悪さに悪意を感じる。