V・プレミアリーグ男子東京大会
@墨田区総合体育館
開幕2週目。前売りチケットは発売後程なくして予定販売分終了となっていた。「サントリーはいないのに」というマクラつきで語られていたその様子を見て,今季のVプレミア観戦はコリャ無理だな,となかば諦念。そこでがんばる気力が沸いてこないのが開幕前のお約束。
せっかく近くでの開催なのにチケットが無いよう,と嘆いていたら,諸事情で余らせた方から譲っていただけることになった。ありがたい。うれしい。ほんとうにありがたい。
そういうわけで,行ってきました。なぜか,50席ぐらいしかないスーパーシートに。
いや,びっくりした。首からスーパーシートパス下げるんだね。ふつうのチケットじゃないんだね。FC東京応援グッズのハリセンも貰っていたんだけど気づいたのは帰りに荷物をまとめているときでした(ォィ)。
初めてですよ,おそらく。今まで十数年のVリーグ観戦人生で一番奮発しましたわ(除交通宿泊費)。今シーズン少ないであろう観戦回数の数回分は突っ込んだわ。着席してしばらくは,ここチャレンジなら2000円だよな(但し早く行って並ばないと取れない),とか,中国リーグ@萩ならタダだよな(但し平大応援に埋もれる度胸があれば),とか,要らんことを考えていた。お金がもったいないとかじゃなくて,その差はなんだろうって。大学リーグはともかくとして。
近さにほかに代えがたい魅力があるのは間違いないんだけど。衝立もあるので,なんだかんだで距離はあるし,手前のサイドラインも見えない。プレミアとチャレンジの差って何だろう。プレーのレベルの差だろうか。
そんなことをね,つらつら考えていたんですわ,第1試合。でも,第2試合が終わる頃にはどうでもよくなっていて,一回座ってしまうと癖になりそうで,たいそう怖かったです。今も怖いです。顔が見える,声が聞こえるって凄いね。
堺ブレイザーズ3-2FC東京
整列のときの橘兄とドロンパさん。似ていると噂のふたりのツーショット。
ドロさん,第3セット後のパフォーマンスでは,前日誕生日だった橘弟をネタにしていました(スケッチブックに13SHOGOって書いてたんだけど,背番号だけ見て一瞬堺の松岡のことかと思った。誕生日同じなのね)
FC東京:4山田 6山本 11奥村 9手塚 17セルジオ 21鈴木 L3橘裕
開幕週一通り見てスタメンが大きく変わっていないチームが多い中で,FC東京は一新された感のある顔ぶれ。セッターは山田で,堺の今村とは順大対決。
MBはサンガイアから移籍加入の奥村がスタメンで,ブロードはかなり決まっていた。堺は捨ててたんじゃないかなー,とも。新外国人のセルジオがサイドでレセプションに入って,手塚がOP。
開幕戦でさっぱりスパイクが決まらなくて先行きが不安になったセルジオ,今日は好調。スパイク打点が高いし,決定率も高かった。
選手交代は多め。たまや出た。竹浪,盛重,ちょこっと衛藤。ピンサは岡崎。MB固定気味,リベロは固定。
盛重は将平が後衛のときに。あと,横田(だったっけ)にサーブで滅多打ちにされたときに一瞬入った。
ピンサで入ってブレイクした(SPだったか)ときの岡崎のスタンドのサポへの猛烈アピール。上がる上がる。
将平かわいい。手塚アウトするとコートキャプテンになる(さらに将平も外れると,山田が手を上げた)。まだコートキャプテンじゃないときに,ラインのインアウトの判定で文句言ってて審判にかみついていてたいそうかわいかったです。2試合とも判定には荒れた,というか席が近いと文句言ってるのがよくわかる。
堺ブレイザーズ:19今村(8佐川) 10千々木 1松本 6ペピチ 3石島 12横田 L2井上
開幕戦はMBできさんだった。A帳票の監督コメントに試合直前にうにゃうにゃと書いてあるのが気になってるんですが,いためました? じゃなきゃいいんだけど。
開幕戦も今回も,セッター決めきれず,という感じ。セッターのせいなのかスパイカーのせいなのか,あんまり「気持ちよく決まる」感がない。もう少し全体のレセプションアタック決定率が上がるといいのだけれど,と思いながら見ていた(実は第2試合のほうが決定率が低かったので印象って適当だ)。
外国人OPだけが飛び抜けて打数が多い構成はいいとは思わないけれど,しかしペピチに後光が見えないのも不安材料。その役割を(打数本数はともかく)石島が担っていたように見えた。石島神々しかった。第1セット序盤にサーブたこ殴りでリードしたのもそうだし,最終セットだったか第4セットだったか,松本が後衛からアンダーハンドで繋いだボールを,スパイクにして決めたのには痺れた。あんなん打てん。
最終セット14-13で彼にサーブが回ったときには「ここで決めるだろうな」と思った。そこで本当にサービスエースで試合を終わらせたのには唸るしかなかった。
ヒーローインタビューは千々木でしたが,彼のパフォーマンスはいまいち物足りなかった。サーブで狙われて体勢が崩れる→助走が遅れるというのもあるんかもしれんが,スパイクなかなかすかっと決まらない。着地がセンターラインに近くてつんのめって止まるので,いつ足をぐねるんじゃないかと。隣の人たちも言っていた。蝮谷事件を目の前で見た人間としては,毎度ひやひやする。
でもね,バックから全力で跳んでくるのはめちゃめちゃかっこいいし,何より黄色ユニがつくる細い腰が色っぽくてたまらん。目のやり場に困ると思いながらガン見しちゃうくらいにたまらん。背番号の数字のあしらいもかっこいい。
チームにお金を出そうと思うかどうかには,チームが調子よくて楽しそうで勝つことがすごく大切なんだなーと思った。んー,つまり,勝つには勝ったものの更新をちょっと迷ってるのが正直なところ。
第2試合はのちほど(仮)→書いた。
JTサンダーズ3-2パナソニックパンサーズ
何日か経ってから書くと,当日の興奮も記憶もどこかに消えてしまう。でも,すごく楽しんだことは覚えている。
JT:3深津 14八子 20筧本 18ヴィソット 7越川 1安永 L15唐川
Pana:2深津 5渡邉 3山添 1清水 18ダンテ 6白澤 L17永野
以降,JTの印象をつらつらと。
昨季優勝のJT。昨季からの選手異動でいちばん大きいのはリベロ酒井の退団だろう。(ここはあくまでわたし個人の日記なので好きに書きますが)*1あくまで憶測ながら,初のリーグ優勝とプロ契約選手の来季の契約。限られた資金。というあたりが退団理由のひとつだろうとは推測される。その酒井はサントリーに入団し,(かなりの)時間差で越川と酒井が入れ替わったとも言える。去就が気になっていたのでサントリーに落ち着いたのは喜ばしかったものの,プロ契約できるチームがそんなにないのかな,と考えると,なかなか難しい。
長年の功労者の酒井をばっさりやったJTに対して含むところはあった。残されたのは入団時にリベロ転向して2年目久原と新人の唐川という若人2人。酒井退団発表時には,リベロ甘く見てんじゃねーぞ,この2人でなんとかなると思ってんじゃねーぞ,と,思ってた。
ところが,ですわ。まだ開幕2試合目段階ではあるものの,現時点では「見くびってスマンカッタ」という気持ちでいっぱいだ。
唐川,いいわ。
リベロのオシゴトってたくさんあって奥が深くて,何をもって「いいリベロ」とするのかは全然わからんのだけど,素人目に見たところ穴になってない。プレミアの強サーバーのジャンプスパイクサーブをきっちり返しているしジャンプセットも上げている。新人ちゃんの最初のシーズンとしたら及第点というか,期待以上なんじゃないかな,と。ほんとに。
OPは今季もヴィソット。ヴィソット一辺倒,という感じではなかったし,帳票を見ると決定率もそこまで高いわけでもない。でも,トランジションアタックのここぞの場面で頼れるのはやっぱり大きい。
途中出場で大活躍だった中島。サーブで殴れるMBは良い。
こちらも途中出場の町野。MB陣のなかでは(もしかしたらチーム全体でも)筆頭のベテラン勢になった。タイムアウト間に中島にブロックの移動や腕の形のアドバイスをしていたのが印象的。2年目だか3年目くらいの黒鷲旗で,狭い府立体育館の観客席で長いすねをもてあましながらビデオ係をしていたのがつい昨日のことのよう……んわけはない。*2
MBは筧本と安永がスタメンで,途中から中島,町野と少しずつかわっていった。ベゼラベンチアウト。MBが多い。中島が(主にサーブで)華々しく活躍したけれど,といといとヤスがダメっていうんじゃなくて,ここは状況や相手に合わせつつ,選手の調子もみつつ,争いながら出場できるといいなあと思うところ。
中島と越川,シャツネームの混み具合が似ているのが素敵。越川は,主審への抗議とかコート外(ブログとか)とかの発言が目立つ人ではあるけれど,コートの中では入ったほかの選手,特に若い選手に対して気を配って盛り上げていこうとしているのがよくわかる。そういうところはとても好ましい。
越川の対角,八子。
セッターは試合通して深津。一度井上が,MBのピンサで入ったのは「うっわー贅沢」と思いましたわ。井上も背番号が変わってたの知らなかった。19の1が取れて,9に。19が長かったから慣れるまでに少しかかりそう。9って前誰だったかな。
この試合をこの角度から見ていて,八子の前衛レフトのスパイク(の助走)を追いかけながら,猛烈な小澤ロスに襲われていた。昨季のファイナル6で一度サイドライン側のアリーナ席で試合を見た,たぶんそのときの記憶だ。
3/22大田区総合体育館ジェイテクト戦。この試合は八子・小澤対角だった。
もうそこにはいない人を想っても仕方ないのに。
でも八子さん好きだからね。
「あー,小澤さんいないんだなー」って思わないわけにはいかなくて,それはとても辛くて寂しかったけれど,試合を見ているうちに前のめりになっていった。
パナ対JTって,さいきん何度も決勝戦で対戦しているカードで,2戦目とはいえ因縁めいたものも感じられる。1試合目もフルセットで楽しかったけれど,第2試合はミスが少なくて全体的にハイレベルで締まった接戦で,お互いに譲らない感じが,すごく楽しかった。
パナはダンテが戻ってきて,かわりに福澤が武者修行をしに(チームに籍を残しつつ)ブラジルに行った。ダンテも復活ではあり,奏吾も去年から福澤と併用で相当試合に出ていたので,印象としては昨年から大きくかわってはいない。
この日の奏吾は,がんばってたけど,でも他の人たち,つまりダンテとか清水とかに比べると歯がゆい部分も多かった。JTのサーブにかなり狙われてもいた。そこで谷村,とか,あるんだろうけど……福澤がいるけど奏吾が出ているのと,福澤がいないのとでは厚みが違う。レフトの選手層なり,取れる交替オプションについてはやや不十分な印象がぬぐえず,その点は今季のパナの難しい部分になるかもしれない。
翌日のFC東京戦,やはりフルセットになった最終セットの最後に相手マッチポイントから3連続サーブで逆転勝ちというミラクルを起こしたときいて嬉しかった。が,なんであろうが,奏吾ががんばるしかないんだろうなあとも思う。
かえってきたダンテ。ヴィソットとは18同士でしたか。試合後にはぐはぐしていた。
すっかりレギュラーポジションに定着し中堅の風格をたたえる山添さん。白澤・山添の両MBは,突出したところがない分派手さはないけれど,スパイクもブロックもそつなくバランスが良い印象。
セッターは深津。もう1人は合田がベンチ入りをしていた。セカンドリベロを着ていたのが大竹だったようで(ずっとジャージの下をはいていたのでわからなかったけれど),専田はレシーバーかな,リリーフサーバーで出場していた。田城もいるけれど,深津へのワンポイントブロッカーは池田。
つまり,この試合は深津兄弟対決でもあったわけで,弟にツーアタックを決められたあとの兄の吼え方が実にすばらしかった。