男子バレーの山本隆弘がプロ契約(読売新聞)


4月5日付けのニュース(古いな)。新聞記事へのリンクって,いつまで生きているものなのかしらん。取り敢えずそんな感じ。中垣内引退(→堺BLの監督就任)などという,人によってはもっと重大かもしれないニュースが上がってしまったのでどんどんと後ろの方へと下げられていってますが。どのみち取り立てて騒ぐほどの出来事でもない。


このニュースを知って少し驚いたし,多少思うところもあるのだけれど,簡明に書けそうにない。最初は,だんだんとプロ契約の選手が増える流れになるんだろうかと思ったんだけど,それは難しいだろうなぁ。少なくとも,すぐに後に続く人が続出するとは思えず。チーム側は現状ではプロ契約の方がトータルで安上がりだと思うので,あわよくばプロ契約ばかりにしてやれ,などと考えるかもしれないけれど,すっかりそういうシステムになってしまった後で運悪く(?)年俸が高騰するようになったら大変なことだし,選手側は勿論,まだまだ景気も今ひとつ先行き不安な中,特に男子選手がプロは……大半の人はそこまで望んでいない(或いは,希望してでもアマチュアがいいという人が多い)と思う。偏見だろうか。


野球もサッカーもゴルフも馬の騎手も,みんなそうやってプロでやっているわけだからして,そこが甘えと言えば甘えではあるのだが。ほんの一握りのスター選手を除けば“普通のサラリーマン”並の(或いは以下の)お金で,プロになったはいいけれど20台の半ばで現役を退いて第二の人生を自分で探して初めていかねばならないわけで,それを良くないというつもりはないが,そうではない(アマチュアの)人生というのも,あっていいような気もするのよね。(野球にしろサッカーにしろアマチュアチームもアマチュアの選手権もあるが。)。かつてバレーボールが飛び抜けて上手かったというだけでバレーボールとは何の関係もない仕事をするのに誰もが名前を知っている(入りたくても入れない)大企業で仕事をさせていいのか,とちらとそんな思いが湧かなくもないが,しかし一芸入試みたいなものかと思えばそれもまた良し。使える人間はどこでも(どんな経歴でも)使えるから,そんなのは気にしてもナンセンスではないかと。


だからまぁ,人生設計は人それぞれで,プロとしてやっていきたい人もいればアマチュアでいたい人もいるだろう。プロでやっていきたい人がプロ契約できることは,望ましいことだとも思う。移籍が頻繁な選手でも扱いは「入社」で一応社内のどこかの組織に所属するのが通例の中,松下は思いきったことをしたな,と。どういう契約形態なのかはこの新聞記事からはまったくわかりませんが。


ただし,現状でもプロ契約の選手がいないわけではないようだ。そういえば,堺BLの選手達はどういう契約形態になっているのだろう。


松下電器をわざわざ退社する山本は偉いのか向こう見ずなのか,それはわからんけど,ただ,彼ほどの選手(色々な意味を含んで)であれば会社員の縛りがあるよりもメリットが大きそうに思えるし,或る程度は生計の目処も立っていてのことだろう。


逆に言うと,山本クラスの選手でなければそこまでは(自主的には)なかなか踏み切れないだろう,というのが,5つ上の段落の話。


“好結果を残すためにはプロ意識を持って練習や試合に臨むことが必要”ってのは,いいこと言うなぁというか,なんというか。背水の陣っちゅぅか,やっぱり人間明日のパンが確保できるかどうかは大きいもので,おまんまがかかっていると思ったらそらがんばるしかないもんなぁ。特別好きな選手でもないですが,阿呆ではないと証明していただきたいとは思うものです。


ところで,この情報を仕入れたのは例によって個人ファンサイトの日記だったのだけれど,例によって掲示板で若い子(←この書き方も自分でどうかと思うが)が,プロ契約ってことはお金持ち? みたいなことを書いていて,実際のところどうなんでしょうね。生涯年収の視点で経つと現時点で比較できないじゃん。プロスポーツ選手の年俸って見た目かなり高いけど(でもドラフト順位下の方で入団するプロ野球選手の初年度の年俸なんて同じ年のサラリーマンと大差ない気がする)一年でがっぽりもらうとその分税率は上がるわけで,こつこつと月給をもらい続けるサラリーマンよりも割は悪い。そもそも,会社員の選手達もどういうふうにお給料もらっているかは謎に包まれているのだが。


少なくとも会社は長い目で見た時に損はしないという公算があってのことだと思うんだけど,どうかな。あんまり気にしてないか。少なくともめちゃ高にはならないとは踏んだんだろうが。しかし入社丸3年で退社したってことは,集団の入社直後研修の研修費は払い損だ。本人にしても社歌とか社訓とかは覚え損だったわけだ。それともプロ契約だろうがなんだろうが松下電器の名を関する組織に属する以上は社歌・社訓は必須なのかしらん。恐るべし。(00:53)