通勤途中にある花水木に

白い包がついていた。暖かかった週末,自室に引きこもっている間に一つ季節が移ったらしい。先週末には辛うじて残っていたソメイヨシノ系の一重櫻はすべて葉桜となり,替わって造幣局タイプ(うまくかけんのよ)がもこもこと花盛り。冬の間葉を落としていた木々も芽吹き,気の早いつつじはもう花を咲かせている。


通りがかりの塀の向こうに見える,深緑に柔らかな橙色の花がぽこぽこと付いている植物は一体なんだろうと数日来気になっていたところ,先ほど調べてみたら山吹だった。山吹ってなかなか人目を引く魅力的なヤツ。この季節になると,山吹色は山吹の色で菫色は菫の色という,当たり前のことに気づかされる。たとえ園芸用の改良品種であっても,植物とはなんと色鮮やかなことか。街路や家の軒先は,ポットに所狭しと植えられたチューリップや三色菫でいっぱいいっぱい。


ところで,梅にしてもマグノリア木蓮というか)にしても花水木にしても,白が紅に先んじて咲くような気がするけれど,気のせいかしら。紅の花水木はまだ微かに包の端が見えるだけ。白木蓮はいつのまにか終わってしまったけれど濃い赤紫の花はまだ盛り。椿は意識していなかったから違うかな。白木蓮も椿も,霜が降りると茶色くなる。春の初め,良い天候が続くのを祈るのみ。今年の白木蓮はどれもわりと白かったかな。


似合わないのでこの辺にしておきます。