誰もがそっぽを向くことを承知の上で,

きょうはNHK大河ドラマについて熱く語ってみます(やめとけってば。)。そういえば,こないだ,とある男子に三次元的やおいについて訊かれるままに熱く語ってしまったのだけれど,思いっきり引かれていたな。かなまるは何がどう萌えなのか言葉で説明すべしと言ったけれど,場合によっては説明しない方が(つまり,何も知らず何も分からずのままの方が)幸せではなかろうか。ごめんよ,忘れておくれ。


要するに,出だし好調だった今年の大河ドラマの視聴率も今では14%台ぐらいにまで落ち着いているのだそうだ(最新のはたぶんhttp://www.videor.co.jp/data/ratedata/top10.htm)。この数字はあまり良いものではないらしい(ちなみに初回は26%)。そこで,というか,ちょうど舞台が京に移り話に大きな展開が見られるタイミングだから,というか,折しも番組改編期で新学期だから,というか,てこ入れの為に(?)脚本家と一部出演者が記者会見をしたというのが先週だか先々週だかにニュースになっていた。


今年の大河ドラマが客観的に見ておもしろいかどうかなどと議論するのはナンセンスなので(そんな議論はきっとどこでもされていないことでしょう)ここでは触れませぬ。おもしろいと思う人は見続けているだろうし,最初から興味がない人は最初から見ていないだろうし,見てみたけどおもしろくないと感じた人は今はもう見ていないだろう。


つまり,おもしろいと感じるかどうかはあくまでも個々人の主観的判断。もちろん,世代等のセグメントである程度同一の傾向は見られるとは思う。でも,<日本中のお茶の間で見られているテレビ番組>なんてのは,幻想に過ぎない。それは,別に,テレビ以外の娯楽が普及した今の時代に特徴的なことではなく,昔から幻想だったのだ,とわたしは思う。


確かにね。昔の記憶を辿ると,週に一度,確か水曜日の朝刊に掲載されていた週間視聴率ランキングは,常に第一位が朝ドラ(NHK朝の連続テレビ小説)で第二位が大河ドラマだったよ。お茶の間幻想ね。でも,わたしは,大河ドラマこそ小学校高学年のころには観ていたけれど,わたしの世代なら誰もが幼い頃に観ていたとされがちな「サザエさん」も「ドラえもん」も「8時だヨ 全員集合!」も,子どもの頃一度も見たことがなかった。昭和の終わり頃,まだ<国民的○○>という言葉がかろうじて残っていた時代のこと。家にテレビがなかったわけじゃないし,テレビ番組を殆ど見ない生活を送っていたわけでもない。フジテレビ系とテレビ朝日系(とテレビ東京系)がUHFでわたしたちの居間のテレビでは受信できなかったというのも理由の一つにはなっているかもしれないけれど,そればかりでもないことを知っている。念のため,アニメとバラエティを軽視して排除していたものではない(と推測される)。


視聴率というのは数字は取りざたされるわりに,どういう仕組みではかられているのかについて精確なところはあまり知られていない。かく言うわたしも知らない。無作為抽出された「家庭」のテレビに視聴率チェッカーが取り付けられているとのもっぱらの噂だけれど,単身世帯は含まれているのだろうか。ビデオやHDレコーダに録画して観た場合はどうなるのだろうか。


で,調べてみた。たまには調べてから書かないとね(少しは反省しているらしい)。ビデオリサーチ社Webページ(http://www.videor.co.jp/rating/wh/index.htm等。朝日新聞の紹介記事の方がわかりやすいかも)によると,単身世帯は含むが録画は含まない模様。気になるのは“昼間に電話帳から抽出した家庭に電話をして家にいるところだけしか、当然モニターになってもらえない。”これが本当なら単身世帯は偏ったサンプルになるだろうし,両親共働きの核家族の家庭も対象になりにくいだろう。まさしく,今の大河ドラマをおもしろいと感じそうな世代は外れそう,ということになる(「おもしろいと感じそうな世代」などと根拠もないことを認めつつ書いてみる)。そういえば謎の保険会社さんからは今でもたまにうちに電話があるのだが,そろそろ気づいてくれても良さそうなものだが……。


何が言いたいかというとだね。今年の大河ドラマの脚本家やキャスティングは,その時点でまず高く見積もって60代以上の人間の興味は引きにくいのではないかと,まったくの想像にすぎないけれど,思う(そして実際の芝居も物足りないだろう)。また,よほどの歴史好きでない限り,小学校低学年以下の子どもにとってはやや難しい内容だろう。そこで,大河ドラマを見そうな世代を,<小学校高学年以上,50代以下>,と仮定しよう。


その中で,若い単身世帯については,日曜日の夜8時に必ず自宅のテレビを観るのは,なかなか難しいと思う。日曜の午後に外出していれば,いくら翌日が月曜日で仕事や学校があるから夜遅くまで外でふらふらしてるわけにもいかないと言ったところで,夜8時にテレビの前にいようと思うとかなり意識して早い時間に帰ってこなくては間に合わない。これから日も延びる一方だし。だいいちそこまでがんばって本放送に間に合わせなくても,同じ日の夜10時からBS2で再放送をやっている(こっちの方が衛星なので画像がきれい)。それでも見逃せば,土曜日の午後1時5分からも再放送がある(土曜日の寝坊をこよなく愛す怠惰な人間にはちょうど良い時間帯だ)。そもそもビデオにとっておけばいいんじゃんって話になる。次に,小学校低学年程度の子どもが居て,なおかつ夜8時が家族団らんの時間である家庭では,子どもが理解しにくい番組ということで観ない可能性が高い。但し,子どもといっても夜8時には寝てしまっているあかんぼや幼児は気にしなくていい。


そこまで限定された上で,一体どうやって視聴率が上がるのか。


話は変わるけれど,日曜日の夜8時が本放送の番組を,今のように若い世代向きに制作することそのものに,少し疑問を覚える。若い世代にとっては観たくても見づらい時間帯だ。9時からの日曜劇場や発掘! あるある大事典行列のできる法律相談所などは見やすいけれど。どうも景気が悪くて制作費が限られているのか,今は,NHKの番組の方が(割といろんなジャンルで)民放に比べて質がよいような気がする(幻想かもしれない)。以前は民放が担っていてNHKは手も出せなかった(これも幻想)若い世代市場にNHKが参入してきているような気がする。


しかし,NHKがそれでいいのか。どうせ若い人たちは今時テレビ番組をみたりしないのではないか。それこそ,最初に書いたのとすこし矛盾するが,今はほかの娯楽もたくさんある。おもしろい番組があればまたテレビの前に座るようになるかもしれないが,わざわざそこまでしてやる必要があるのか。わたしは毎週楽しみに大河ドラマを見ているけれど,日曜日の夜8時という早い時間に確実に家にいてNHKの時代物を楽しみにしている人たちから敢えて大河ドラマを取り上げることが果たして正しい選択なのか,疑問に思う。もっとも,今は高齢者だって家に引きこもってNHKをぼんやり観ている時代ではなくなった。もしかすると高齢者の方がよほどフットワークが軽くアウトドア志向かもしれない(たまに平日の昼間に電車に乗るとたくさんの高齢者が乗っているものです。みんな若くて元気だ)。それでも早寝早起き傾向はあると思うので,そのぐらいの時間帯まではせめて高齢者向きにしておいて良いのではないかと,思うのだよねぇ。NHKが若者番組を作るなというのではないが,民放がさっぱり相手にしていないようなので,NHKぐらいはね,と思うんだが。それとも,日曜夜8時に家でテレビを観るのは中年(30代から50代ぐらいかな)の主婦層が実はメインで,若い俳優ばかり起用するのは,そのへんがターゲットだからだったりするのだろうか。むむぅ。


どうでもいいが,リンクはりながら書くと普段の倍かかる。ふぃ〜,疲れた。(23:42)