何気なくテレビのチャンネルを切り替えていたら,

ケーブルテレビの時代劇専門チャンネル大河ドラマ武田信玄」をやっていた。といってもタイトルから見たわけではなく,ちょうどオープニングの最後らへんが映り,曲に聞き覚えがあったので続けて見ていたら中井貴一が出てきて「お館様」などと呼ばれていたので,これは大河ドラマだろう,と。NHKの番組が余所に流れているとは驚き(けっこうたくさんやってるみたいですが)。


今年の大河ドラマが始まる前にキャスティングについて云々されていた掲示板を見たときに見かけた話だと,このドラマで主役の武田信玄を演じた中井貴一は当時26歳だったとか。その掲示板では「中井貴一だって26歳だったけどびしっとしていた」といったニュアンスで書き込まれていたように記憶しているのだけれど(うろ覚えですまんね),


いやぁ〜。それなりじゃないでしょうか。お世辞にも巧いとは……。祖母が「息子はいかん」と言ったのもわからないでもない。父:佐田啓二の芝居を見たことはなく,いつぞや文藝春秋に掲載されていたモノクロの写真一枚限りなのだけれど,その写真はかっこよかったね,って,見た目の話してる場合ではなく。やはり七光り俳優として語られがちだったのにはそれなりの理由があったのではないかな,などと,当時のわたしは推定小学校4年生なので,そんな世の中の評判なんて知っていようはずがないのに何を偉そうに書いているんだか。


余談になるけれど,中井貴一佐藤浩市は同期だか同じぐらいの年齢だかで仲が良いらしいが,父親が大物俳優という点でも共通しているわけですな。違うのは,佐田啓二が若くして亡くなり直接比較されたり同じ作品に出演したりすることがない(できない)ことに対して,三國連太郎佐藤浩市はリアルタイムに親子の確執っちゅぅか,っていうか,この親子にはなぜか「美味しんぼ」実写版を思い出してしまうわたし……。


今日放映されていたのは第6回で,まだ晴信若かりし日々。諏訪攻めの話だったんだけど,主役以外の登場人物や話の筋について,全く記憶のかけらにも残っていなかった。やるな,物忘れキング。


推定小学校4年生だからなぁ。覚えていなくても当然か。所謂伝記も,中学校に上がると読まなくなるしね。戦国知識そのものがほとんど抜け落ちていますな。


中井貴一が若い(尤も顔立ちそのものは今でも変わらない)。セリフ回しも確かに拙いというか。脇を固める俳優陣が(西田敏行以外全く誰だか判別できなかったのだけれど)年配の渋いおじさま達ばかりだから,大河ドラマの物々しい雰囲気ってのは充分に滲み出ているのだけれど。


今年の大河ドラマは,渋いおじさん達が周りにいないからいかんのか? 個人的には土方副長や山南さんや沖田くんあたりは,若いながらも良い感じだと思っているのだけれど,それは若い世代の贔屓目というものだろうか。幕末の主要人物というと,どうしても頭が固いおじさん達には出番が少ないわね。数少ない「渋いおじさん組」で清河八郎と山岡鉄太郎の間に微かに飛び散った火花とか,清河八郎佐々木只三郎の間に飛び散りまくっていた以下同文とかは,かなり大河ドラマっぽかったけど,清河八郎も舞台を降りられましたし。今は佐藤浩市が一人でがんばっているけれど,一人だけだから辛いな。新見錦先生も渋いっつぅよりキモいキャラですし。いずれにしても,こんなことは言いたくはないが,新見錦先生も鴨(佐藤浩市)も退場の音楽がそろそろ流れ始めており,そうなってくるとますます渋い人が少なくなる。でもでも,まだ出てきていない今後の重要人物(キャスト未発表)も,きっと数多くあるのでしょうから,そこは期待してみる。


それはそれとして,何年も経ってから見ると,化粧濃いなぁとか(今の大河ドラマのメイクも充分濃いが),戦国時代物のカツラって髪の毛やたらもっさりだよなあ,とか。髪の量おおすぎやしませんか,あのちびっちゃいポニーテールというかぼんてんのとこ。あと,着物派手ですね。


武家女性の小袖+打ち掛け姿も懐かしいな。今みたいに幕末庶民着物の方が参考にはなりますが。


昔の大河ドラマといえば,「独眼竜政宗」の方をより見てみたい(今年のお正月にやってたみたいですけど,知りませんでしたの)。「新選組!」で,近藤局長が廊下の真ん中を歩き,その後ろに左右に廊下幅いっぱいに広がって土方&山南両副長が並んで歩いている姿(廊下は右側を一列で歩きましょう,と,小学校で習わなかったのだろうか),「水戸黄門」の黄門様と助さん格さんのようでもあるが,或いは「独眼竜政宗」の伊達政宗に従う片倉小十郎と伊達茂実のようにも見えなくもなく,懐かしくなっていた。「新選組!」のは「独眼竜正宗」を狙っているのか,それともトップ一人+トップ下二人だと自然とそういう構図になるだけなのか。(23:19)