昨日の帰りの電車の中で,

わたしが今年の夏休み(と言う名の9月終わりの連休)にカナダに行く,と方々で言いふらしたっきり飛行機の手配もしていない件に話が及んだ。


決意したのが6月の終わりだったか7月の初めだったか,その時はやる気満々だったけれどまだ具体的に動くには早かろうと思って何もしていなかった。気が付けば暦ははや8月。安い切符や乗り継ぎの都合のよい便などを押さえるのなら,既に遅いぐらいじゃなかろうかという気もしつつ,ちかごろ俄然忙しくなってきて,(少なくとも今週末までは)それどころではなくなってきている。


「ツアー?」と聞かれたので,ふるふると首を振る。世の中の常識として,ツアーでなくバラで手配する方が高いだろうと指摘された。しかし,東南アジア方面でよく見られるような,往復チケット+宿泊だけの5日間フリープラン,なんてのは(ほとんど)なくて,カナダ旅行のツアーは普通にツアーぽいのだ。JTBのパンフレットしか見ていないからそう思うのかもしれないけど(JTBってそういう「ツアー」がメインっていうイメージがある,なんとなくですが),そうなると一人で参加するのも楽しさに欠けそうだし,なんだかんだで大がかりになってきて割が良いとはいえ絶対的な価格が高くなる。それに8日間のツアーでも大陸横断するプランが多くって,黙って着いていけば連れて行ってくれるってのはかなり魅力だけど,大陸横断はしんどいなぁ,と。


8日間,10日間といったツアーにその時期に行くとなると,ツアー代金は平然と30万円ぐらいする。そんな話をしたところ,やたら海外旅行ばかりしているように見えるわたくしに対して「貯金してる?」と真顔で訊かれた。ははは。


「『貯金』って,何のことでしょうね。まあ,わたしは別に家買うつもりもないから頭金貯める必要もないし」


そう交わしてみたらば,「結婚資金とか,どうすんの」とさらに攻撃が。「あんなものは紙出せばそれでできるだろう」と苦しい応戦を試みたものの,「どっちかが一人暮らしして家電とか,それを使えるだろうと思ってたら,ちょうど時期が来てどんどん一気に壊れ出すから」と言われた。


敗北。


「いざとなればローンもあるから」ってことでその話はおしまいになったのだが,壊れゆく家電,ねぇ。それって,結婚云々とは関係なく,生活していればいつかはやってくることなわけですよ。一気に買ってるから一気に壊れると一気に買い直さなくてはならなくて,まとまるとけっこうな出費だ。


ソ○ー製品でなくても,タイマーがしっかり仕込まれているらしい。10年ぐらいが一区切りになるのでしょうか。うちの家電(なんせ洗濯機がN○C)にも,その内寿命がやってくるのかしらねぇ。


ところで,真面目な話「貯金」の定義って何だ? 少し前からわたらせさん(id:yasaiさん)のところで所謂独身OLの貯蓄額の話が何度か出ていて(http://d.hatena.ne.jp/yasai/20040802#1091451313),今まさに彼女がアンケートはてなをしてくださっているのだけれど(はてな 独身OLの方に質問します。ズバリ貯金額は? http://www.hatena.ne.jp/1091282823),それに回答しようとしてふと疑問に思ったので,念のためにかなまるに「ねぇねぇ,わたしの貯金って幾ら?」と訊いてみたら,返ってきた答えが,わたしが考えていたのとはだいぶ違っていたのだ。


アンケートの回答を左右するほどの違いではないにしても,認識の差はかなりあった。わたしはかなまるの言った額を素直に飲むことができず,何度も「ほんとに?」と確かめたのだが,彼は自説を曲げなかった(もとより何にしても自説を曲げる人ではないが)。


「銀行の預金口座においてある額の総額=貯金額」とは言えない,ということはわかる。今はお給料が銀行振り込みなので,生活費などの必ず使う(貯金にならない)お金もいったんは普通預金口座に入るからだ。そこから家賃だの水道・電気光熱費だのクレジットカードの決済だのが自動引き落としされ,かつ,食費等の主に現金で支払うお金を引き出している。これらは,引き落とし・引き出しが為されるまでは銀行の預金口座の額には含まれているが,それを貯金とは考えないだろう。


そのような定期的に必ずかかるお金の他に,不定期に娯楽や遊興でも金を使う。この辺りから,貯金額に含めるかどうかが思案のしどころになっていく。週末に飲みに行ったり普段着る為の洋服だのを買ったりするのに使う程度のバッファは貯金に含めずに計上するだろうが(しかしわたしは予算を立てていないのでここで「バッファ」として計上すべき額の見当がつかない),それこそ今度の秋にカナダに行くためにお金を貯めているとしたら,それは貯金に含まれるのか含まれないのか。


わたしが言うのも変だけど,お金というのは究極的には使わないと何の価値も生まないので,貯金するにしても,将来何らかの形で使う(かもしれない)為に貯金しているのだろう。しかし,同じ将来でも“近い”将来に使う予定がたっているものは「貯金額」には含めないように思う。


使用する時期・目的・額が具体的であれば「貯金」には含めず,漠然と「いつか何かに使うかもしれないから貯めておく」のを「貯金」と呼ぶのであろうか。難しいな。


この“近い”将来の定義になるかならないかわからないけれど,銀行の定期預金や郵便局の定額貯金の口座に入れているお金は,わりにあっさり「貯金額」と思えやすい。積み立てはどうかな。貯金かな。「いざ」となれば解約して使うことはできるが,当面は使う予定が無く,貯める(あわよくば増やす)ことを当面の目的として運用しているからだ。


そういう意味で言えば,かなまるが言ったわたしの貯金額は某メインバンクの円定期預金口座に預けている額と等しいので,それをわたしの貯金額と言うのが最も論理的かもしれない(それ以外は常に変動しているからね)。しかし例えばその定期預金が上の方でくまさんが言った「結婚資金」などであった場合はどうなるのだろう。といっても今のわたしの場合,結婚の予定はないのだから「使用時期・目的・額が具体的」なわけではなく,「いつか結婚するかもしれないから」程度になり,これは「貯金」と言っても差し支えないのだろうな。ちなみに言っておきますと,当該定期預金は「結婚資金」のつもりで預けているものではありませんので,念のため。


とまあ,半分バラしてしまったが,電車の中で訊かれた「貯金してる?」の回答は,yesでもありnoでもある。「貯金がある?」という意味の状態の動詞ととらえれば一応yesだが,「給与や賞与からまとまった額を貯蓄に回す」といった動作の意味であればnoだからだ。上の方でもちらっと書いたけれど,わたしはかなりザル会計なので,使わなければ残るしあれば使う。公的機関の3月終わりの「とじひも一括購入」みたいなこともしない代わりに……後者は面白いたとえが思い浮かばない。つまりは突然衣類を買ったり海外旅行に出かけたりといった消費活動もしているということ。


でも,クレジットカード決済という意味での借金はしょっちゅうしているけれど,分割払いを利用したこともないし(ローンを組んだこともないし),知り合い以外から現金を借りたこともないので(知り合いから借りるといっても飲み代とかごはん代とか),今のところ,突発的で不測の事態が発生しない限りは,なんとかやっていっていると考えても良いのではないかと。


ほんというと,保険などの検討はしたほうがいいのだろうとは思っているのだが。何かあったときにはどうにもならんからねぇ。しかし,その辺はまだ子どもだ。


はっ,まさか「貯金」だからって,郵便局の口座の額のことじゃないよね? 銀行は預金だし箪笥も預金とか,そういうネタじゃないよね。(それとも箪笥は貯金だっけ?)