そんな日曜日。
今日の大河ドラマはおもしろかった。こういうどたばたコメディの方が面白いのでしょうか。先週までのいや〜〜な感じはどこへ。ドラマ進行上重要な出来事も起こってはいるわけですが,わたしは45分の内の30分ぐらいは腹を抱えて笑っておりました。笑うことで忘れようと言うのかそれが追悼なのか。
鴨祭り(#25芹沢鴨暗殺)の後もそうだったけど,祭りの後の回というのは,それまでほったらかしにしていたそれ以外の出来事との整合を取る為にどうしても散漫になりがち。そういうときに江戸の奥さんが使われるのも最早パターンと化しておりますが,今回はこれまでの「繋ぎの回」と比べても,わかりやすかったしおもしろかったっす。
こんな感想書いてもどうしようもないのですが。
こういう回は,完全にフィクションと割り切ってやりたい放題。皆さんも今までの鬱憤を晴らすかのように晴れ晴れのびのびとなさっていらっしゃいました。まだ初七日明けたばかりなんですけどね。やっぱり重荷だったんでしょうか,あの方。
まず,近藤局長が新地の太夫を身請けするのに伏見の寺田屋を使うというのが,どう考えても「ありえねぇ」わけですよ。伏見なのはわかる。が,なんで長州方の人々が潜伏しているところを使うか。「ついでに様子もさぐっとけ」という戦略があるようにはとても見えませんし寺田屋の女将さんも親切過ぎる。
しかし,この際そんなことはどうでもいい。お話ですから。喜劇ですから。最初から最後まで「ありえねぇ」のみで構成されているといってもいいわけですよ。いやもう。
オープニングテロップで「(回想)」付でなく山南さんの名前が出てきたときには些か驚きましたが,終始お笑い仕立てにしていながらも背後に一本,山南さんで筋を通している。「居場所を見つけました」と千葉道場を出て試衛館の門を叩いた山南さんに果たして試衛館で居場所があったのかどうかはさて置いて,こうして人々の心に残ったのだからあんたはずるいよ,と。
といってもまだ初七日が明けたばかりなわけで,それにしちゃみんな元気過ぎやしねぇか,とも思うのですが,そんなことも気にしてはいけません。フィクションですから。そして新八さん,どさくさにまぎれて小常さんを身請けした模様。本人おっさんくさい言語センスでドリーマーになってましたが,要はサノの言うとおり,友人が亡くなったからその女を手込めにしているだけじゃないか,と。悪いとは言いませんよ。時代を感じさせるなぁ,と。小常ちゃんも芸者さんだか女郎さんだかやってはったわけで,それ以外で生きていくなら男を頼るしかない時代なのかと。ああ,お多福のおまさちゃんみたいに喫茶店を経営するような生き方もありますが。
で,それら色々面白かったわけですが,そして寺田屋における真骨頂とも言えるどたばたメインはメインとして,今日はあれでしょう。わたくしは文字を大にして書きたい(しないけど)。
斎藤さんが,かわいすぎるんですけど。
なんなんでしょうか,あの方は。もう筆舌に尽くしがたいです。困った物です。全くわたくしの力量では彼のかわいらしさを書けないので読んでいる人にとってはわけがわからないでしょう。でもとにかく今日の主役は彼です。一人で浚っています。そしてこれまでの34回の内,一番かわいいといっても過言ではないでしょう。部屋の隅で羽織の紐をいじいじといじり倒しているのは大の大人のすることではありませんよ,それも「俺の所為だ」って。あははー。間が悪い。しかも,自分が良いことをしたと思っていたのが裏目に出たんだから,何の気なしにしたことよりも落ち込みは激しいよねぇ。けけけ。
斎藤さん,つねちゃんの前では常ににこにこだ。一目見たときからにこぱぁっと笑ったために,つねちゃんが斎藤さんを認識できなかったぐらいだ。あんたはいつ表情を覚えたのかというぐらいにこにこだ。どうやら近藤先生だけでなく近藤夫妻のことが好きだったらしい。
「あ,ごしゅじんさまのおくがたさまだ」とまずしっぽを振って飛びつく。しかし怪訝な顔をされてちょっとおろおろ。そこで他の人にフォローされて思い出してもらえてまたしっぽぱたぱた。うきうきしながら犬小屋に戻って大急ぎでお財布をひっくり返して,またしっぽ振って走って戻って,「こないだ貸してもらった5両,お返しします!」にこにこ,ぱたぱた。
「や〜,2年以上も前のことなんで,もういいっす」「でも,返さないと! ほら! ぼく,おてあてもらえるようになったんです。更正したんです。見てみて,貰って!」にこにこ。……なんなんだよ。
それに続くあのいじけぶりは,斎藤さんも沖田くん・平助くん並のお子様だからでしょうか。
鼻血たらしてるオニにも一票。
10時からの再放送も見るよ! ビデオ取ろうかなぁ。山南さん最後をつぶして(ぉ)。(21:32)
<訂正>
小常さん,女郎さんじゃなくて芸者さんだった。うう。それに芸者さんは身請けとは言わないような。お詫びして訂正。