22:12 お茶入れた。


今日は所用(のつもりだったが達成できず)で午後7時には駅に着いていた。そこからちんたら買い物をしてちんたら歩いて,それでも7時半過ぎには家に着いていたのではないだろうか。食事の用意(器に入れて電子レンジで温めるだけ)をして夕食を食べつつ月曜恒例「浮遊研究室」などを見ているだけで小一時間かかったのか。でもまぁそんなものかな。読むスピード遅い方だし。


それぐらいの時間に帰るなら夕食を作ってもよいのだが,お腹が空いていたのと時間がなかったのと。だってもう10時回ってますから。出来合いのメンチカツで正解なわけですよ。食べた後ほったらかしにしていた食器がどうにも油臭くてさっき片づけたけど(←さっきなのか)。


斯様に,幾つかの事柄を切り捨てながら,それでもパームレストの熱で火傷を負いそうな(誇張気味)キーボードに向かうわけです。腰に悪そう。肩凝りそう(肩に関しては“そう”じゃないから。凝ってるから)。


というわけで続きです。


今回の本筋,サブタイトル通りの「観柳斎,転落」については,番組を見終わった後思わず(そんなことをすることはまず滅多にないのに)知人に携帯電話メールを送信してしまったぐらいの衝撃だった。その衝撃自体は,わたしがわざわざここで書くほどのことでもない。「かつて観柳斎(のキャラ)にこれほど救いが与えられたことがあっただろうか」という驚きと,観柳斎に対する共感(同情か)から来たしんみりの2つだ。


しかし,よくよく考えてみると,それ以外にも要素がある。文章として構成できそうな気がしないので箇条書き気味にさせていただく。そうそう,これだけ長ったらしく感想を書いているからと言って,こまでの全放映回の内で最も感動したとか,これまでの全放映回の内で最もよくできていると感じたとか,まして,今までで一番気に入ったエピソードだったとかではない。単に書いてみようとしているだけのことなんで,その辺は誤解無きよう(じゃぁ一番はどれ? と訊かないように。1年も続くドラマの1回1回なんてとても覚えていられないもので,もとより感動も評価もしないタチなんで順位付けはありません)。


1:条件反射のように保身に走る観柳斎の姿が自分と重なってしまって,ちょっと感情移入


2:アヴァンタイトルから最後の最後までひたすらわたしをミスリードしその度に裏切り続けた展開及び演出に,完敗


3:武士を扱っていながら切腹以外に記号的な武士らしさを描いてこなかったこのドラマで戦国時代みたいなサムライっぷりを用意されたのがよりによって(頭脳労働担当の)観柳斎という意外性にむむぅ(言語化不能)。


4:観柳斎ってやっぱりショムニの人事課の人(人事部長じゃない方)にそっくりだったよなぁ(しんみり)


5:現実にはああいった不幸な偶然が重なることは幾らでもあるだろうが,ドラマとしてはかなりぎりぎり(つまり結構不自然)な(無理した感の)ある部分も見られ,


6:ただ,それを「ちょっとご都合主義的な展開じゃないの,それ」と感じてしまうのは,わたしが個人的にあの場面で観柳斎に肩入れをしてしまったからなんだろうな


と,要約すればそんなところか。


1について。観柳斎とわたしとでは性格上異なる部分の方が多いのでそこまで同情なり同化なりはしなかったが,わたしは,自分で自覚している欠点の1つに「自分に都合が悪そうな展開になるとしらばくれたりすぐにばれる嘘や言い訳やその場しのぎの小手先技を繰り出してしまう」というのがある。すぐにばれるからその場ですぐに切り替えされて大変バツの悪い思いをする。そればかりでなく,言い逃れようとしたことが余計に相手の心証を損ねてしまう。んでもって,怒られる(とか事態が一層ややこしくなる)こともしばしばである。しんどい記憶は忘れるようにしているので具体例は思い出せないが,そんなことが過去に幾つもあったし,この先もついしてしまうだろう。治さなきゃとは思うのだが,口が勝手に滑り出すのだ(本当に)。真っ先に「ごめんなさい」と言う方がなんぼかいいのに。言い訳にならないような言い訳をするよりもまず誤るのが一番初めにすることなのに。そんなところがね。


と,ここまで書いて観柳斎にそんなシーン(エピソード)があったか,今ひとつ記憶が定かでないのだが。強いて言えば,新選組勘定方河合きーちゃんを死に追いやった場面や,今回の若い隊士達の集団自死の場面になるだろうか。


2について。これは見ているこちらが,フィクションであることが分かり切っている筈のドラマに対して勝手に先入観を抱いているのが悪い,という話もあるのだが。ただ,今回この「思わせぶり→裏切り」展開は観柳斎に纏わる縦糸だけでなく,坂本龍馬やどこぞのおなごに纏わるエピソード部分にも使われていて,意図的且つ徹底的であった。


一つ一つ挙げていくとドラマのストーリーの詳細を紹介することになるので割愛してしまおうかな。一つだけ,アヴァンタイトル(オープニングのウタノマエ)から騙されたというのは,「そこに(中略)武田観柳斎の名前を見つけることはできない」というナレーションに対して「そうか,死んだ後だから観柳斎の名前はなかったのか。そして,本編ではこの少し前に起きた観柳斎の死に様を描くんだな」と決めてかかってしまったと。でも,実際の理由は“それより前に死んでいたから”ではない(みたい)だった。


あとは,わたしは新選組関連書籍類を殆ど手にしたことがないくせに(特に創作は皆無と言って過言でない),“武田観柳斎は上にはこびへつらい下にはえばりちらす性格の為ヒラの隊士からの評判は極めて悪く,また時代の流れによって彼の知識が旧式で無用のものとなるに従って,次第に隊内で疎んじられる存在となり,とうとう薩摩との内通が発覚し近藤・土方らによって闇討ちの形で処断された”というどこで読んだのかわからんがそういったのを頭から信じていたので,つまり観柳斎の改心とか観柳斎にも五分の魂とか,これっぽっちも予測していなかったものだから,(これはどこの感想サイトでも比較的率が高く言及されていることであるが)夜中に屯所を抜け出す観柳斎は薩摩藩邸に行こうとしているのだと思ったし,沖田に見つかった後の沖田とのやりとりもその場しのぎの嘘ではないかと疑ったし,だから,(以下ネタばれもいいとこですが)「ここでは死ねん!」と言って下手人どもに突っ込んでいったその瞬間までわたしは彼を信用していなかった。ただ,刀を抜いて前に出たあの場面すら,袋小路になっていて前に出るしかなかったから出て行ったのであって,そうでなければ逃げようとしたんじゃないかと未だに思っているんだけど(でも,薩摩宛の貢ぎ物は持っていなかった様子。懐にも入ってなかったみたいだね。だから薩摩藩邸に行こうとしていたという設定ではないんだよね,本当に)。


時に,「歴史上実際に起こった出来事は如何なるものか」まして「何故・どのような経緯でそれが起きたか」なんてのは,時間が経てば経つほどわからなくなっていくものだ。例えばわたしは1週間前の食事の内容を既にあまり覚えていない(わたしを含め誰一人としてわたしの先週月曜日の食事内容に興味関心を抱かないからそれで困らないのだ。夕食は牛角でしたね)。


というわけで,今回のアヴァンタイトルで使われた前フリ用エピソード「そこに武田観柳斎の名前を見つけることはできない」理由について,ドラマの本編で語られた理由はドラマオリジナルじゃないかと思うけれど,スタンダードな解釈ってのはあるのかしら。おそらく以前本で読んではいるのだろうけれど,それこそ先週の食事以上に記憶にない(ので,前に書いたように「死んだ後だったから名前がなかったのね」と考えてしまったんだけどね)。


3について。上で少し書いた,背後から斬りつけられた観柳斎が自分の刀を抜いて「近藤局長にいただいた命,ここでは死ねん!」と4人連れの連中の真っ正面から突っ込んでいったシーンは,映画「ラストサムライ」や「壬生義士伝」を彷彿とさせた。


今年の大河ドラマは,チャンバラのシーンが少ない。また,主要人物がチャンバラで命を落とすことも少ない。


切腹だけではサムライドラマっぽくないということではないのだが,耳にたこができるほど「武士」「武士」いうてる割に武士らしい感じのしないドラマの中で,小競り合いはあっても戦いの場面は少ないドラマの中で,戦いの場を与えられたのがよりによって剣は弱い軍師武田観柳斎だったというのが,意図的なものだとしたら,なかなか。


また,その戦いの場を直接チャンバラシーンとしては描かなかったことで,彼があっさり(それこそ谷三十郎みたいに)切り捨てられたのではなく,4人を向こうに力の限り戦ったことだろうと,こっちが想像する余地を残した。つまり,実際には(彼の腕前では)戦いにもならなかったのかもしれないけれど,わたしの想像の中で,彼は戦いの場で散ったのだ,と。それも,新選組歴代幹部の中で(ここまででは)稀な存在として。


そうだ。運動音痴でチビなところも,似ていますね,わたくし。


……精神力の限界です。だめだー。書けねー。電話中断の後テレビを点けたのがあかんかったか。全く手が付けられなくなったので,この辺で。4以降は気が向けば明日以降。でももう満足さ。要点は出してるし,いいでしょう(アブストラクトが先で本文のない論文なんて論外だろうが論文じゃないもんね)


夕食もそこそこに平日の夜に仕事でもないのに4時間エディタに(同じネタで)向かうなんてのは1年に1度が限度だな。量としては,1週間かけて毎日ちょこちょこ書き続けられればちょうどのよいのだろうが,飽きっぽい(というかすぐ満足する)わたしには無理。いやもう。毎回きちんとレビューや感想を書いていらっしゃる方をほんとに尊敬いたします。退散(しっぽ巻いて)。


んで,おおにしくんから(添付ファイル付で)指摘メールまでいただいたんでサーバのファイルのメンテを……しくしく。