昨日の日記で「省略」と書いた後


どこからともなく省略を惜しむ声が聞こえてきた気がしたのだがおそらく空耳だろう。夜中には少しやる気になりかけていたのだが,こういうのを見ると,思い切り萎えるのが人情ってもんじゃないか。すげーよ。ほんとに。みんなすげーよ。脱帽だよ天晴れだよ。今回わたくしはあまりにぽこぽこ支離滅裂な感想を持ちすぎたために,それを文章に落とそうとすると膨大な時間と労力がかかるだろうことが予測できたから昨日のところは回避したのだが,結局頭の中をぐるぐるしてしまって(或いは夜になってコーヒーだの抹茶ミルクだのを飲んだ所為かもしれないが)朝4時過ぎまで寝付けなかったのに(電気を消したのが何時かは訊かないように)。


という前振りで,#41「観柳斎,転落」の感想書きます(萎えてますけど,そのつもりで今日は重いJORNADA持ち歩いたんだから書かないままだと悔しい。帰りの電車しか使わなかったから何の足しにもなってないんですけどさ)。現在20:53。さて,何時までかかるかな(中断込みで)。ごく一部の方(推定2名,いいとこ3名)を除いて面白くもなんともない内容であることを保証しますので(すまんが,観ていない人にまで分かるように書くだけの余裕がなさそうなのだよ),今日の日記はこれ以降はないものとお考えください。それでは皆様ごきげんようさようなら(野球の中継みたいだな。地上波の地方局の延長は21:24までで,その後ラジオとかCSとかだけが放送続行するのな)。


で,まずは,本筋とは全く関係ないながら,今回の一番の(萌え)ポイントだった斎藤さんの


「伊東先生がお待ちです」


ぐはぁ。テレビで見たときに,ちらっと「お,かっこいいかも」と頭をかすめたのだが,その後id:Asagiさんが「すっごい新鮮なフレーズ!」と書いていらしたのを偶然読んで,机(仮想)をばんばん叩いて首を縦方向にぶんぶん振って「そうなの,そうなの!」と(心の中で)叫んでしまったことよ。


何故なんでしょうね(フィルタがかかっているだけなんですけどね)。


腐女子というものは,と一般化するのは問題だろうから自分のことに限定するけれど,わたしは時折,妙に主従モノ(←モノって……)に萌え〜な匂いを感じ取ってしまうことがある。別に変な(そっち方向の)意味に限らず。それもどちらかといえば従者の方のストイックさに萌え〜となるんだけど,これは制服萌えと同じものだと思う。


思えば斎藤さんは,新選組当初から隊内(試衛館組内)に於いてある面ではストイックで忠実な部下の立ち位置を保持していたわけだが,試衛館組の中で主たるべき個人が特定されていない。設定上(というかドラマの経緯上)は近藤局長に恩義を感じて彼の為に力を尽くそうとしているが,実際に彼に命を下すのは局長直々ではなく副長の方が多い。新選組が組織である以上ただ一人のトップによる完全トップダウン方式にはならない(ほうがいい)ことも,近藤と土方のキャラもとい役割分担があることもわかってはいるが,先の主従萌えに限って言えば,主たるべきものの姿が曖昧であると関係性も曖昧になってしまうことは否めない。


そこで今回,高台寺党(=新選組から分離した御陵衛士グループ←一応不要な解説を試みているらしい)に入って,初めて「主」が伊東かっしーという一個人に明確に限定された為に,伊東かっしーの部下然として振る舞う「伊東先生がお待ちです」と言ってすっと障子を開ける仕草に,萌え〜となってしまったのだろう。


いやはや。ドラマ内では描かれることのない伊東と斎藤のやりとり(及びその場の空気)に対していろいろと想像力を刺戟されるものであった。言い換えれば妄想をたくましくされるのであるが,別に変な意味ではない。


それに関連して,前述のid:Asagi氏の記述に於ける「御陵衛士に入る時点での伊東と斎藤のやり取りがぜひ見たかった」の一文に“うごぉぉぉ”と悶えてしまう(単純)。前回放映分を見たときには,“へーすけがこれだけみんなとの別れの時間をたっぷりと取って惜しまれて去っていくのに,斎藤さんにはなんもなしだと,斎藤さんがスパイであることがかっしーにバレバレなんじゃないの?”,とか,そういういらん心配だけをしていたのだが,指摘されてみれば確かに,一度は無碍に断った御陵衛士グループ加盟話について,いったいどうやって乗り気になった振りをしたのか,どうやって自分から持ちかけたのか,あの芝居の下手な斎藤さんが,と,そっちも気になる。一体どんな方便を使ったのやら(かっしーのことだから嘘と見抜いても迎え入れそうだが)。そして,政治上かなり重要且つ要隠密行動の部類に入ると思われる伊東と坂本龍馬との密会の場に,伊東右腕の加納さんではなく,藤堂・斎藤という面子を率いて赴く,その重用のされかたはどうなんだろう。(あぁ,でも,あの場面は夜中にこっそり出歩くのにナンバー2を連れて仰々しくしては目立つし,物騒なご時世夜道を歩くのに夜目の利きそうで腕の立ちそうな斎藤さんは用心棒には適任か。納得。)


いずれにしても。伊東と斎藤が絡む場面は今まであまり見られなかったが,望む/望まないに関わらず本心を人には見せない2人が上辺だけで仲間ごっこをしている絵というのは,なんちゅぅか,えぇ,まぁ。ただ,これは,わたしの頭の中で,斎藤さんを近藤先生にしっぽを振るわんこたんではなくもう少しクールな策略家に補完して見ているようですね。そして,ドラマで実際にそんなおいしいやりとりが描かれることもあまり期待できない。前の「御陵衛士に入る時点での伊東と斎藤のやり取り」もそうだし,島原居連事件の後の斎藤と土方のやり取りも,あれだけですか,と少し寂しくもあったし(そんなの期待しているのはわたしだけか),何より,今回の本筋であった武田観柳斎暗殺の一件では,わたしはてっきり斎藤さんが下手人になると思い込んでいたもので,結果的は予想を良い方に裏切られて大変面白い回ではあったのだけれど(わたしが知っている話通りだと1話分引っ張るには足らないので,観柳斎は谷三十郎のようにあっさりとワンシーン・長くて3分ぐらいで斬られて退場となるのではないかと読んでいた),それはそれとして,夜道を肩を並べて歩く武田観柳斎と斎藤さん−−自称(土方曰くだったか)見送り兼用心棒の斎藤は月夜の明るさを嫌いながら一太刀浴びせる機を窺い,一方の観柳斎もまたいつ斬られるか冷や汗を垂らしながらしかし逃げることもできずただ歩くしかない,緊張感というのは,絵ヅラとして些か期待していた面がないといったら嘘になる。


「このドラマであのシーンを見たかったのに,そのシーンがなかった」という期待はずれは,何年分かを45分×49回に縮めて描く以上幾らでも起こりうるわけで,それを言い出すと切りがない。わたしはもとからあまり期待していないので(悪い意味ではなく,期待するだけの事前知識がないという意味)そのような期待はずれ感は滅多にないのだけれど,いっぱい期待はずれが続いている人もいるだろうし,でも数の多寡の問題ではないからね。と,わかっているのについ書いてしまう(呑んでいるわけでもないのに)。


21:50。観柳斎の話,行きましょうか。(その前に夕食の食器を片づけてお茶でも……)