まとめる気はない。


http://d.hatena.ne.jp/dhalmel/20070412/1176383286を拝見して。


分社化経営時代/廃部スパイラルといえば,テーマとは全く関係ないのだろうけれど,実業団リーグ→V1リーグにいたNECホームエレクトロニクスの会社はグループ会社っぽかった。未確認。いかんせん製造業とのかかわりが薄い仕事をしているので製造業界の会社組織に疎い(大企業の動向ぐらいは社会人の一般常識の範疇だなんて言わないで)。同業他社の情報にも疎いが。あそこのチームは「廃部」というか,まあ,廃部なんだけど,スポーツ部門が邪魔(採算が取れないとか)になって切り捨てられるケース以外にも,所属している事業部門そのものが,大きな企業グループ全体のとても高いところでの意志決定でもってなくなることもあるし,そしたらチームは当然連座するしっていう例だわね,と久しぶりに思い出した(一年ぶりぐらい)。チームがあったことも廃部になったこともすべて事後に知ったので,決定どころか施行(?)の順序すら知らないのだから以上のことは勝手に推測しているだけなんだけど。


女子は,そのスパイラルのころに有名強豪老舗チームの廃部が相次ぎ,世間を震撼させた。幸いにもいくつかのチームの全体移籍が実現したこともあり,女子リーグそのものは高水準で維持できているように見うけられるが(女子は観ないのでぷ中位〜下位層以下のチームがどうなっているのかはよく分かっていない。やはり減っているのかしら),日立,ユニチカ東洋紡イトーヨーカドー。ファイナルラウンド進出メンツと言われてもすんなり頷けそうなチームが,今はひとつもない。


一方男子は,一般人でも知っているチーム名が(リーグ自体の知名度が低いために)少ないこともあるが,2002年ごろのスパイラル期になくなったチームは,女子と違ってレベル的にはぷ中・下位〜ちゃ上位のちょうど中堅どころに多かった気がする。クラブ化した新日鐵は外して考えると,Vリーグ(1部)にいてなくなったのが,富士フイルム,NTT,日立国分(この2チームは行き来していた)といずれも晩年は下位が定位置だった。V1男子10チームの下位半分を支えていたうちの残りの一つ旭化成も,スパイラルを逃れたあと2006年をもって廃部(?)になった。景気が悪かった時代背景に加えてチーム成績も振るわなかったことが廃部に繋がったと考えると,強いのになくなっちゃった女子よりはずっと理解しやすい面はある。そして,弱い→予算少ない→良い選手を集めにくい→強くならない→→→スパイラルに陥っていたチームを丸ごと買ってやろうという動きはついに見られず,全体移籍したチームもない。


そもそも男子の廃部ブームは2002年スパイラルより早くに一度来ていて,Vリーグの過去の記録を見ていると,わたしが主体的に観るようになる前に頻繁に記録を残しているそれなりのチーム(住友金属etc。実業団も入れればNKK,日新製鋼etc)がばたばたっと廃部になっているようすが窺える。一度スパイラルった後のスパイラルだから,救済の体力ももうないのかもしれない。


さて,チームの休廃部とリーグ(言い換えれば,学校を出たあともプレーを続ける日本人選手)のレベルの相関関係は,弱そうに思えてけっこう強そうだ。上位チームが抜ければ下位チームに良い選手が流れてそのチームが強くなっておしまい,というふうにはうまくはいかないらしい。チームの数が減ってもすぐに選手の数が減るわけじゃなし,少数精鋭化で強くなってもいいところだがそんなことにはならない。


今の(少し前からの)Vぷリーグ男子の,哀しいまでの上・中位/下位較差は,そのへんに原因の一端があるのは明らかだ。女子とちがってチーム全体移籍のないまま廃部したし,所属していた選手がそのまま引退して会社に残るケースも女子より多かったため,単に競技界から多数の優秀な競技者が減るだけとなり「移籍した先のほかのチームが強くなっておしまい」にならなかった。スパイラル時,他チームが協定でも結んだのか各チーム2〜3名づつ移籍していったが,実力はじゅうぶんにありながらも引退した選手もたくさんいた。スポーツ分野でトップクラスの力を持っていることを武器に有名企業に就職した男子会社員の選ぶ道として,けして悪くも間違ってもいないので,どうすることもできないし,中には現役続行を望みながらも移籍先のなかった選手もあるだろう(当時は今よりも選手の移籍が頻繁でなかった)。


今後世代が変われば解消されるかというと,こんどはどうやら別の問題もあるようだ。先頃,地域リーグとちゃリーグの入れ替え戦がなくなるのなくならないのといった話が出ていたが,所属する機構の違いやら,リーグ戦の期間やら規模やら,Vリーグではよほどの体力(=お金)がないとやっていけないから,そこまでを望まない(目指さない)チーム母体というのは当然あるだろうし,そうなってくると,どうなんだろうねえ。下部チームに優秀な選手が集まって,っていう話にはならんわな。大学卒業した当初はともかく,その後の練習時間やらやらで差は出ちゃうだろう。また,良いチーム良いライバルの中でしのぎを削ることによって個々のレベルアップがより一層はかられるものであるとするならば,最初から少数精鋭の小さなパイを目指してそれを維持するよりも,大勢の中でひしめき合った結果のトップ層のほうが,ゆくゆくはよりレベルが高くなるとも考えられる。つまりパイは大きい方が,裾野は広い方が,良い選手が出てくるという考え方。そもそもある程度の知名度と人気と受け皿を保持しておかなければ,潜在的競技者予備軍が子どもの頃に別の競技を選択するだろう。


といったようなことをここ何年も,なんのソースもなしにうだうだ決めつけて思いこんで,NECスポーツが黒字を出していたことにはかなりの驚きを覚え,目から鱗が落ちた。そうだよ黒字を出せばいいんだよ。福利厚生費と割り切らず(諦めず),それで商売すればいいんだよ。福利厚生は不景気には厳しいわな。仮に黒方向に行かないにしても,せめて広告宣伝費ぐらいには思ってほしいし扱ってほしい,かも。


企業チームだから100%おんぶにだっこ,ってのは思いこみだなあ。


企業色の強いチームは,一外部ファンとして居心地の悪いときもある。たとえば単独チーム扱いではないファンクラブもそうだし,近年まで選手名をコールしなかった青ロケの応援の仕方もそうだし(好プレーがあっても企業名をコールしていた。贔屓選手が好プレーをしたときなど寂しい気持ちであったが,会社関係者の立場からは単純で選手に疎くても応援しやすく身内感が高まって熱も入りやすい良いコール方式だろう)。しかし,大きな関連会社を持つ大きな企業グループであればあるほど,関係する人間の数が多いのだから,ほっといても大差ない一般ファンはおいておいて(ファンサービスの質で好きなチームを決めはしないだろう),自社自グループの愛社精神に訴える或いは愛社精神を訴えるツールとして使ってびよびよとファンを拡大していくという方法は悪くないだろう。その上で地元密着なりといったこともできればなお盤石だろう。男子バレーに限って言えば,婦女子ばかりにファンが偏ると競技者人口の増加に直接貢献しないので,家族みんなで,男の子も観にくるのが理想ではあってね。自分のことは棚に上げてね。