買って読んだ本


買ったのは日曜日のこと。帰りにふらっと書店に寄ったら,深沢梨絵の新刊が出ていて我が目を疑ってしまったので。1冊だけ買っても良かったんだけど,読んでみずとも蛇の生殺し作品であろうことは薄々想像がついたので,すかっと爽やか作品とセット購入を目論見,読む順番はなぜか逆になってしまった。


DOG DAYS ~犯罪心理分析官の受難~ (ラヴァーズ文庫)

DOG DAYS ~犯罪心理分析官の受難~ (ラヴァーズ文庫)


気が向いたらで細々と続けている,未読作家未読レーベルを適当に買って読むキャンペーン。好みの傾向もわかってきたので触手が動かないものに無理矢理手を出すことはしないけれど,それでもざくざく未開拓の漁場が残っている。


竹書房という時点でふだんの守備範囲外の雰囲気満点,帯の黒地に深紅の薔薇というデザインにびびる。


幸い恐れていたようなことはなく全く厳しい感じではありませんでしたが,残念ながら求めていた「すかっと爽やか」ではなく,これはこれで蛇の生殺しだった。


ジャンル自体はポピュラーな謎解き系で刑事さんたちコンビ(?)が殺人事件の謎を解く,という展開なんだけど,主人公が(独白で)よう喋る喋る。設定に一ひねりあって,登場人物がみんな一癖あって性格が悪いのがポイント。あと,ほんのり漂ってるのかどうかも分からない程度のリバの予感にリバ原理主義者としては,さて,どうしたものか,と。


本筋のストーリー自体は完結しているし,とくに続き物とも書いてないのですが,この話はこれで終わりなのでしょうか。BL的な意味では風呂敷広げたままだし伏線っぽいものもあるので,続きが出るんだろうかなあ。


一話で完結した作品を読みたかったので,その点(と,あと,続くのかどうかがはっきりしないところが)読後のさっぱりさがなくてちょっと不満足なんだけど,続きが出れば買うでしょう。


悩める助祭の緑の季節 (講談社X文庫ホワイトハート)

悩める助祭の緑の季節 (講談社X文庫ホワイトハート)


9年ぶりの新刊で,裏表紙見返しの既刊案内にも他の作品名は書かれていない(おそらく全て絶版だからだろう)。


なのに,興味本位でホワイトハートの公式サイトに行ってみたら,今月の新刊(3冊)の中で最も大きな扱いを受けているという不思議。


キャラの性格設定や関係性は,『本気で欲しけりゃモノにしろ!』シリーズの2人を彷彿とさせるものがある。プラトニックでピュアで,おまけに輪を掛けてストイック。


いいなあ。


恋模様が気になるけど,安易に恋愛に堕ちてほしくないというのもあるし,それでも堕ちるところを見たい気持ちもあるし,でもそこでそっちに行っちゃおしまいだろうと思うし。


このじれったさや行き場のなさがこの人の真骨頂だと思っているので,マゾヒスティックじゃないとついていけない。わかりやすくハッピー(またはわかりやすくアンハッピー)な展開を期待してはいけない。


ところで,この作品の背表紙の地は緑。よくわかっていないのだけれど,紫だとBLで緑だとBLではないんだとか。「BL作品ってこういうもの」というイメージは人によって異なるとは思うのだけれど,たしかに,今時のBLイメージで以てBL作品を期待して買い求めたらがっかりする部分もあるかもしれない。


でもBLとBLじゃないのの違いってなんだ? 何を期待して買い求めるんだ?


ジャンル細分化的な話にもつながるなかなか難しい話だなあ,と思った。だって確かに恋愛要素は明示されているもの。


とうだうだ思っていたら,来月の新刊案内に柏枝真郷氏の「ホーリー・アップル」シリーズが予告されていたので月末が楽しみ。ちなみにこちらは紫囲み。ますますよくわからない。