700km珍道中,或いは紫色じゃない紫の対決。
そんなわけで,長岡に行ってきた。関越道の湯沢より先は初めて。電車でも,越後湯沢からはくたかに乗り換えて富山に抜けたことはあったが,湯沢以北の地上に降り立ったのは初めて。
日曜の試合開始は9時半。会場は長岡駅すぐだったので早朝に家を出れば日帰りも可能だったが,土曜日に関東の試合が終わってから移動し,前泊した。
腹づもりをぶっちゃけてしまうと,初日の第1試合で新潟が負けたのは想定外だった。新潟×長野を見積もっていたので。だって,新潟は去年の本大会の準優勝チームですよ。初戦で東京を破った。そのときから基本的にメンバーも変わっていない。新潟教員クラブにふるさと選手を交えたと思われるスペシャル新潟。国体でしか見られないスペシャル新潟。去年の岐阜国体,すごく強くて楽しいチームだった。沼田さんのサーブ。男前の澤田主将。飯塚・溝口のヴェルディ組,後にヴェルディに入った根布屋さんと上村君@コクシっ子。
どう考えても強いだろう。石川や富山がどんなチームかはわからないけれど,そう思っていた。
そして左の山で勝ち上がってくる見込みが高い長野がまた,スペシャルな選抜チームだった。現役大学生ふるさと選手目当て的にも,関東の大学のOB目当て的にも。
その対戦,見たいじゃないか。
ということで,観戦の算段をした。関東が土曜日1日で決着する日程だったのが今回に限っては都合良かった。北信越は5セットマッチだったことも「1試合だけでも,まあ,行ってもいいかな」と後押しした。
したら,土曜日しょっぱな石川が新潟にストレートで勝ったって言うじゃない。
このところ北信越はずーーっと新潟が出ていたらしく,他チームが打倒新潟に燃えていたのかな。関東のように開催地に有利な決定方式ではないようで,新潟にとって厳しいトーナメントでもあった。これが関東なら長野と新潟は逆になりそうだ。
新潟見られないんだ,というショックは小さくなかった。が,かわりに何かの可能性が浮上した。
大塚さんと新さんの対決(きらーん)
石川は続く富山との対戦にも勝って,決勝に駒を進めた。長野も福井に勝ち,決勝戦は石川対長野。
高3のインハイ以来の対戦なのだそうだ。チームメイトになってからは初めての,そして最後の対戦。この先公式戦で対戦することも,もしかしたらもうないかもしれない。
帰りがけに「すっかりめいじのひとだね」と言われたけれど,そんなことはない。全力で全方位キャーキャーのスタンスは変わらない。
ですよ。でもね。だからこそ,かな。
外から見ていて2人ともそれぞれに飄々としたところがあるから,4年いっしょだったチームメイト同士の対戦だからって特段どうってことはないんだけど,見る側はそこに勝手にいろんなものをのっけてしまう。熱い何かとか青春の何か,というよりは「(・∀・)ニヤニヤ」の類のそれ。
ふるさと選手として呼ばれてチームに入っているわけだから,チーム内で若い方だし,けしてそれぞれ「の」チームの対戦というわけではない。
だから,試合は試合として楽しかった。別に彼らだけを観に行っていたわけでもないし彼らだけを見ていたわけでもないし。
ふつーに試合してるのよ。でも,かわいかった。おもしろかった。
いっとき新さんがサーブで大塚さん狙い打ちしていた。たまたま大塚さんが真ん中でレシーブするローテーションだったというのはあるんだけど,ただそれだけのことでもおかしかった。前衛で2ローテぐらい一緒になる。大塚さんレフト。新さんライト。マッチアップしますわね,ネット越しにね。
だいたい前衛で一緒になってる間は,サーブ待ちのときにしょっちゅうちまちま喋ってたんだけど,後半のどこかでいよいよ新さんがブロックで大塚さんを止めたあとの,やけに嬉しそうなガッツポーズにはおかしすぎて吹き出しそうだった。
たのしい。
試合が終わって,整列して,ネットの下で握手。並び順は全然違っていたんだけど,それぞれの正面の選手と握手したあと,ふたりで寄ってって握手した。そのあとはまたチームメイトに戻って,なにやら話しながらアリーナの外に出ていった。
勝手にいろんなものをのっけてしまうんですよ。4年生の秋がやってくる。
長岡行ってよかった。そこでしか見られないものを見られた。連れてってくださってありがとうございました。