2016年度関東大学春季リーグ男子1部・9日目


日体大横浜健志台キャンパス


バダイのキャンパスに足を踏み入れたのは昨秋のリーグ戦以来だったわけですが,体育館入り口前の階段の両脇に狛犬よろしく阿吽のライオン像が鎮座ましましていて,あれはどこから来たのかしら。ぺかぺかの新品には見えなかったんだが。


あと,陸上競技の記録会だったのかな。使っていたのはトラックだけかな。人が多く華やかでした。


そんなわけで,久しぶりに,「おするばん」じゃないリーグ戦9日目。2週(リーグ自体がお休みだった週を入れると3週)あいたので,ほんとに久しぶり。全日程の半分ぐらいしか行かないと,見てないカードがたくさんありすぎてもったいないと感じてしまうし,最後までろくろく見てないままのチームが複数できてしまうのは気持ち悪い。


でも,無理はしない方向で。義務にはしない方向で。と,バスに揺られながら改めて思いました。ブランクを挟んでみて,楽しいな,と感じられたその気持ちをだいじにしたい。


ということで,すためんとかは追って補完。

中央大3-0早稲田(25-19 25-19 25-20)


中央:17柳田 1井上慎 3渡邉 20谷口 12武智 9大竹 L7伊賀


早稲田:15藤中 7山崎 3田中 10喜入 2加藤 1山口 L20堀江/6後藤


試合が終わってだいぶ経ってから人と話していて思ったんだけども,これに限らず,好調だった(それも一瞬だけではなくちゃんと安定して)ときを知っていてそっちのイメージのほうが強い選手が,シーズンがかわると調子が上がらないままでいるのを見るのは辛い。ついそのときと同じぐらいのパフォーマンスを期待するし要求もしてしまう。それでチームの結果が出ていれば気にならないかもしれないけれど,そちらも今ひとつだとしたら。


つまりそんな感じの試合でした。


しかし,それとは別に,藤中を下げて加賀を入れたのはびっくりした。加賀マルチすぎる。


中大も井上が途中までいまひとつぴりっとしなかったので,早稲田がつけいる隙は幾らでもあったんだがなあ。そう思わせておきながら点差のあるストレートなのが,中大のえげつなさというか。

順天堂3-0専修大(25-19 25-22 27-25)


順大:2松崎 3石原 5後藤 12吉野 26中村 15坂口 L28加藤


専修:7小森 11松本 20窪田 14伊藤 17柏田 13為我井 L1平安山/9平原


笑えないレベルでどん底の専修。3日目に中院から1セット取ったきりセットも取れてない。なかなか見る機会が持てないでいたが,気になるので(秋2部に落ちると見られないかもしれないし)意識的にこちらを見るようにしていた。


が,なんつーか。うん。笑えないレベルじゃなくて,笑うしかないレベルだった。辛い。


順大もそこそこ「朝イチの試合でまだ起きてない」雰囲気,つまりミスがあったり緻密でなかったりといった様子が見られた。でも専修がその上をいっていた1・2セット目。序盤専修がリードしていても中盤までに逆転されてずるっと。


このままだと落ちる。2部全く見てないけど,落ちても不思議じゃない。


第3セットは終盤まで専修がリードしていた。中盤で4点差,追い上げられながらも逃げ切れそうなぎりぎり,22-23ぐらいまで辛うじてリードしていたんじゃないかな。久しぶりのセット取得,と,文字を入力しようとさえしていた。それが,23-23ぐらいで追いつかれ,24-23と逆にさきにマッチポイントに手をかけられる。デュースにしてそのままアドバンテージも取ったものの続かず,結局落としてしまった。


最後は一進一退の緊迫するといえばするシーンだったが,最終盤,26-25だったか25-25だったか忘れたが,為我井が安易に,落としに行く背面ツーを選択し,拾われて切り替えされた時には頭をかかえた。為我井が悪いとかそういうことではなくて(それもあるけど)そうなっちゃう状況が辛い。


今日の第3セットが取れなかったのは深刻。本人たちの(自覚している)表層の意識がどうであれ,もう心折れてるし集中力切れてるのがまざまざとわかる試合ぶりだった。リーグ序盤に見たときは「小森がひとりでがんばってる」だったけど,今日は「小森ももうがんばれない」だった。小森の調子もあまり(ぜんぜん)よくなさそうだったけれど,ほかに策がない手詰まり感。今日は小川も冨田もベンチにもいなかったようで,本業やら進路まわりやらも大事な時期だろうし,怪我かもしれんし,いたらどうってのもわからんけど。つらいなー。


波のあるチームだけれど,長友や山本湧がいたころに一季落ちて以来落ちていない。入れ替え戦となるとまた気持ちのもちようも違ってくるだろう。去年の春の入れ替え戦のように,崖っぷちで踏みとどまれるか。

明治大3-0中央学院(25-23 25-18 25-22)


明治:1濱中 3安井 9加藤 12頼金 4小林凌 10辰巳 L20小川


中院:29澤 8渡邊 11寺尾 1佐藤 45成田 3小松 L2箱崎/5市川


全体的にはじけている(ふざけ気味だし,上でやじるし)明治だけれど,コートに入る前に全員ライン際にきちんと整列するのは好感をもって見ている。


今日もそうやって,サイドライン際にゆるっと整列,したところで先に入るのが旗持ちさん。両チームの旗持ちが同時にコートに入り,自チーム側をぐるっと一周したあとコートを交替してぐるっと。自陣に戻ったあと握手。


双子なんですね。知らなかった。それぐらい明治に対して疎くなった今年。


試合はあまり見ていない。第1セットこそ中院もムードがよさそうだったけれど,そのあとは明治がつつがなくおさえつけていたふうに見えた。明治は後半好調。

東海大3-1筑波大(25-23 21-25 25-21 25-19)


東海:2松林 12小野寺 23佐藤 1久原 14神谷 18龍 L11井上航


筑波:7中根 1ロジャーズ 4樋口 8小池 11秦 3兒玉 L18高橋結


良い試合でした。


セッターが両腕にサポーターをしてるのがわたくし結構好きでして,中根・龍のセッター対決は,ビジュアルのうえでも本業のうえでも申し分なくおいしかった。


わたしの内面(というか気持ちのうえでの立ち位置というか)は去年想像していた今年とは違ったものになっていて,近頃いいなあと思ってみているチームと,ここ数年それなりに意識して見てきたチームとの対戦で,ものすごく楽しみながら観戦していたと思う。


そういうわたし自身の前のめりぶりが試合自体の評価を上げているのは否めない。スパイクのミート音が違って聞こえるの。秦くんも小池ちゃんも兒玉ちゃんも樋口くんも(海くんの打数が少ないことを知って驚いた。終盤ちょっと増えた)。力の乗った威力のあるスパイクになる数や人が多く,総合値・平均値が高い。だから見ていて楽しい。熱さとひたむきさと,きちんと落ち着いたプレーが同時にそこにある。筑波楽しい。


そして東海大。配球に意志があり,アタッカーに意志がある。サーブにもブロックにも意図がある。ように見える。あくまで主観ですが。


殴り合いという意味では筑波も(もっと殴れるときはもっと殴っているけど)十分殴っていたし,スパイクサーブがえぐかった。だけど,東海のサーブ(とブロック)はどちらかというと腹黒そう。松林にはある程度好きに打たせていた感じ(失礼)だったけど,コントロールサーブ中心で,レセプションアタックの決定率を下げさせる(ワンタッチにひっかける)感じだったんちゃうかなー。読み解き切らんかったけど。


筑波のMB中心の組み立て楽しかった。あれだけ選択肢が多いはずの筑波を相手に,東海がどうやって試合を自分たち優位に運べるように詰めていったのか,謎。もちろん東海側もひとつひとつのプレーはしっかりしていたし,アタッカー陣のパフォーマンスも良かったからこそ勝ち取れた1勝だと思うけど。


振り返ってみればそういうアレなんだけど,見てるときは「わー,すごーい,かっこいー」ってきゃっきゃしてました。


そうそう。いい松林を見ましたよ。どうやらいい松林出現率が高いらしい今日この頃。それと意識してがっつり追ってきたわけではないけれど,それでも4年目。何かしら伝わってくるものがあるものだね。


松林の今後をうらなう試金石的な意味でも明日の中大戦はすごく気になる。去年の秋の対戦見てないし。全カレのリベンジマッチでもあるし。


ああいう選手がどこまでできるのかっていうんはね。いわゆる「小さい選手」属性とは違うんよね。「小さくてすばしこい」とか「小さくて器用」とか「小さくて守備が巧い」とか,そういう形容が似合うタイプではない。かといって「小さいけど豪快」っていうのは,そうなんだけどそうじゃないぞ,と。そもそもそんなに小さくない。でもけして大きくはない。傍目に見ていて,メンタル面でめっちゃ伸びた(大人になった)ように見えるけれど,まだまだあれこれの伸びしろは必要だろうしその伸びしろを伸ばさないと意味がないわけで,その前提で,それらができるとしたら,という期待が膨らむ。

日体大3-0駒澤大(25-18 25-20 25-17)


日体:31河東 29仲本 22佐藤 24高梨 1峯村 7原 L2山本


駒澤:7戸嵜 12今野 1高子 17徳重 30遠藤 20正来 L2藤岡


去年の秋の日体大と今年の春の日体大は別人28号なので,後半戦はこんな感じで。しかし明日の明治戦が最大の山場。そして最後が学芸。

東京学芸1-3日本大(20-25 25-23 21-25 19-25)


学芸:1樫原 18杉山 3竹元 9中村博 8 小野 L27瀬戸山/19中村有


日大:14菅原 7小田 24松村 6郡 1細田 23高 L25新山


日大3勝目。


セッター対決がものすごく面白かった。こちらは,お腹よじれそうなぐらい笑いながら見ていた。ここの2人のぐいぐいいく感じは,ほんとにおかしい。背番号1番キャプテンセッター。チームの中心。というのがすごい出てる。けして澤村大地タイプの主将じゃないのは確か(彼はセッターじゃないけど)。指向としては及川か? それともちょっと違うかしら。


打つの好きよね,とりあえず。ダイレクトの殴り合いしてた。


そういえば,今季目立つ「打つ|打てる」セッターまとめがまだだった。明治の辰巳(もともとアタッカー)も仲間に入れて是非。


んでまあ,郡うまいしかっこいいし笑うと超かわいいよね,というのが総括。学芸は,前からそうなんだけど,アタッカー陣がややどんぐり背比べ的な感じで,起用にしても配球にしても,なんというか。

暫定順位

  1. 中央大 8-1|3.429|1.178
  2. 筑波大 7-2|3.286|1.152
  3. 日体大 7-2|2.556|1.114
  4. 東海大 6-3|2.000|1.072
  5. 明治大 6-3|1.500|1.046
  6. 早稲田 5-4|1.133|1.039
  7. 順天堂 5-4|1.000|1.025
  8. 東京学芸 3-6|0.684|0.935
  9. 日本大 3-6|0.526|0.950
  10. 駒澤大 2-7|0.524|0.897
  11. 中央学院 2-7|0.391|0.875
  12. 専修大 0-9|0.0370|0.777


中大は1日で首位返り咲き。


とはいえ,筑波大のセット率の良さはまだ効いている。いよいよ優勝(その他各種順位)争いが佳境に。今季は最終日だけ最終週に残すパターンなので,明日が終わって1週間どきどきですわ。


明日中大の優勝が決まる可能性はもちろんあるけれど,筑波●が必須条件なので蓋然性が低い。よってそれ以上の諸条件の洗い出しは省略。


一方,専修大の12位が決定。専修は今リーグ1日目から最下位であり続けた。初日は4チームがストレート負けした中でわずかな得点率差で最下位。


リーグ初日から一度も順位が変わらなかったチームは記憶にない,と書きかけたものの,去年の春の中大が初日から1位でそのままぶっちぎりで全勝優勝してた。中大恐ろしい。2014春は初日こそ3位だったけど,2日目に首位に立ってから明け渡さずに全勝優勝だったし。


けして石川1人のチームじゃないし「いて負けた」事例も「いなくて強かった」事例もどちらもあるけれど,総じて見れば,去年は石川のいない中大がクリリンだった感はある。

おまけ


20160515023754


20160515023755