三月歌舞伎公演@国立劇場(大劇場)二度目


前回2階の上手の席だったので,3階下手から。花道よりもさらに下手だけれど,これはこれで。


朝起きられなくて遅刻ギリギリで滑り込み。2度目なので,プログラムもイヤホンガイドも不要。


そのかわり,上演台本を買った。800円。国立劇場はこれがあるのはありがたい。文字で観ると,耳で聞くのではぴんとこないことでも多少はわかる。脚注で飛ばしているわけではないので芝居中に参照するのは無理だが,巻末の用語解説が詳しいのもありがたい。


いつも,不安な気持ちに勝てなくてイヤホンガイドに頼ってしまう。イヤホンガイドなしで観ると,台本観ながら義太夫を聞き,芝居をじっくり観られる。1週間前に観たばかりなのでまだ記憶も残っている。イヤホンガイドがないと静かだなあと思う場面も。イヤホンガイドはイヤホンガイドで,幕間の小話も楽しいし,わかりにくいところを補完してもくれる(「滝の白糸」の幕切れは,イヤホンガイドか筋書きがないと分からんかったっぽくて隣の人に訊かれたくらい)。


むずかしいのう。


昼を調達できずに駆け込んだので,お昼ご飯は,3階の喫茶「十八番」でかきあげうどん。680円。劇場ごはんはどうしてもお高めななかで,手頃な価格,寒い日だったので,あたたかいものが食べられるのも嬉しかった。かきあげ大きくてボリュームもたっぷり。おいしかった。


あまり体調がよろしくなかったのにお腹いっぱいになったので消化に体力を奪われ,髪結新三のさいしょの幕はうとうとしていた。完全に寝落ちするのではなくうとうとしながら観るのも乙なものではある。忠七のなよなよしすぎない,江戸の町人にいそうな(もちろん実際には知らないけれど)柔らかな雰囲気が良い。


菊之助の新三は,こなれた感じは今ひとつだけれども,若さと気の強さ,強情さ,がそれはそれで色っぽい。とくに,お熊ちゃんが解放されるときのしぐさと表情がたいそう色っぽかった。


不埒なので,若狭の助と本蔵の主従関係にによによしたり,勝と新三の関係を妄想してにやにやしたりしていた。


幕間に,気分転換をかねて,外の桜を観る。神代曙という種類で,ほぼ満開。花見客も多かった。


バスではなく半蔵門線から千代田線に乗り換え,小田急千歳船橋の堀口珈琲さんに寄り,いちごパフェを食べる。