もうひとつ,道楽娘さんの11月3日の日記から。



いまどき結婚(嫁入り、かな。この場合)する時に着物を仕立てたり箪笥や鏡台持ってったりする人って、どのくらいの割合でいるんだろう。「ゼクシィ」見たら載ってるかな(笑)


着物と持参金の話は,一度も見たことがないような。箪笥と鏡台は,多少かすってますか。


お金のことや新生活のことがまるで載っていないというのではないんだけど。その方面でのありがち特集(というか特集はほぼ使い回されているのですが)としては,新生活のふたりの家計簿(1か月のやりくり)というのが多い。あとは,いわゆる「ご婚礼家具」なんて滅多に用意しない(新居のスペースの問題も大きかろう)現代における新生活のガイド。家電も含めて,予算幾らでどれぐらいの価格のものを何々買ったか,ひとり暮らしの時から使い回したのは何か,みたいな。それから,結婚資金を誰がどれぐらい出したか,というのは毎度のように載っている。本人の貯金が幾らで親の援助が幾らで云々。


実用本位な「お支度」しか扱っていないってことなのか,「嫁入り」ということばに付いて回るようなことは扱われてない。社会階級や地方による差が激しいからなのかもしれませんな。情報ページ以外は全国同じ記事だろうから地方さをカバーしきれないし下,手なこと書いて親と揉めても厄介だし。


当然のように和服の話題は全くちっとも全然出てこないし。箪笥と鏡台については,ムックで「新生活ショッピングガイド」が季刊ぐらいで出ているので,それはありていに言えば家具屋の広告の寄せ集めなので,ご婚礼家具系も少しは載っていたかなぁ。でも「鏡台」は無いよね。


ところで,「持参金」という言葉,彼女の日記ではじめて見ました。知らなかった。それって北国の風習なの?


わたしの「嫁入り」に関する知識は,かなり無い。今まで身近で「嫁入り」したケースを見ていないからだと思う。自分と同じ世代だと友人知人にそんなこと聞かないし(まだ数も少ないし),親が結婚したころは自分は産まれていないから見聞きしていないし。親戚も,ちょうど間の世代がいなくて,話を聞かない。


そして母は嫁入りしていない。そういえば父親は婿入り号というのがなにがしかある。自分の着物も少し持ってきているし,箪笥もおそらく父親が持ってきたものだと思う。他にも婿入り記念持参ブツというのをたまに聞くので,或いは持参金もあったのかもしれん。


わたしも嫁入り号に着物一揃いなど誂えてもらいたいものだけど,希望的観測によっても親がそれをしてくれる可能性はゼロ。母親の時代(つまり今から27年前)には,なんだかんだ言いつつ普段着(着ないのにね)+喪服ぐらいは親が用意してくれたようで,羨ましい。嫁入りしていない“らしさ”が出ているのは,よそ行きが無いことかと思う(ので,わたしが今残念がっている)けど。恐らく彼女はわたしが結婚するにあたって着物をつくる予定など,肌襦袢の1枚すら無いだろう。


ほいでも,“お嬢さん”ならいざ知らず自分で収入を得ている身としては,しかもいい歳して自分の趣味的なことに親をあてにするのは,どう考えても間違っているから,しゃぁないよなぁ。一人っ子で我が儘放題に甘やかされて育っているけれど,母はわたくし同様非常にしわいので,物品購入のおねだりという方面ではまったく甘くなかったものです。


彼女は,着物どころかもっと現実的な方面でのわたくしの結婚資金についても自分では一銭も出さないつもりだったぐらいだ。これについてわたくしの名誉のために書き添えておくと,わたくしは別に親が出すべきだと思っているわけでもなければ出して欲しいと思っているわけでもなければ,ねだったこともない。母とわたしの意見の相違はみていたのに,なんだかいろいろな要素が(親の親と呼ばれる人達だとか)あるものらしい。しかし,これについても彼女がなんか勘違いしているだけのようにも思う。いずれにせよ彼女は勝手に独り決めした予算(根拠がないものを「予算」と呼んでいいのかしら)に対して捻出の目処が立ったためにそれ以上はやはり財布を逆さに振っても出さない(出せないのほうが適当)。その中にわたしの着物は入っていないことも明白。


でも七五三と小学校4年(5年かも)のときに誂えてもらったし,成人式の着物レンタル代も抱いてもらっているから,あまり大きなことは言えない。ピアノも買ってもらったし(←たぶんモノとしてはこれが一番大きい)。お稽古ごともいっぱいさせてもらったし,それよりなにより,4年間も学費と生活費出してもらってたんだもの。バイトせずに何不自由なく暮らしていたのは,皆様ご存じのとおりです。


ゼクシィに話を戻すと,シビアな話として「親にお金を出してもらうんだったら親の意見もきけ」という,ごく当たり前のことが書かれている。ただし,「一銭も援助は要らないから,親の意見は無視して自分の好きなようにする」というのも,推奨はされていない。「子の結婚」というのは,人生に於ける一大イベントのようです。もしかすると,自分の結婚よりも一大事だと考える人も,多いのかもしれません。


一方で身の回りの実例を見ると,ゼクシィではそう書いていながらも,子の結婚が人生に於ける一大事では無いと思われるケースの方が圧倒的に多いのが現実でもあり。しかしこれはわたしが狭い社会(同じ価値観を持つ人達の中だけ)で生きているからでしょう。(23:32)