今は公立高校の受験シーズン真っ盛りなので

毎日のように会社にどさどさと,入試問題が掲載された地方紙が送られてくる。来年度の2学期の教材には今年の問題を含めた過去3年分の分析結果から起こした対策記事だの対策問題だのが載るわけですな。9月号なんてまだまだ先じゃんと侮る事なかれ。なんせ47都道府県×2コース。だから9月号なんて一部はすでに動き始めていて,なので今年の入試問題の分析もちんたらのんびりしている余裕なんてどこにもなく,日々届くやいなや,片っ端からがすがすがすっと分析して回るわけです。アルバイトさん総動員,暇そうな社員(つまりわたしのことだ)も総動員。うぇ〜。わたしは中3の教材を直接は担当していないのでモノを作る方の苦しみはわからないのだが,隣の席のT氏はことあるごとに,日本の都道府県の数の多さに文句を言っている。都道府県合併して一つにすればいいんだなんで47個にも分かれているんだ,とか,そういう暴言。地方自治もへったくれもあったもんじゃないですな。たしかに,印刷会社から段ボール箱×2ぐらいで届くゲラを見ていると,傍目にも憂鬱にはなります。吐きそうです。校正も飽きそうです。


都道府県レベルの行政区画はそう簡単には変わってくれないでしょうが,わたしはもっとずっと実現可能なレベルで,高校入試も大学入試センター(組織の名前はともかく)のようなところで一括して全国統一で試験問題を作ればいいのに,と,これは割と本気で考えてしまいます。大学入試センター試験と違って試験日が都道府県ごとに違う現状はありますが,一部の先行する都県を除くとほぼ3月上旬(まさに今週がピーク)に固まっているので,何パターンか作ってあとはできるだけ日程調整すれば対応できるんじゃないかと。少なくとも49種類もはいらないんじゃないかと(佐賀と愛知は2種類あるので49)。だって,学習する内容は日本全国何処でも同じなんですよ,中学校は義務教育なんだし公立高校の問題だし,基本的に。実際には都道府県ごとに見事にカラーが違っていて(今までに5県以上見た中で全く同じ問題というのは1問も出ていない。すごいね),それを見るのは楽しいのは楽しいのですが,如何せん49種類は多すぎる。スケジュールもタイトなので,余計におなかいっぱいになってくる。いくらアルバイトさん騒動員して手分けしても一人頭の分量結構なもんですよ。当然一応は解いてみないとわからんし,かといって解くだけで終わりではないので,なんだかんだで1つ1時間以上はかかる。それでさらっと解ければいいのだが,仮にも高校入試なのでそんなに簡単ではない。特に公民分野は政治も経済も福祉も全然だめなので(だって男女共同社会参画基本法(←なんか違うとおもうのでこれで覚えないように)とか知らないもん。PL法も介護保険もよくわからんし)教科書の索引とお友達だし,歴史も,頼むから社会経済史の通史で年代整序なんて出さないでくれ(解けないから)とか,世界史分野からの出題はやめてくれとか(解けないから)とか。今は近現代の割合が高いので,それも困りもの(ワシントン海軍軍縮条約,日独伊三国軍事同盟,ロシア革命,日朝修好条規を古い順に並べるとか。歴史得意な人なら楽勝かもしれんが)。地理は地理で,知識が必要な問題が少ない代わりに新聞に縮刷で掲載されたちっちゃーい字の統計資料だとか,えらく不鮮明になった地図だとか……ぐあああ。ま,そんな感じで今日は福島と青森をやっつけました。大分にも取りかかったけど途中で電池切れによる頭痛が発生したので放棄。


もちろん一日中それだけやっているわけではないのだが。新聞掲載のさらにコピーという疲れ目には酷な入試問題と首っぴきになりながら分析データ入力用のエクセル画面とにらめっこしつつ,合間に小5。フルカラーで字も大きくてまんがまでついている小学生向け教材は心が和みます。えぇ。久しぶりに仕事の話書きましたか。でも,こういうのってただの作業だから。頭使わなくていいし,わたしはこれぐらいのレベルの問題を見るのは大好きだし。楽しいです。「仕事」なのはそれよりも前(どういう分析のしかたをするか,とか,それをどう反映させるかとか)で,わたしはその辺は関与していないので気楽なものです。(22:28)