キャラ別感想(他に手の打ちようがない)


土方:他の人をいっぱい描いているから登場シーンも少なかったし,なんつっても宇都宮に居たという地理的距離が痛くやや不満。しかし彼は前回の近藤との抱擁がピークだったと思うので,今回はもうどうでもいいのだ。


彼の戦いはこれからも続くし(彼のその後の転戦が単に死に場所を求めていただけという風には見えない終わり方なのは良かった)みんなの前で弱気なところは見せない。いさみんとの最後の別れも済んでいた。ただ,目の見えないおにいちゃんの前で涙を流したところが,子どもっぽくて涙を誘うのだったよ。


近藤:綺麗かった。初夏の板橋の刑場も光と緑に溢れていて,このドラマの近藤が最後まで「いい人」だったんだね,と。野次馬達もみんな褒めてるしさ。


たまちゃんには会いたかったのかなぁ。あー。特に書くことないっす。先週で真っ白になってしまった。


つね:武家の女かくあるべしという強さを見せておいでだった。おかんはたまらず声を掛けた,にぃちゃんも声を掛けた。取り乱すな,とつねちゃんに忠告していた人達が堪えきれなかった中,つねちゃんはただ黙って唇を振るわすだけだった。


尾形:株,高いんだか低いんだか,おいらにはわかんねぇよ(涙)。すすむんの最期の時にもヤな奴だと思ったものだ。だけど最後,左之助との場面は泣かせるじゃねぇか。文学師範としてはかっこいいな。が,実際に今現在書き物が残っているのはこの時点ではあまり字書きなどしそうに見えない人達のものが有名だ。彼のその後,少し気になる。


左之助:「俺も不滅だー!」。不滅で良かった。そうともアンタは不滅だよ。あたしも尾形くんと一緒に笑っちゃったよ。「尽忠報国の士,天晴れなり」はかつて鴨が放ったセリフでしたか。「新選組は不滅だー!」は斎藤さん?


八っつぁん:結局救いがなかった気がする……真面目一徹が馬鹿を見るのかねぇ。ちょいとかわいそうだ。もっとかわいそうなのは最後の最後だというのに「こいつ感じ悪い」って思われた(に違いない)市川宇八郎改め芳賀宜道。そんな奴と友達の八っつぁんに対しても,オマエの人を見る目はそんなもんか,という気にもなろうもの。だから罪滅ぼしに板橋に碑を建てたりしたのですか(違うだろう)。


大村達夫(漢字表記自信なし):オープニングロール見たときにどっかで見た名前だとは思ったけれどキミのことと思い出せなかったよ。佑天仙之助殺して自分もヤクザ稼業かと思うと,敵討ちなんて虚しいばかりだ。


安房:あなたも最後まで喰えない悪人。心にもないこと言って土方さんのこと遠ざけてません? 気のせい? 気のせい?


西郷吉之助:上に同じく喰えない悪人。なんだかなぁ。世界の平和のために近藤一人に泥を被ってもらおうと,本人に伝わるならまだ道理も通じるけど,勝手に決めてるだけだとただの悪い人だから。近藤さんがどう思っていようとも(わかっていてもいなくても,ただ諦めただけでも覚悟があっても)。


前歯がでかいお考ちゃん:アテガキだし。まさか最終回の残り数十分で斬られるとは思ってもみなかっただけにすごくショックだった。好きだったのよ。バカなのか頭よかったのかわかんないけど。身を挺して沖田を守ろうという気概があったのか,以前刺客が来たときに回避できたから今度もなんとかなると高をくくっていたのか。わかんないけど哀しい。


ちょっとおばかだけどそれがじつは気が利いていて男を癒すというのはキャラこそ違え明里さんと同じ役割だ。登場が入れ違いだったから気が付かなかった(し気にならなかった)けれど。もっとも,山南さんと沖田のその辺の相似(類似)は偶然だろう。


木戸:あんた……いつ出てきてくれるかと待ち望んでいたのに。奇妙な和洋折衷の床張り部屋に一部畳を敷いてお膳の前に和服で正座してナイフとフォーク使ってオムレツ食べているシーンはひたすら「ずれてる」感が出ていてよかったけどさ。言ってることもビミョズレだしさ。


幾松:数少ない女性陣の中でも最後まで好きになれんかったのは彼女だけなんだが(お琴さんでさえ最後は共感したというに)……いかにもインテリっぽい「できる女」は同性には煙たがられるのかしら。だけど寺田屋お登勢さんは好きだった。同じ「できる女」でも,あれは気っぷの良さが売りで女臭さがないから。


捨:泣かせるけどちょっと無駄死感。風車刺してあんたは阿比留君か? ほんとにかっちゃんのこと好きだったんだね。かっこよかったけどちょっと無駄死。彼,途中までは歴史の重要な場面に必ずいる人物だったし,本人そうと知らずに時代を動かすきっかけとなってた人物だっただけに,最後はありんこのように踏みつぶされたのが哀れでもあった。架空の人物はドラマ内で決着をつける,ということか。或いは,彼が活躍しまた居合わせてきた「重要な転換期」だった前時代の全ては既にありんこの如く地に落ちたのか。半分ドリームだった「新選組!」終演の象徴ではあった。


斎藤:彼のオーラスシーンは新選組わくわくモードのBGM。若人に未来を! 希望を! 剣は銃よりも強し。かっけー。かたぼりちゃん(会津藩主旧京都守護職)に虎徹(本物)貰ってあっさりかたぼりちゃん寝返ったらしい……というのは冗談だけど。


冗談はさておき,会津藩主に直接目通りしたのは「永倉新八,反乱」以来では。セリフも長いし。会津に着くやいなや京に出張命令出されたのは「お疲れ様」であるが,道中関所(?)で止められたところはとことんかっこよかった。今まで人斬った後ろくに血拭いなんてしてなかったのに,すかさず懐紙を取り出してふきふきしていたところは妙にかわいかった。(虎徹(本物)に対する扱いの大切さの由縁かと思ったが虎徹は背負っていたので勘違いだった模様)。その後近藤の首奪還に成功したかどうかはともかく,今回の中で(回想シーン除いて)左之助と並ぶすかっとするシーンだったと同時に,唯一の明るいBGMシーンでもありました。次のシーンの沖田は人生投げた半死人だっただけに。その次のシーンの土方・島田・尾関はなんでそこで(鳥羽伏見と同じセットで)死なずに済んだのか不思議なぐらい無鉄砲だっただけに。そしてその次のシーンはいよいよ近藤斬首だっただけに。


最後の名場面集で振り返ったときのシーンがどこのかわかんないのが悔しい。


かたぼりちゃん(×斎藤):棒読み2人の差し向かいシーンということで,この2人の2ショットは初めてということで,最終回にも関わらずはらはらさせられましたが,斎藤がどうとか関係なくかたぼりちゃんは最初から最後まで棒読みキングだった。芸術の域。せっかく会津(鶴ヶ丘城)のシーンだったのだから,他の会津藩重役(小森様秋月様広沢様)も出してほしかった。