リトグラフ


「版画」の一種であることは知っていてもどんなもんかは皆目検討がつかん。見た目には水彩画というか普通の印刷物(妙な表現ですが)のようにしか見えない。多彩な色のグラデーションを「版画」でどうやって表現できるのだろう,と。


高校卒業するまでに美術(図画・工作)で制作したのは木版画エッチング(銅版画?)とシルクスクリーンぐらい(小学校低学年は紙版画だね,懐かすぃい)。リトグラフも,このわたしが名前を知っているからには「版画の種類」といった感じで概要を習ったのだろうけど,実習(実制作)していないのでピンとこないし記憶に残っていない。


シルクスクリーンも大概原理不明だけど,つまりはプリントゴッコなので身近と言えば身近。一方リトグラフは作品の説明でしか見かけない名前だし,その作品も実物を見たのは今回が初めて(かも)。実物を見て改めて「版画って感じがしないぞ」と思ったんだった。だけど版画の証拠に版面外にトンボついてんだよ。


昨日は「どうなってんだろね」と思うだけで帰ってきたので,自宅でぐーぐる先生にお伺い。どうやらリトグラフなるもの,もともとは石版のことのよう。しかし石は重いので現状ではアルミ版がほとんどとか,木で作る人もいるとか。なので今の認識としては,「平板」で「水と油が反発する原理を利用して印刷するもの」がざっくりした定義らしい。


要するにオフセット印刷ですな。


それでなぜグラデにできるのかっつぅ辺りの具体的な表現技法なり版の作り方なりはさっぱりわからんままだけど,「オフセか」と思えばなんとなくわかったような気がしないでもない。オフセなら刷った後の紙に凹凸がないのも納得だし,今のカラー印刷で微細なタッチやグラデーションが表現できているのだから,昔(ちなみにミュシャは19世紀末から20世紀初めの人)の版画でもできないことはないはず。そもそも「版画」と「印刷」ってどう違うのって話になるし。


版をどうやってつくるのかわからんなどとほざくのは,わたしがすっかりDTP以降の世代の人間で,印刷といえば「4C+特色」,その色分解もコンピュータがしてくれるものという認識だからかしら。ミュシャの作品,色数多いし一つの色でも濃淡あるし,一色ずつ自力で版を作ったのか? と謎。


そりゃ,下絵を作って一色ごとにトレペで移せばできなくはないが,あんな流れるような線をトレペうつしでできるものか,いやしかし職人芸だし。ぶつぶつ。