なぜか午前8時台に目が覚めた
ぼんやりまどろみつつ,雀も啼いているし外も静かだからまだ朝の時間帯なのだろうなという感じはしたけれど,時計を見てちょっと驚き。
せっかくなので,着物の解れをつくろい襟を付け直して,ご丁寧にも名古屋帯をお太鼓にしてみた。お太鼓なんて,去年の夏以来ぐらいじゃないか。針仕事に1時間強着付けに1時間強という悠長な支度っぷりで,12時過ぎに家を出た。急ぐこともないし。お太鼓久しぶりのわりに手際よくできたし,丈が短かった他はまあまあきれいめに着られて嬉しい。いつも履物履いて外に出ることを忘れて短めに着付けてしまう。
外の気温20度ぐらいだったのかな(18.9度だったらしい)。晴れて湿度は低くそこそこ風もあって爽やかな外出日和。すごく気持ちよかった。暑いと厭なので肌着省略直に長襦袢という薄着仕様で出かけてみたが,風が吹くと二の腕がすーすー。帰りはショール巻いても寒かったからまだもう一枚着ておいた方が良いらしい。今の季節はむずかしい。
フランチャイズ蕎麦屋でカレー丼と蕎麦のセット700円という昼食の後,コーヒー屋と図書館を経由して両国にある江戸東京博物館へ「新シルクロード展」を観にでかける。4ブースに分けられているからか,展示品はそれほどたくさんある感じはしなかった。それなりに人はいたけどあまり混雑していなかったし陳列ぶりもゆとりがある。それでも1時間ちょっとはかかってそれなりに疲れたので,このぐらいがいいのかねぇ。少なくとも常設展とのセットは無理。
内容については,えぇと,音声ガイドは要らないと思いましたがそれはともかく。展示されている写真に見る遺跡(主に墓)は何もない砂沙漠の丘に木の柱ばかりがごんごん立っていて,砂塵に帰した廃墟感が漂っている。出土品には(棺とか)は木製品が多く,現在は一面砂沙漠になっている土地だけに,沙漠のイメージとかけ離れた木製品の数々は不思議な感じがする。その程度には木材が豊富にあったってことで,一体どんな様子だったんだろう。そしてそこに住んでいた人達も。
ミイラはしっかりした毛織物に包まれ,暖かそうな靴下をはいてフェルトの帽子を被っている。冬はマイナス数十度になる内陸の気候では,何千年前の文明であろうが相応の防寒着を着ている。当たり前のことだけどちょっと不思議。コーカソイドとおぼしき被葬者に色鮮やかな衣裳。絞ったウエストにふくらんだスカート,紺・赤といった配色は,ちょっぴり東ヨーロッパの民族衣装を連想させる。数千年を経た今見ても「かわいい」と感じる織り柄や刺繍や色遣い。たかが数千年,世の中はずいぶんと進んた部分がもちろん多いのだけれど,人の一生は短いがゆえに,一方で変わらない部分もある。砂に消えたオアシス都市国家でどんな人達がどんな生活を営んでいたのか,その土地にどんな歴史があるのか,それは今後の研究でわかるかもしれないしわからないままかもしれない。わたしがこの世からいなくなった後でわかることもきっとたくさんあるのだろうと思いたい。遺跡発掘して研究できるだけの社会って,それだけで平和なことだと思うので。
いずれにしても,出土品の保存状態の良さには驚くばかり。木製品は乾燥してぱりぱりになっていたが,織物・染め物の色が落ちていないことは,つい数百年前のものと言われたほうが信じられるぐらい。
乾燥気候の為せる技だそうだが,じゃぁいつ乾燥したんだ? という疑問も。乾燥気候だからお供え物の羊がそのまま残っていると説明されても,なんとなく鵜呑みにできかねるんだけど……だって,オアシスだったから人が住んでいたんではないのか。腐るときには数日で腐るだろう。何十年,何百年後かに砂まみれの土地になることとナマモノの保存の可否って違わぬか? でもそれ言ったらエジプトだってミイラあるわけで,あーーーーーー?(だれかおしえて)。
と,斯様に全体的にはテレビ番組の企画展らしく,おしなべて「なんかうまくごまかされているかだまされているかしてないか,おれ」という気分になるものではありました。
特に音声ガイドが松平氏の声だけに胡散臭さ丸出しなんだよな。悠久とかロマンとかは結構だが,まるっきりの妄想をぎりぎり事実とは言い切らない(けれどすっと聞いていたらそれが事実だと思い込みかねない)程度の調子で言うのは逆に安っぽくなるからやめていただきたいとは思いましたが。あの声であの調子で「ほにゃららだったかもしれません」って言われるとなんだか目の前の物も信じられなくなってくる。
たとえば,出土品ってほんとに本物? レプリカじゃないの? とかさ。じめじめして過去の遺物はたいがい彩度が落ちてしまう日本生まれ日本育ちとしては,あまりに綺麗すぎるのがかえって信じがたい要因となってしまう。いずれ修復作業はしているのだろうが(それをしているかどうかで価値が変わるものではないが)それもどの程度かわかんないしなー,とか。とかとか。
結論としてはよくもわるくもテレビ的である,と。そういえば場所柄なのかテレビ番組企画だからなのかやたら客の年齢層が高かった。若い人いないんだもんよ。
まったく関係ないが久しぶりにミスドに行った。いつ以来だろう。うれしい。
古田2000本目出ましたね。そして案の定故郷で活躍できない宇和島東の2人。
きのうの燕柄浴衣について,コーマ地なら紺×白があるらしいことまではわかった。だからどうってものではないが。今日お下がりウールを着ていて思ったのだが,やはり裄や丈が短いのは着やすくていい。次に浴衣を買うなら仕立てにしたい。仕立て上がりと値段そんなに変わらないし。