NHK正月時代劇 04大河続編「新選組!!」


これは,2004年の大河ドラマをこよなく愛していた視聴者へのお年玉なんだろうなー。と,後でふと思った。話の内容は大河本編との関連は薄く,登場人物もほとんど違うのでどうしてそんなふうに感じたのか根拠は思いつかないけれど。けしてどこかで見たようなセットが使い回されていたり回想シーンが撮り下ろしだったからというだけではなく,なんとなく。


で,おもしろかった。大河本編と違って重めで堅めな雰囲気になるだろうと根拠なく思っていたので,全体のノリが大河本編と同じだったところでまず笑ったが。1年ぶりなのでむしろ違和感あったぐらい。あんな軽い口調の榎本武揚はアリなのか,とか(大物政治家をそんな風にいじっていいの? というはらはら感)。


でも,密室での会話を中心に話が進行し,その過程でそれぞれの人物の事情や腹づもりが明るみになったりそれぞれの考えが変わっていくというつくりはわたしは非常に好みなので,そこがメインなだけにうっかり引き込まれてしまいました。


片岡愛之助丈の榎本武揚吹越満氏の大鳥圭介はやっぱりよかった。続編の短時間ドラマにいきなり入ってメインに近い役柄であそこまで濃いキャラたたせられるのが役者の力量なのか(あて書きなのか)。そいつらとがんがん張り合う土方もかっこええ。これも周りの役者の力量なのか土方が強力になってた気がする。3人の丁々発止に,負け戦と分かっているのにわくわくしちゃったよ。すげぇや。


一方で,相変わらず台詞にしょうもない小技きかせてるし,大げさすぎる島田さん筆頭にしっかり笑えるし,市村鉄之介は超らぶりぃだし。しえーかんずは例のごとく食事時にどうでもいい論題で盛り上がっているし永井様もかっこよかった。


そりゃまあ文句もつっこみどころもありますが,お年玉ですから。榎本は端から切腹するつもりなんてなかったんじゃないかねぇ。だって結局降伏したわけだけど,その後明治政府の要職についてるじゃんね。土方あっさり人を信用しすぎー,だまされてるんじゃない? と思ったけどドラマ設定では本気で腹切るつもりだったかもしれんしその辺よくわからん。


さて斎藤さんは例によって無骨極まりない「俺が残る」発言で,すっかり人間の心を身につけ且つ人間語が少しは上達したところを見せ。会津居残りの理由も(ドラマ的に整合)ついた。「最後の恩返しだな」と,からかわれていたあたりは犬っころでしたが。時に,近藤の墓を作る場面に斎藤が居合わせていたのは,偶然ではなかったのね。首奪還係だったのね。すっかり忘れていたわ。あのお墓作るシーン,(滅多にない)ロケまでしてしてまで入れてくれたのは嬉しかった。


続きで,録画したまま見ていなかった去年の初めに放映された「その時歴史が動いた土方歳三函館に死す〜」を見た。HDDの奥底に眠っていた子が日の目を見られて良かった。