昨日一行だけ書いたことの補足。


個人的にメールすればいいことなんだけど。松下(呼称はパナソニックパンサーズに変わりましたが)の久保選手,今シーズンは合成にスト負けした初戦以外すべてレフトでスタメンで出ているようです。テレビで見たのがその試合だけだったので,昨日会場でコートにいるのを見て正直目を疑った。だいたいあなたはリベロ要員ではなかったかと。「チームの顔」のポジションはレフトになっていたけれどそもそも信じていなかった(松下公式WEBページでは今もリベロ)し,最初のうちはピンサで入った後に後衛を守っているのかとまだしつこく疑っていたのだが,前衛に回っても出ていた。打数は少ないながらも良いスパイクも打っていた。うむむ。


大卒で就職(?)して5年目だっけ。毎シーズン最低1度は何らかの形で松下の試合を見ているけれど,彼がスパイクを打ったのを見たのは記憶にある限り昨日が初めてだった。Vリーグの試合でレフトポジションで前衛にいたことって,まずなかったんじゃないだろうか。川村君の姿を全く見かけないのは気がかりだけれど(いれば川村君かなという役割ではある。故障?),そうでなくてもあのチームのあのへんの世代のアタッカーは揃っていて皆しのぎを削っているので,その中でのスタメン起用,そして昨日の試合を見る限りではそれがうまく機能していた。すごいや。


そこで件のセンターからのバックアタック。重量感とスピードのあるがつんとしたスパイクに目を見張ったら久保君だった。ほぼ真横位置から見ていて(良い席だった)目が悪いので,背番号17番(横から見るとわからない)のソトと見間違えたのかもしれないという疑惑は残るが,公式記録によると得点にはなっていないがバックアタックを2本打ったのは確からしいのでたぶんそうだろう(拾われたかどうかは覚えていない)。前衛のレフトから何本か打っていたのも,同じように野太いアタックだった。サーブと似ている(そりゃそうか)。身長はきっと大きなハンデだろうが,それをこえるための努力をしている結果だろうと。


入ったときはリベロが1人しかいなかったから彼がリベロ要員とされたのも道理だが,昨季の浅川加入でそっちはいちおう解決したんだろう。そして昨日の試合のある意味割り切った布陣はたいそう強力で,新加入のソトが本来オポジットでレシーブが弱いのをもう一人のレフトを半分リベロの久保にすることで補い,攻撃は山本・ソトの二人で(あの人達は後衛だろうがほとんど関係ない)主にまかなう。サーブ順を久保から始める。久保前衛時のブロック力低下はやむを得ないがセッターとの重なりは1度だけだしセッターの宇佐美はブロックが良いのでさほどの痛手とならない。ここぞの場面は久保にピンチブロッカーを投入。


この布陣で久保が後衛のときはあたかもリベロが二人いるような状態でコート内外を縦横無尽に駆け回り,そりゃあもう拾うこと拾うこと。特に宇佐美がサーブのローテーションでは,うさみん剛速球サーブ→レシーブ乱れる→アタックいまいち→前3人ののっぽにシャットされるもしくは確実なるワンタッチを後ろのリベロ(?)二人に拾われ切り返しの攻撃は前3枚使いたい放題。いい加減歯噛みを通り越して泣きそうになった。


松下は初戦の合成戦はどことなくちぐはぐな印象でで前評判のわりにはいいとこなしに見えたものだが(解説の佐々木太一氏は松下はけして悪くなかったがそれ以上に合成が良かったというようなことを言った)昨日はめちゃめちゃ良くて完敗だった(それともNECが悪かったのか?)。勝因はもちろん選手起用だけではないだろうしこの先の長いリーグは混戦必至ではあるだろうけれど,とにかくあれだけ拾われたら「リベロ二人は詐欺だろう」と言いたくもなる。