しゅくだい:リザーブの使い方・改


ブクマをつらつら眺めていて,2年前の冬に書いた記事を発掘。


リザーブの使い方


千葉大会におけるパナのリザーブ5人のポジション配分と交替のさせ方についてのメモ。


このとき今井がオポジットにコンバートしていたことを知らなかったのか,知っててわざとこういう書き方をしたのかは覚えていない。わざと,というとアレだが,あまり真面目にとらえていなかったところはある。


このシーズン今井が出場したのは,山本が負傷で欠場した開幕週を除けばもっぱらワンポイントブロッカーとしてだった。


このころ,わたしには,ワンブロは控えに入っているMBの選手がつとめるもの,という頭があった。だから余計に,今井がオポジットというのを話半分に聞いていたところがあった。


しかし,今季のパナも,ちらちら見る限りワンブロの筆頭はオポジット控えの山本だったようすなので,その部分の起用の仕方は07/08シーズンと変わっていない。


ワンブロは前衛3枚ブロックのセンターではなくサイドに入るから,必ずしも本業MB選手と同じ動きをするわけではない。また,セッターにかわって入ることが多いので,切り返すときやラリーが続いたときに二段トスを打ちきれる枚数を増やすという意図もあるのかもしれない。ブロックそのものよりも。MBにかえて投入するピンチサーバが,サーブそのものの攻撃というよりもそのあとのレシーブを重視してるっぽい起用のことがあるが(それこそ小糸ピンサとかだ),あれと似たような感じかもしれない。そう考えると,上背のあるサイドアタッカーをワンポイントブロッカーで起用するという作戦は理にかなっている,と,今書いてて気づいた。


と,今井論(ワンブロ論)を引っ張るのは本題ではない。


この次のシーズンから,Vリーグではベンチ入りの上限が14名になった。


この年のパナのリザーブの使い方はベンチ入り12名時代のひとつの最終形であり,今はレギュレーションが異なる。


今季はVリーグを(特にプレミアを)ちゃんと見なかったので各チームの様子を把握できていないのだが,14名での控え選手の配分と12名時代からどう変わったかは興味のあるところだな,とこの記事を読み返して思った。


12→14なので,控え選手が2人増えたことになる。ただし,ルール上,14名のときはリベロが2人でないといけないので,増分はフィールド(違)プレーヤーが+1名,リベロが+1名。また,リベロは1度交替したら試合終了まで交替できない(スタメンリベロに戻せない)という制約がある。


言い換えれば,ベンチに入れるのは(6+1)人×2組。単純に考えれば,Bチームを1セット作ってベンチにおいておけば良いとも言えるが,各チームのリザーブはどんなだったんだろう。


とくに注目すべきは第2リベロ。どうやら,リベロの交替制限がかなりネックになっている様子が窺える。


この2シーズンのパナの例で言えば,リベロ登録が小糸・永野のときもあったが,どちらかがリベロユニじゃない(つまりコートプレーヤーとしてベンチ入り)こともあった(気がする。気のせい?)。


12人時代にも,チーム内で第2リベロに相当する選手が通常ユニでベンチ入りをしているケースは複数のチームで見られた(ぱっと思いつくのはパナと東レ)。レシーブが苦手と思われる選手が後衛に回ったときや相手のサーバーが強力なときに,ピンチレシーバー的に起用されているようだった。上記の記事のように,リベロがだめだめになったときに一時的に交替させてしまうという荒技もあった(滅多にないから面白がって記事に起こしたんだけど)。


この役割を考えると,第2リベロ相当の選手はコートプレーヤーとして入れておくというのもひとつの手。ではリベロのユニを着る第2リベロはどうするか。


ということで,第2リベロがコートプレーヤーの控えを1人増やすためだけの捨て駒に近い形で使われている例がちらほら見られるようになってきた。もちろんリベロ(の役割)ができる選手がチーム内に3人いれば何の問題もないのだが,まだ2シーズン目ということもあって各チームの所属選手の構成はそうはなっていない。不景気のおり,リベロが3人いるチームというのはそうそうない。


本業リベロではないのに違う色のユニフォームを着てベンチに入る選手には,では,どういう役割が求められているのか。上では捨て駒と書いたが,試合には出ずともベンチメンバーとしてなにかしらの役割があるのか。


試合中のコートに立つ人として捨て駒化されつつある一方で,リベロが交替する例も増えてきた。14人制導入当初は,スタメンリベロの調子が立ち直れないほど悪いときに進退窮まって行うもの,というイメージを持っていたが(だから捨て駒化しちゃうんだが),もうちょっと戦略的で攻撃的なリベロ交替の可能性が見えてきた。


今季中央大学では山本と高橋というタイプの異なる2人のリベロを併用している。先週は2日続けて第3セットから交替した。両日とも意識して見ていなかったのでなんとも言えないのだが,スタメンの山本の調子が悪くてというのとはちょっと違うようにも見えた。最初から交替する予定で交替しているというか。


これはフリーで交替できるようにしたらおもしろいだろうなあ,一度変わったら元に戻れないのは勿体ないなあと思って見ているのだが,そこは現行ルールがそういうルールなので仕方ない。


ただ,大学の場合は,とくに上位校は若い選手がわんさかいるので,ほぼ分化した選手が少数精鋭で所属しているVリーグチームに比べるといろいろ試しやすそうには思える。この辺が何年か経つと時系列的に上の様子に影響が出てくる,と。


というかんじで,宿題じゃなくてほぼ本文ですが。


つまり,単純な(6+1)×2にはなってないだろうな,ということ。枠が2人増えたことで,スタメンの調子があがらないときや相手チームの出方を見た上での「交替」要員とは別に,ピンサ職人,レシーブ職人,ワンブロ職人などの専門ワンポイント要員をベンチに入れやすくなったと考えられる。バレーボールは1度コート外に出た選手が(リベロをのぞけば)コートに戻れるので,1セット6回という交代枠をどう使うかは戦術上かなり重要。コート上の6(+1)人だけで戦っているのではないし,リザーブはただの控えではない。