FIVBワールドカップ男子大会開幕


今日から12月4日まで,移動日挟みつつ正味11日。日本戦は地上派で19時ぐらいからディレイ放送。そのほかに,CSフジのフジテレビONEとNEXTで全試合の中継がある。こちらは日本戦以外は生放送,日本戦は当日深夜の再放送の形。番組内容は地上派と少し違うとか。


いよいよ,オプションチャンネルのフジテレビNEXTを申し込んだ。夏のWLのときは申し込まなかったけれど,きょうの第2試合のイタリア×ロシア見たさについうっかり。電話もほとんど待たずに繋がったし,1時間半ぐらいしたら見られるようになっていて,イタリア×ロシアに間に合ってうはうは。しかし慌ててて支払い方法を確認しそびれた(通常の料金は家賃に込み。オンデマンドはクレジットカード決済だからクレカなのか,それとも別に請求書が来るか)。


今日は一日家でだらだらすると決めていたので,さっそく11時から開幕カードのひとつ,アルゼンチン×セルビアを観戦。


セルビアヨーロッパ選手権で優勝しての出場だし,昨年の世界選手権でも日本と対戦してて少し(テレビで)見て印象的だったので期待してたのだけれど,今日はあんまり「すごいなー」って感じはせず,アルゼンチンのストレート勝利だった。この結果は意外。


個人的には,去年からMBの#7スタンコビッチの黒髪ストレートボブにカチューシャというヘアスタイルが気になってしかたないのですが,そのスタンコビッチ,MBだから半分しか出てないのにチームで2番目に得点が多かったぐらい,1人でがんばってた感。セルビアは序盤レセプションが崩れがちだったので,テレビ放送では最初「とりあえず真上に上げるぐらいでOK,みたいなことを言ってたんだけど,MBでしか点がとれない感じになっていったために,「しっかりセッターにレセプションが返ってミドルが使えれば得点になるのだけれど」方向に。


こうなってくると厳しい。MBも対角のポドラスチャニンはなかなか決まらず途中で交替してましたが(名前覚えられない……いけめんさんだった)交替したあとは良かったかも。しかし,如何せん長いトスがびみょう。なんでもセルビアは正セッターが直前に故障してメンバーから外れたとかで,セッターが辛いと辛い。ミリュコビッチがちょいちょい打ちづらそうにしていたり。#10ニキッチももっと跳べるといいなーって(低い低い言われてましたが195cmぐらいある)。


対照的にアルゼンチンはみんなすごく楽しそう。映画俳優の誰かに似てる気がする(でも眉毛薄くて悪役顔)キャプテンの#9キロガが第1セットは活躍。守備の要で若いチームまとめてる(本人も若い)。1人お兄さんのリベロ#16ゴンザレスも安定感。第1セット見て#7コンテどこーって思ったら第2セット以降目立ってきた。全般通して,MBの#14クレールのブロックが炸裂。一枚でも良く止めていたけれど,セルビアの攻撃が手詰まり感の局面も多かった。


ほんで,セッターの#15デセッコ。ほおぶくろ所持系のかわゆらしい顔立ち。ふわっとしたトスで綺麗だった。きゅんきゅん。


明日は日本対アルゼンチン。たのしみです(アルゼンチン的な意味で)。セルビアも,今日はいまいちだったけれど,来週の日曜のセルビア対ロシア生観戦予定なので,それまでに上向きになってるといいなあ。


第2試合は,Bサイト(鹿児島)のイタリア×ロシア。ロシアはWLでブラジル破って優勝しててこちらもわくわく。一方のイタリアはわたしの知識は北京オリンピック最終予選で止まってる気配がありますが,イタリアというだけで超依怙贔屓。


外見大事です。イタリアはみんな伊達男で,チーム内ではやってるのかソフトモヒカン風多数。良く言えばにこにこ平たく言えばにやにや。対するロシアはみんなソ連の軍人さん風に深いカーキのコートに帽子が似合いそうな,ちょっとストイックな佇まいと無表情。


みているわたくしじゅるじゅる。どっちもおいしいですもぐもぐ。


第1セットはイタリアが取ったので,欣喜雀躍していたのですが,やっぱりロシア強いわ。ロシアってムセルスキー補正がかかって他の面々はそんなに大きく見えなかったりするけど,どう見ても全員2m超え。上背高いのはもちろんなんだけど,だけじゃなくて巧い。


Bサイトの鹿児島アリーナは天井が花のようなドーム形になっていて,客席も円形。試合序盤は両チーム,会場の感覚をつかみづらいのかサーブミスの応酬で始まったけれど,試合が進むにつれてサービスの殴り合いみたいになっていた。


ロシアも正セッターさん不在だったそうだけれども,出ていた#12ブトゥコ(でいいの? Butko)さんもブロック決めてたりとなかなかかわゆらしかった。攻撃面は,途中から#17ミハイロフ無双だったけれど,その陰で#2ビリュコフが堅かったなあ。


いたりー応援してたんですが,#7ラスコかっこいい#11サバーニまじアニキ(ほんとにアニキなのは#1マストランジェロ兄さん)ってきゃーきゃー言ってただけですよ。きゃっほう。セッターの#13トラヴィカは珍しい名字だけど,南スラブ系かしら(名前がdragan)。パパがソ連代表の#9イヴァン・ザイツェフさんも気になりますん。元セッターだってー,二段トスが綺麗なのー。


二試合フルで見て疲れてうたたねしている間に,ブラジル×エジプトは見そびれ,地上派の日本戦も8-7まで行ってましたが。


日本対イランは,地上派で放送してて,ついったーに好き放題流しながら適当に流し見をしていた。わたしのTLはコンパクトだけれど,あとでまとめられているのを見たら,ほんとうに大勢の人が試合を観ていて色んな人がそれを見て色んな感想を言っていて,それを読んで自分の大それた振る舞いが恥ずかしくなったので黙っておく。


注目されるのは関心を持たれないのよりずっといいこと。人口からみればほんの一部の人かもしれないけれど,日ごろの試合(Vリーグや大学リーグ)に比べるとずっと多くの関心が顕在化していることには,嬉しく思う。普段関心を寄せていないわけではなくて,ただ自分の視界に入ってきていないだけだろうとも思うので,ふだんの大それた振る舞いも恥ずかしくなるのだけれど。


代表の最終メンバーにも思うところはある。すたあシステム或いはしんでれら的な何かを,必要以上に行間や裏を読もうとしておそらくは思い込みなのに勝手に思い込んで鼻についてもいる。このメンバーでそこの椅子がかのひとのかわりにこのひとになってそれでそれってのはいろいろ厳しいんじゃねーのとも思う。あああああ。


でも,自分の観戦フィールドが専らVリーグだったころよりは全日本に関心と愛情があるような気がする。あの頃はひねくれていた。今も多少ひねくれているが,利害がダイレクトでない分,全然別の存在として素直に楽しめる気もする。代表チームにも代表選手にも明るくないし。代表でないチームや選手にも明るくないけどな。


ナショナルチームと国際大会だけがバレーボールではないけれど,代表して戦っているナショナルチームのことはなんだかんだいってもやっぱりそれなりに好きなんだと思う。この大会が日本にとってとても厳しいものであるのは承知の上で,世界の強豪と公式戦ができるせっかくの機会なんだから,精一杯苦しんで精一杯ぶつかって,できるだけのことをして,みんなで戦って,ひとつのチームとして楽しく試合を重ねて大会を過ごせればと。それぐらいのことは願っている。


結果じゃないとはいわん。ある意味結果は求めている。対チームにはほんとうは「悔いが残らないように思い切り苦しんでおいで」とだけ思っていたいのだけれど,テレビ放送がある以上テレビ的な結果がほしいという色気。その「結果」は単純な勝敗ではないんだろうなとぼんやり思う。もちろん勝てば話は早いのだけれどそれは難しい状況であり,ゆえに勝利以外の何か。


わたしはまさにワールドカップを見て沼にずぶずぶとはまりこんだ人間だけれど,わたしが見ていたワールドカップで試合にたくさん勝っていたかというとそうでもない。覚えているのはたいてい顔面蒼白でしんどそうで追い詰められていた場面ばかりだ。それでも(変な)ファンができあがる場合があるのだから,テレビ放送は侮れない。


テレビ的な成功というのは,テレビ的な何かがスポーツに何を求めているかという話にもなり,そのあたりはなかなか難しい。やっている中の人と伝えている中の人と受け取るこちら側と,立場が違えば理想も違うのではないかと思っているから。それぞれが一枚岩でもない。


そして,わたしが沼にはまった12年前と今とではテレビの位置づけも世の中も大きく変わっている。


お茶の間という存在はいまや幻想だと思ったり,一方で盛り上がるバレー関連タグを見てやはりお茶の間はあるのかと思ったり。


ただ,ひとつ大きく違うのは,ワールドカップが日本対どこかをテレビで見る大会ではなく,強豪同士のガチ勝負をノーカットで見られる大会になっていること。きゃあきゃあ言うのは一緒なんだけど,azzurriにきゃあきゃあいったりスタンコビッチ様にきゃあきゃあ言ったりできる! ひゃっほぅ!


わたしが,第1試合と第2試合で,実況・解説で名前が出てくる選手に注目して「ほへー」て思ったのと同じで,日本の代表チームの試合でも,注目選手や注目ポイントのガイドはほしいし,見ている側はそれに引っ張られる。そういう意味でやはり単なる出来事の放映ではなく,パッケージ化された番組にはなる。どうしても。今大会のフジテレビの番組制作は,過去のワールドカップのそれと比べるとかなり大幅に良い感じだ。挙げればキリがないぐらい画期的に素敵だ。


だからこそ,願わくば,見る側をリードする実況や解説が,実態に見合ったものでありますように,その日のコンディションで柔軟に対応できているものでありますように。自分が,少し違う何かに引っ張られているのだとしたらそれはとてもこわいことだから。


とりあえず明日(月曜日),日本対アルゼンチン戦はキャプテンキロガの悪人面とセッターデセッコのほおぶくろに注目です(←悪い例)。