全日本インカレ閉幕


2010年度の全日本インカレは,男子順天堂大学,女子鹿屋体育大学の優勝で幕を下ろした。


朝10時に始まった男女3位決定戦および決勝戦は熱戦に次ぐ熱戦で,最終試合の男子決勝戦の試合終了は20時を少し回り,閉会式が終わると21時。


それから,閉会式に残っていた男女優勝・準優勝チームのメンバーは,ほかの学連スタッフの方々とともに,コートの片付けに入った。ほんの1時間前に嬉し涙や悔し涙を流していても,お祭りが終わればみんなでお片付け。べりべりと剥がされていく,運命を分けた白いラインや,タラフレックス。その様子を感傷に浸りながら少しだけ見て,東京体育館を後にした。


疲れました。で,ほっと気が抜けて疲れが出たのか,今日(月曜)は若干体調をくずしました。


まあねー。金曜の対東海大戦以来変に力は入ってたと思う。東海に勝った以上は最低限決勝戦には出なきゃならないだろうという誰に頼まれたわけでもない(自分がするのでもないのに)気負いで,準決勝は比喩的な意味で胃が痛かった。


勝戦は決勝戦で,順大×中央大って。決勝がそのカードってのが嬉しくもあり,勝敗がついてしまうのが切なくもあり。


勝戦の第5セットはサイドアウトの応酬で,どっちが勝ってもおかしくなかった。戦っている人達には色々考えあってのプレーだろうけど,見ている側には,拮抗する中でたまたま先に15点目にのったのが順大だっただけに見えた。


最後まで勝てるチームはたった1チームだけ。そして今のチームがこの大会でおしまいであることは勝者にも敗者にも平等(天皇杯に出るチームは別だけど)。最後の方は,もう少し見ていたいよ,という気持ちだけだった。なんで第5セットは25点じゃないんだろう。


小さな感想はいろいろ浮かんでくるけど,金曜で燃え尽きた,かもしれない。


テレビの録画はあらかた失敗してたんだけど,予備で予約してた次の番組に相当する第3セット中盤以降はとれていた。今日帰ってからちょっとだけ見たけど,若い男の子たちの顔アップの破壊力は凄まじい。


陳腐な表現になってしまうけれど,何かに対して真剣な表情って輝いていて魅力的。笑顔も苛立ちも涙も,自信に満ちているときも苦しそうなときも。そういう選手達の顔を見ると「いいな」と思う。男子でも女子でも。「顔目当て」というと何か本質と違うところを好んでいるように受け止められるかもしれないけれど,スポーツ選手好きの人は,かれらが競技をしている時のすがたに惹かれてる。


準決勝はアリーナのエンド側で見ていた。光が彼の兄のサーブのときにチラ見している構図は,記念に残しておきたい「兄と弟の絵」だった。


今年の秋季リーグや国体予選,天皇杯関東ブロックラウンドなどの観戦メモを読み返して,あらためて,この2チームはどちらもこの1年いろいろなかたちで戦ってきていたな,と思った。猫の目のようなオーダー。そんな中で,秋季リーグ最終戦での直接対決の最後はやはり千々木伊藤の打ち合いの様相を呈し,このときも伊藤に軍配が上がっていた。来年2人揃って最終学年。まだ終わらない。そしてきっとこれからも続く。


順大の複数セッターシステムは,紆余曲折を経て,最終的に2山田と4渡辺俊の4年生コンビのツーセッターベースに着地した。背格好がわりと似ているので遠目からだと立ってるだけでは見分けがつかないというのが本音。左肘にサポータしてるのが左利きの山田で,右肘にサポータしてるのが右利きの渡辺。ぱっと見双子みたいなSR対角がおもしろかった。


今大会の個人賞で山田がセッター賞を,渡辺がレシーブ賞を,それぞれ受賞した。山田は大分三好ヴァイセアドラーへ(おそらくセッターとして)の,渡辺は東レアローズリベロとしての入団がそれぞれ内定している。この大会で見た山田のスパイクはセッターのツーよりはアタッカーのそれだったし(準決勝ではMIPを獲得した),渡辺のトスもアタッカーの二段トスよりはセッターのそれだった。


他選手のオーダーやローテーションのちがいによる役割分担や,ツーセッターシステムにおけるトス配分をまともに確認できなかったのは心残りではある。鬼門とわたしが勝手に呼んでいたS1(S4)ローテーションの切り抜け方が,レフト対角のメンバー如何で違っていた風だったのだが。その辺は(きもちにゆとりがあれば)項を改めて。