働く土地,住む土地


http://anond.hatelabo.jp/20140212113833


これな。


研究職の増田(男性)が田舎にパーマネントのアカポスを得た。


赴任を機に結婚。妻は仕事を辞めて増田と共に田舎に引っ越す。


しかし妻が新しい暮らしに適応できず,増田が悩んでいる。


というお話し。


当該地域を伏せていることによる日本地理クイズの側面と,内容そのものと,両面で楽しめるので,はてブもトラバもたいへん賑わっている。


これ,場所が分からないと腑に落ちづらいし案も出づらい部分もあるんだけどね。おおかたフェイクを入れているのだろう,条件に完全一致する街がない。


しかし,当てはまりそうな街を想起することで,当たらずとも遠からずの仮説を立てることはできるかもしれない。


わたしが案を提示できるものではないし,増田に対してどうこう言うつもりはない。ただ,トラバやブコメを見ると,同じような経験をしている人はたくさんいるようだ。わたし自身にとっても,起こらない話ではない。


パーマネントで田舎の研究職に就くことが転勤族の田舎赴任と異なるのは,その先ずっとその田舎に居続けること。数年のことと割切って単身赴任したり我慢したりができない。


それなのに,あかでみっくぽすとな人は,場所を考慮しないのが当たり前と思っているフシがある。パーマネントの公募はあればラッキー,少ないポストゆえ職能の条件さえあえば応募して当然,場所のえり好みなんてするはずもない。日本全国津々浦々,どこにでも。ずっと住み続けることになるにも拘わらず,とにかく出す。誤解を恐れず極端に言えばそんな感じ。


贅沢なんて言ってられない。


それはわかる。


じゃあ,あかぽすな人を夫にしようとする人はどうなるの。


増田の奥さんがどういうタイプの人で今どういう状態なのか分からないけれど,どこに住んでも適応できる人もいれば,慣れない環境への適応がむずかしい人もいる。それは事前に予測しきれない。時間が解決するかもしれないし,どうしたって無理かもしれない。


それに,仕事のこともある。一般的に考えて,人口が多い都市部の方が働き口が多い。人口が少ない田舎には働き口が少ない。せっかく夫が仕事を得ても,今度は妻の仕事が困難になる。


そんでね。だからかどうか分からないけれど,わたしの知る範囲での夫があかぽすな夫妻は,住む街と働く街をきっぱり,サラリーマンには信じられないようなスケールで分けている例が数例ある。


働く街に住むんじゃなくて,働く街は働く街,住む街は住む街。


東京住まいで高崎に新幹線通勤だとか,静岡住まいで京都だか大阪に新幹線通勤だとか,福岡住まいで(交通手段は知らないけど)海を越えて本州へ通勤だとか。


全部かパーマネントかどうかは知らんけど。


そらあ,大変だと思うよ。できれば近くに住みたいだろうよ。だいたい,どうみてもべらぼうに,笑えるぐらい仕事多いし忙しいし。でも,働く場所を選びにくいあの業界は,結果的にその選択をせざるをえないんだろうなあと,もんやり思う。最初はびっくりしたけれど,月-金で9時-5時残業ありのサラリーマンが遠距離新幹線通勤するよりは,楽なんじゃないの,という話もあり。


だからね。増田は岡山(仮)への引っ越しを提案するんじゃなくて,ばすっと神戸(仮)に引っ越して,それも奥さんだけ実家に返すんじゃなくてちゃんと二人の住まいを整えて,そこから総社(仮)に新幹線で通うなり忙しい日だけ総社(仮)で(ミニマムな部屋を借りておいて)寝泊まりするなりという生活は,考えてみてもいいと思うよ。「単身赴任」よりは自宅にいる時間が多いバランスで。


経済的にしんどいかもしれないけど,できない話じゃないように思う。年頃の既婚女性の求職は都会でもえらく難儀なのだろうけれども,高校教師かどうかはともかく,働く意思はあるみたいだし。少なくとも半端な経済的時間的不便をもって岡山(仮)に引っ越したところで,神戸っこ(仮)にとって何一つ解決にならない。それは断言できる。


なお,文中の固有地名は,ガチで特定しようとする意図ではなく,増田が書いている条件にそこそこ合致していてかつ自分がイメージしやすい都市です。総社が田舎かどうか知りません。遠足やレジャーで国分寺跡やら古墳やら神社やら行ったのと,結婚式挙げたぐらいですから。大昔には国内有数の大都会だったでしょうけれど,それじゃだめですかね。あ,おかっぷには連れて行ってもらったことあるよー。