誕生日によせて


日付が変わった頃はちょうど頭痛が痛いと唸っていたので,誕生日になったことに数時間気づかないでいた。


わたしのではないですよ,もちろん。


そもそもは(という言い方は変だが)友人の誕生日である。もう1年以上,それどころかかれこれ2年ぐらい会っていないような気がする。先月までは近くに住んでいたのに。


週末さえも休みでないような多忙な日々を送っているらしいことは,時折配偶者づてにきいていた。配偶者のほうとも(わたしが若い男たちにかまけているので)会う機会がめっきり減ってしまっていた。


実感がわかないのだが,引っ越したんだった。それも,ちょいと遠くへ。ますます会う機会もないのだろうな。


たまに,今どんな生活してるんだろうとか,会ってごはん食べながら話でもしたいなあ,とか思うこともあるのだけれど,なかなかそういうわけにもいかないだろう。


無理が効く年齢でもなくなりつつある。引っ越しして,無理が減って,家族と過ごす時間が増えていることを祈りつつ。


そして,友人と一緒だからよけいに覚えやすかった,ほしのちゃんの誕生日でもある。


こちらもかれこれ1年,は言い過ぎで,最後にプレーを見たのは今年の3月か。


24歳になったのだそうだ。


最初に見たときは18歳だった。誕生日を知ったのが2年生のときで,その年のはたちの誕生日に,ひとりでお酒を飲んで勝手にお祝いをした。


24歳ねえ。大人じゃんね。実感が湧かない。子どもっぽいという意味ではなくて,彼もまた,ちょいと遠くへ行ってしまった。誕生日当日を迎えてもしばらく思い出せないぐらいには。


Vリーグのオフは(わたしにとっては)長い。見ていない間は忘れてしまう。もともと,年に2度のリーグ中にこってりじっとり観察し,オフ期間もあまり長くないカテゴリで見ていた選手だ。試合に出ないこともほとんどなかった。いつどこの試合に出なかったかをそらで言えるぐらい(実際には言えませんが)にがっつりだった。


今も応援する気持ちがないわけじゃないけど,間があくと,温度は下がる。


昨季終了後に手術をした。またか,と思ったのが正直なところ。詳細は知らぬが,有り難いことに,練習見学に行かれる方が,ちょいちょい様子を教えてくださっていた。リハビリに通っているらしいとか別メニューで調整していたとか。


それが春とか夏とかの話。7月にアザレアの招待試合で姿は見かけた。ちょっとだけボールに触ってはいたが,動作のほとんどは左手を使っていたし,当然試合に出るわけもなく,ベンチでスコアをつけていた。


今どうなってるか知らないし,知ったところでどうにもならない。ただ,なんというか,あまり良い予感がしない。「またか」から逃げられないでいる。


なんとなく祈っている。でも,何を祈ればいいのかわからない。痛くなかったらいいな,とか?


考え出すとわりとしんどくて,でも,自分にできることは何もない。大学時代と違ってスタメンをなかば約束されているような環境でもない。出ればいいってものでもないし。名前と佇まいだけではまったがゆえにプレーについては必要以上に過小評価する傾向もあり,仮にからだが万全に戻ったとしてもどうだろうと。


自分が望んでいるのは,「プレーしてるところ見たい」「いいプレーを見たい」「試合で活躍しているところを見たい」だけだから。だけにしては贅沢だけど。


なんだろう。


なんだろうね。むずかしいね。


もう24歳だけどまだ24歳だから。もうしばらくは,冬になればきゃあきゃあ言っていられるって,思っていたい。そして,人生は長いから。わたしが見ていようがいまいが,どこで何をしていようと,人生における24歳はまだこれからだから。


新しい1年を。よい1年を。