Vプレミアリーグ男子ファイナル6・5日目
@松本市総合体育館
松本来訪二度目。1度目は夏で,松本城と時計の博物館(?)と旧開智学校に行ったことは覚えているのだが,町の風景はすでに記憶になかった。真新しい雪をかぶったアルプスの山並みがそびえる。高い山のない平野生まれの平野育ち今も関東平野の丘陵地で生活しているので,急峻な山そのものが鮮烈だ。3月のそろそろ強くなってくる太陽の光を反射する白い雪が,青い空に映える。
あずさで行き,スーパーあずさで帰った。新幹線に比べると気軽だけれど,揺れるし時間もかかるし電源も取れないのが難。
体育館は広い文化・スポーツ施設群にあり,松本駅からはバスで20分弱。バスを降りると広い駐車場は車で埋まり,貸し切りバスもたくさん停まっていて人もどんどん訪れていて,何が起きたかと驚いた。隣の文化ホールで高校の楽器の演奏会が行われていたせいもあったようだが,体育館に吸い込まれて行くお客さんも負けず劣らずの多さ。
試合開始50分前ぐらいというのに,すでに人がわらわら訪れている。当日券売り場で盛況ですねと声をかけると「(試合に来るチームが)なかなか凄いメンツですから」と仰っていたけれど,主催が集客をがんばっている様子もうかがえた。県内の高校バレー部が大挙してた風でもあった。のみならず関東地方の大学の一行までもいた。個人的に,ネクタイの人達にもお世話になった(いいおじさまたちだった。ありがたい)。
岐阜に比べると体育館が小規模で客席数も少なかったから埋まり具合での比較はできないけれど,鈴なりのスタンドの光景は気持ちのいいものだった。地元出身の有名選手が来て,その迫力あるプレーに沸く。スポーツ観戦のシンプルな楽しさ。
チケットの価格設定も優しかった。サイドライン側の中央付近に設けられたSS指定席だけが席指定(5000円だったかな),そのほかのアリーナはブロック指定(SS席以外ならどこでも座れる)で当日券3500円(前売り3000円)。アリーナの椅子は岐阜と同じで,SS席とエンド側は板で嵩増しした段をつくったところにパイプ椅子,その他のサイド側は可動式のひな壇ベンチシート。
がんばれば最前列でも3000円! がんばってないわたしはJVISとテレビカメラが視界に入る側でもごもごする羽目になったけれど,この値段なら充分すぎる。
もちろんスタンドの値段はもっと安かった。中高生料金も設定されていた。スタンドに比べるとアリーナにはしっかり空席が残っていたけれど,とはいえ,ディープな女性ファンとは違う客層も少なからずみられた。
場内でアンケートをとっていて,回答のお礼が例のトレカ1枚。選べたので,二番人気だったらしい八子さんをいただきました。
JTサンダーズ(RR1) 3(25-21 22-25 25-16 25-18)1 パナソニックパンサーズ(RR4)
JT唐川,パナ専田がユニフォームお披露目。各々挨拶がわり名刺がわりの活躍を見せた。JTは本日八子がベンチアウト(ということに,試合が終わってもまだ気づいていなかったワタシ。「今日はおざーさん→やこさん交代しないのねー」ってぼーっと思ってた)。会場にはいたらしい。
パナはセッター大竹。スタメン大竹で「おお」と思ったところ,最後までずっと大竹だった。セッティングも高く,清水の調子も次第に上がっていた。清水は良かった。
自分の隣で観ていた二人連れがどうやらプレーヤらしく,会話(感想)がおもしろかった。そのうちのひとつに「パナはサーブミスがもったいないね」と。わたしはサーブミス後の溜息撲滅派だが,入らないより入るほうがいい(隣の人達も溜息をついてはいなかった。事実を述べただけだ)。入れるための入れてけサーブ撲滅派ではあるが,入らないより入るほうがいい(隣の人達も入れにいくべきとは言わなかった。事実を述べただけだ)。単純なミス本数の問題ではなくて,試合序盤だけでなくなかなか修正できなかったり,ムードが高まっている場面やワンブロを入れるような勝負どころの場面でサーブミスが続くのが気運を削ぐものであることは確かで。あれらの(攻めている)サーブが入ればもっと(JTを疲れさせたりレセプションを崩したりして)試合の主導権を握り試合を優位に運べるだろうに,という意味で「もったいない」んだった。
パナソニックはファイナル6で4連敗。ファイナル6での敗退が決まった。今季のパナが(昨季までと比べて)苦しんでいる原因は監督がかわったことではなく「プレーヤ川村がいなくなった」ことではないかとはしばしば耳にする言説だ。川村がいたらどうにかなるということでもなかろうし(谷村だっているわけだし。でもセカンドリベロで全く出ていない),敢えて奏吾に経験を積ませて育てようとしているのは薄々感じるところだ。なかなか難しいね。
昨季の優勝決定戦で敗れたあと,黒鷲,天皇杯,リーグRR3試合とこのカードはすべてJTが勝っている。そういう意味で,セットを落としてもあまり「負ける」気がしなかった。それはJTが強いかどうかとはまた別の軸で。ただ,試合中の選手の表情が皆とても充実していて魅力的で,今のチーム状態が良かろうことは窺える。
豊田合成(RR3) 3(19-25 25-19 25-20 25-20)1 堺ブレイザーズ(RR5)
第1セット,堺BZ千々木のサーブでスタート。サーブで崩しブロックにかける。ブロックを厭がってスパイクミス。そんなこんなで,あっという間に0-4ぐらいまで行った。
第1セットは好調だった堺,しかし,第2セットから状況は一変した。試合を追うごとに,劣勢になっていく。ボールの扱いが雑,ディフェンス時のコート内の人の配置がバランスが悪く,ぽかんとあいたところにぼとんとボールが落ちる(追わない)。
スパイクが一度で決まらない。必ずといっていいほどワンタッチにかかり必ずといっていいほど拾われる。試合が進むにつれて,被キルブロックの頻度も上がっていた。
あとでスコアを見てみたら合成と堺のブロック本数はほぼ同じだった。4セットで双方10本越えなので,かなり多めの印象。おそらく試合の中での偏りはあっただろう。合成は後半の印象が強い。それだけ堺の攻撃が見切られていた,ということか。セッターをめまぐるしく変えていたが,奏功したとはいえなかった。なんだったんだろうなあ。きっとそこじゃなかったんだろうなあ。サイド3人30%台。
合成は,打つのは専らイゴールだけれど,ブロックからディグ,繋ぎ,といった動きに優れていた。数字だけみれば,合成も両WSの決定率は著しく低いが,繋いで託したイゴールの50%超えで堺との差を広げていった。
近の71%も効いている。打てばかならず決まっていた。レフト寄りの狭めなところからでもきっちり決めてきたスパイクが印象的。
VOMは地元長野県出身の傳田。かわいいってば。寒い中来てくださってありがとうございます,というようなことを言っていた。よほど松本の寒さが堪えたようで。長野県出身なのに。