わたしは儀礼好きではありません


もっと話が逸れるけれど,デパ地下ではバレンタインデーがプチクリスマス化しているようだ。一人では食べきれない程度には大きいホールのチョコレートケーキだとか「輸送には細心の注意を払い直前まで冷蔵保管,出したらすぐ食べる」タイプの生っぽいデザートだとかが,それなりに売れているように見えた。挙げ句総菜コーナーにまでバレンタインデーシールの貼られたオードブルが並んでいるのを見ると,恋人同士にとっては部屋でデートして二人でチョコケーキを分け合って食べる日という位置づけなのかと。


加えて紳士用品売り場も賑わっていて,カップルなんぞはチョコレートに添えて(またはチョコレートの代わりに)ちょっとした贈り物もなされることが多いようだ。バレンタインデーのお返しは1か月後のホワイトデーとの説もあるけれど(三倍返しという説もあるかもしれないけれど),むしろたかりまくったクリスマスのお返しといったスタンスじゃないのか。そう考えるとホワイトデーなんていいとこ半返しで充分だろうとも。


一方で,若い人にとっての「年に一度のお中元兼お歳暮の日」というスタンスも確立していると思う。かさばらず価格的にも貰う方の負担にならないぐらいのチョコレートは食べてすぐ消えるところもいい。


「チョコレートに想いを込めて愛の告白をする日」は,小中学生女児の間ぐらいではまだ生きているのだろうか。それとも昔から小中学生女児の間でしか生きていないのだろうか。